オサハタ
MOURNING愛している、と彼は言った。Nightmare 目の前に横たわる骸に、外傷があったのかどうかは憶えていない。
暗い路地裏、雑に転がるその身体。
呼びかけはしなかった、呼んだところでもう聞こえないと、何故だか感覚で理解していたから。
傍に屈んで、触れた頬に弾力はなく、冷たい。
そんなにも長くこんな場所に独りにして済まないと、声に出さず謝った。
薄く開いたままの瞼、乾いて、知っているよりも色の薄くなっている虹彩。
それでも真っ直ぐに覗き込めば己が映るから、まるでまだ、俺を、見てくれているように思えてしまうから、そのままに、して、おきたくて。
そこでようやく名前を口にした。
だが、その後は、続かなかった。
ありがとう?
さようなら?
ごめん?
浮かぶどれもが相応しく、ないような、気がして。
2784暗い路地裏、雑に転がるその身体。
呼びかけはしなかった、呼んだところでもう聞こえないと、何故だか感覚で理解していたから。
傍に屈んで、触れた頬に弾力はなく、冷たい。
そんなにも長くこんな場所に独りにして済まないと、声に出さず謝った。
薄く開いたままの瞼、乾いて、知っているよりも色の薄くなっている虹彩。
それでも真っ直ぐに覗き込めば己が映るから、まるでまだ、俺を、見てくれているように思えてしまうから、そのままに、して、おきたくて。
そこでようやく名前を口にした。
だが、その後は、続かなかった。
ありがとう?
さようなら?
ごめん?
浮かぶどれもが相応しく、ないような、気がして。
オサハタ
DOODLE付き合ってる半サギョ昼間だけど眠る時間帯が彼らにとって夜的な
熱帯夜 暑さで微睡みに引き上げられた。
寝ぼけ眼をどうにか開きつつ、枕元に置いていたスマホで確認した時間は正午。
まだまだ起きるべき刻ではない、けれど、このままでは──そう、離れて眠りに入ったはずの恋人が、いつの間にやらまるで幼児にとってのお気に入りの縫いぐるみの如く自分を強く強く抱いて寝息を立てているこの状況では──素直に今一度眠るわけにはいかない。
半覚醒の意識、手探りで触れたリモコンはエアコンのもの。
躊躇いなく限界まで設定温度を下げた。
連続する電子音と、それに連なって大きくなった本体の風音に、安堵して、半分ほど開いていた瞼を、もう一度伏せよう、と、したところで──
「すぐ、離れる、から」
聞こえたのは、途切れ途切れの、覚束なく、それでいて甘ったるい、愛おしい、こえ。
552寝ぼけ眼をどうにか開きつつ、枕元に置いていたスマホで確認した時間は正午。
まだまだ起きるべき刻ではない、けれど、このままでは──そう、離れて眠りに入ったはずの恋人が、いつの間にやらまるで幼児にとってのお気に入りの縫いぐるみの如く自分を強く強く抱いて寝息を立てているこの状況では──素直に今一度眠るわけにはいかない。
半覚醒の意識、手探りで触れたリモコンはエアコンのもの。
躊躇いなく限界まで設定温度を下げた。
連続する電子音と、それに連なって大きくなった本体の風音に、安堵して、半分ほど開いていた瞼を、もう一度伏せよう、と、したところで──
「すぐ、離れる、から」
聞こえたのは、途切れ途切れの、覚束なく、それでいて甘ったるい、愛おしい、こえ。
オサハタ
DOODLE事後のふたり余韻 暑い。熱い。
冷房、の、設定温度、を、もう少し下げておけばよかった、と、思った。
真夏、の、昼前の、触れ合いは、予想以上に汗が皮膚を濡らす。
頬から髪から身体中から、雫は流れて落ちて止まらない、それはお互いさま。
寝台は頻繁な交換が難しい故、防水敷布を敷いてからさらにその上に一般的な敷布を敷いているけど、今日はその二枚とも交換した方がいいだろうな、と、達したばかりのぼんやりとした頭で僕は考えていた。
でも何にせよ、先ずは風呂に入ろう。温水の温度も今日はいつもより下げよう。
