舌根沈下
DONEテジュオクのイラストを描いていて思いついた短文。SS名刺をテキストにしただけです
前奏曲 15番ぽつり、ぽつり、音のない空間であたたかい雫だけが空気を震わす。
その雫は、俺の乾いた髪や皮膚やシャツへと小さく染み込んで、潤していく。
砂漠で死にかけた葉に降る優しい雨のように。
硬い机に軋むからだを突っ伏して落ちていた意識が、小さな雨だれに少しずつ、優しく引き上げられていくと、耳やこめかみに柔らかい熱を感じて薄く目を開ける。
「……」
汚いから、と返そうとしてもまだ身体は言葉を霞ませる。ぎしりと音が鳴りそうな肩と背をゆっくり持ち上げると、しなやかな裸体がするりと入り込み、無遠慮に髪や頬を撫でていく。
湯で濡れた清潔な桃色の肌はまるで食べ物のようで、しかしこちらを見る端正な顔立ちは捕食せんとする獣の目だ。
蜜を溢れさせたように額から雫を垂らし、深い瞼を瞬かせながらお前を食うよと鼻先を齧る。
422その雫は、俺の乾いた髪や皮膚やシャツへと小さく染み込んで、潤していく。
砂漠で死にかけた葉に降る優しい雨のように。
硬い机に軋むからだを突っ伏して落ちていた意識が、小さな雨だれに少しずつ、優しく引き上げられていくと、耳やこめかみに柔らかい熱を感じて薄く目を開ける。
「……」
汚いから、と返そうとしてもまだ身体は言葉を霞ませる。ぎしりと音が鳴りそうな肩と背をゆっくり持ち上げると、しなやかな裸体がするりと入り込み、無遠慮に髪や頬を撫でていく。
湯で濡れた清潔な桃色の肌はまるで食べ物のようで、しかしこちらを見る端正な顔立ちは捕食せんとする獣の目だ。
蜜を溢れさせたように額から雫を垂らし、深い瞼を瞬かせながらお前を食うよと鼻先を齧る。
_BeHa_
DONEプトオク。甘め。臆病で狡い大人なプトと、プトのテリトリーに自分の居場所が欲しい素直なオク。
ベッドタイム 体が軋む。
独り寝で今まで窮屈さを感じることなどなかったが、最近狭くなったシングルベッドは快適とは程遠い。それもこれも、隣で両手を大きく広げて無防備に寝息を立てている青年が原因だ。
「…………」
欲を発散し、すっきりしたが疲れを溜め込んだままの体が痛い。枕も毛布も奪われ寝返りを打つスペースも無く、ギリギリまで端に寄り縮こまって眠っていた俺は上体を起こし凝った首裏を摩り肩を揉んだ。
誰かと夜を共にし、同じベッドで朝を迎えるなんて考えてもみなかった。それも一夜限りではなく習慣になりつつある。相手はあのオクタンで、予想外の連続だった。
「ん、……クリプト」
目を覚ました彼が目を開けて仰向けのまま俺を見上げた。
1335独り寝で今まで窮屈さを感じることなどなかったが、最近狭くなったシングルベッドは快適とは程遠い。それもこれも、隣で両手を大きく広げて無防備に寝息を立てている青年が原因だ。
「…………」
欲を発散し、すっきりしたが疲れを溜め込んだままの体が痛い。枕も毛布も奪われ寝返りを打つスペースも無く、ギリギリまで端に寄り縮こまって眠っていた俺は上体を起こし凝った首裏を摩り肩を揉んだ。
誰かと夜を共にし、同じベッドで朝を迎えるなんて考えてもみなかった。それも一夜限りではなく習慣になりつつある。相手はあのオクタンで、予想外の連続だった。
「ん、……クリプト」
目を覚ました彼が目を開けて仰向けのまま俺を見上げた。
nachi_oc
MOURNING喧嘩してるプオが書きたかったけれど、方向性が迷子になってしまったので書き切った序章だけ供養します…。パラダイスラウンジでミラージュとオクちゃんが駄弁るだけ。プトさん出ないので注意です…! 1516
舌根沈下
DOODLEテジュオクテジュン👓が新規参戦したという身勝手アースです。
エロなし
無題「食事に いかないか」
今日の試合も勝てなかった。とは言え、一部隊壊滅、漁夫からうまく距離を取り、戦況を見ながら動いての3位。
まだ試合を始めたてのテジュンにとっては充実した気分を味わっていた。
「よくやったな!お前確実に上達してるよ」
ずっとデュオを組んでくれているオクタンも背中を叩いて労う。
その勢いのまま、テジュンは思い切って誘ってみたのだった。
一瞬動きが止まったオクタンだったが、試合中とは違った優しい声音で
「いいぜ」
と笑った。
いつも羽織っているコートを仕舞い、僅かしかない私物の中で一番くたびれていないジャケットと、普段は滅多に見ない鏡をしっかり見ながら何度も歯磨きと洗顔と、髭剃りをして慣れないヘアセットもした。
2418今日の試合も勝てなかった。とは言え、一部隊壊滅、漁夫からうまく距離を取り、戦況を見ながら動いての3位。
まだ試合を始めたてのテジュンにとっては充実した気分を味わっていた。
「よくやったな!お前確実に上達してるよ」
ずっとデュオを組んでくれているオクタンも背中を叩いて労う。
その勢いのまま、テジュンは思い切って誘ってみたのだった。
一瞬動きが止まったオクタンだったが、試合中とは違った優しい声音で
「いいぜ」
と笑った。
いつも羽織っているコートを仕舞い、僅かしかない私物の中で一番くたびれていないジャケットと、普段は滅多に見ない鏡をしっかり見ながら何度も歯磨きと洗顔と、髭剃りをして慣れないヘアセットもした。
siratama_shell
DONE行方知らずの〜シリーズを土台にした、コミックを受けての浄化プトオクSS。溶けない氷はない 途絶えたはずの影を背負って、オクタビオは笑っていた。当時彼の頬に貼られていた白いガーゼは絆創膏となり、主張はこぶりになったものの、つけられた傷の大きさは変わらない。完治したって、ずっと残り続ける。アジャイから聞いた顛末が本当なら、彼に刻まれた傷は、簡単に癒えるものなんかじゃない。笑顔の中に潜められた感情は、どうあがいても、光の当たらない日陰でくすぶるそれだ。
戦場に流れる時の流れは、無慈悲かつ残酷だ。立ち止まる時があってはならない。躊躇も、遠慮も、存在する事が許されない、命の奪い合い。狂気の風が吹き付けるそこで、オクタビオの顔面を殴りつけてトドメを刺したのは他でもない俺で。割れたゴーグルの奥にあるエメラルドの目が、涙をこらえるようにゆっくりと閉ざされる有様を目に焼き付けたのも、他の誰でもない、俺だった。
2452戦場に流れる時の流れは、無慈悲かつ残酷だ。立ち止まる時があってはならない。躊躇も、遠慮も、存在する事が許されない、命の奪い合い。狂気の風が吹き付けるそこで、オクタビオの顔面を殴りつけてトドメを刺したのは他でもない俺で。割れたゴーグルの奥にあるエメラルドの目が、涙をこらえるようにゆっくりと閉ざされる有様を目に焼き付けたのも、他の誰でもない、俺だった。