そんなことを思いながら僕は自分の首元に顔を埋めている先輩の濡れた髪を指先ですいた。
「……先輩、シャワー行こ」
擦り寄せた鼻先、汗だくのはずなのにいい匂いしかしないのはなんでだろう。
1118冷房、の、設定温度、を、もう少し下げておけばよかった、と、思った。
真夏、の、昼前の、触れ合いは、予想以上に汗が皮膚を濡らす。
頬から髪から身体中から、雫は流れて落ちて止まらない、それはお互いさま。
寝台は頻繁な交換が難しい故、防水敷布を敷いてからさらにその上に一般的な敷布を敷いているけど、今日はその二枚とも交換した方がいいだろうな、と、達したばかりのぼんやりとした頭で僕は考えていた。
でも何にせよ、先ずは風呂に入ろう。温水の温度も今日はいつもより下げよう。
そんなことを思いながら僕は自分の首元に顔を埋めている先輩の濡れた髪を指先ですいた。
「……先輩、シャワー行こ」
擦り寄せた鼻先、汗だくのはずなのにいい匂いしかしないのはなんでだろう。
Yutaki_Sira
DONE先輩お誕生日おめでとうございます。これからも健やかにセロリと一緒にいてください。えっちないけどえっち連呼してるので一応ここにあげます。
リボンの応用法について七月一日。
サギョウは悩んでいた。いわゆる花金と呼ばれるタイミングではあるが、そんな悠長な精神状態ではなかった。普通に悩んでいた。新横浜というもはや土地自体がポンチである場所でゆっくりした休みなど見込めない場所において花金は無効化されるのもある。
七月二日は半田桃の誕生日である。それだけならば悩むこともないのだが、半田桃とサギョウは先日お付き合いを始めた仲だった。お付き合い。恋人関係。将来を誓い合う仲(半田談。サギョウは重いな…としみじみ思った)。サギョウとしては「いつか別れるかもな〜〜」の気持ちが常にあるのだが半田がそれを薙ぎ倒してくるスタイル。
これまでなら「とりあえずセロリ渡しときゃ喜ぶだろこのセロリマン」で終わっていたのだが、恋人ともなるとそうはいかない。サギョウはゲンドウポーズを取らざるをえなくなった。世の恋人同士って誕生日に何を送るんだ。先日のサギョウの誕生日の時は「なんでもして欲しいことを言うがいい!」と言われたのでそれに従った。行動支給である。大変満足したのでその時のことはいいのだが。
3584サギョウは悩んでいた。いわゆる花金と呼ばれるタイミングではあるが、そんな悠長な精神状態ではなかった。普通に悩んでいた。新横浜というもはや土地自体がポンチである場所でゆっくりした休みなど見込めない場所において花金は無効化されるのもある。
七月二日は半田桃の誕生日である。それだけならば悩むこともないのだが、半田桃とサギョウは先日お付き合いを始めた仲だった。お付き合い。恋人関係。将来を誓い合う仲(半田談。サギョウは重いな…としみじみ思った)。サギョウとしては「いつか別れるかもな〜〜」の気持ちが常にあるのだが半田がそれを薙ぎ倒してくるスタイル。
これまでなら「とりあえずセロリ渡しときゃ喜ぶだろこのセロリマン」で終わっていたのだが、恋人ともなるとそうはいかない。サギョウはゲンドウポーズを取らざるをえなくなった。世の恋人同士って誕生日に何を送るんだ。先日のサギョウの誕生日の時は「なんでもして欲しいことを言うがいい!」と言われたのでそれに従った。行動支給である。大変満足したのでその時のことはいいのだが。
戌丸アット@94
DOODLE半サギョ描け麻雀で描いた作品。一枚目は「スーツ姿の半サギョ 髪型二人ともオールバック フォーマルな感じ」二枚目は「号泣してるサギョウくんを慰めている半田くんの半サギョ」 2オサハタ
DOODLE付き合ってる半サギョのメモつながり「好きだ」
と、
この人はよく言う。
「それはどうも」
と返すのがお決まり、だったけれど──
ある時ふと、
「どうして?」
と、聞いてみた。
そうしたら、向こうは、驚くでもなく、困るでもなく、小さく頷いてゆるく微笑みながら、こう、言った。
「縁もゆかりも、そして血の繋がりもない、赤の他人なのに、それなのに、縁やゆかり、そして血の繋がりがある人物と同等かともすればそれ以上に、大事な存在だからだ」
それを聞いて、目を丸くしたのは僕の方。
「そして、叶うのならば一瞬たりとも逃さず共に居たいと望まずにはいられない、そういう存在は、お前だけだ」
ゆっくりと伸ばされた手のひら、は、あたたかい、けれど、多分触れられた僕の頬の方が、あつい。
564と、
この人はよく言う。
「それはどうも」
と返すのがお決まり、だったけれど──
ある時ふと、
「どうして?」
と、聞いてみた。
そうしたら、向こうは、驚くでもなく、困るでもなく、小さく頷いてゆるく微笑みながら、こう、言った。
「縁もゆかりも、そして血の繋がりもない、赤の他人なのに、それなのに、縁やゆかり、そして血の繋がりがある人物と同等かともすればそれ以上に、大事な存在だからだ」
それを聞いて、目を丸くしたのは僕の方。
「そして、叶うのならば一瞬たりとも逃さず共に居たいと望まずにはいられない、そういう存在は、お前だけだ」
ゆっくりと伸ばされた手のひら、は、あたたかい、けれど、多分触れられた僕の頬の方が、あつい。
オサハタ
INFOポイピクさんにいつの間にか実装されていた応援絵文字機能、これは何ぞや?と思っている間にいただいて、あらやだ滅茶苦茶嬉しい、でも作品へのリアクションと違って返信できないのね(ていうか作品へのリアクションに返信できるようになったのも割と最近でしたね)ってなって、「ばっちり受け取っております!!!!ありがとうございます!!!!」という感謝をお伝えしたい、そんなパッションです。応援絵文字だけでなく作品へのリアクションも本当にありがとうございます!!!!オサハタ
PROGRESS未完成の話を進めようとファイル開いたら、放置期間がそれなりだったせいもあってかまずは以前描いた分の修正からしないと先に進めないなぁ、と思うなどしてしまい、ところどころのんびり直していたマン。大して変わってないけどこれでようやく先に進めるので明日から頑張ってください私。オサハタ
DOODLE半同棲の半サギョ(……豚丼、もしかしたら肉を煮込むほうじゃなくて焼くほうのヤツはマイナーな食べ物かもしれない、と思い当たったのは書いてから一晩経ってようやくでした。まぁいいや、消すのは勿体無いから置いておこう、わはは)
大型連休、というものは、年に数回ある。
そしてその大型連休は、その間も休まず働き続けている者たちの所属する組織によって支えられているという点を、忘れてはならない。
ここ新横浜の吸血鬼対策課もそのひとつだ。
その日、半田は非番明けで更に日付を超えた深夜からの勤務であった。
一方、その恋人であるサギョウは今まさに普段よりも長く連なった勤務を終え、翌日は非番ではないにしろやや余裕のある勤務時間だと一息をついていたところ。
日中の一般警務への応援も増えるこの時期、勤務体系は普段以上に複雑に入り乱れる。その影響で、ここ暫く私的な時間を共に過ごせていないふたりは奇しくも正反対の状況で更衣室において久方振りに顔を合わせた。
1668そしてその大型連休は、その間も休まず働き続けている者たちの所属する組織によって支えられているという点を、忘れてはならない。
ここ新横浜の吸血鬼対策課もそのひとつだ。
その日、半田は非番明けで更に日付を超えた深夜からの勤務であった。
一方、その恋人であるサギョウは今まさに普段よりも長く連なった勤務を終え、翌日は非番ではないにしろやや余裕のある勤務時間だと一息をついていたところ。
日中の一般警務への応援も増えるこの時期、勤務体系は普段以上に複雑に入り乱れる。その影響で、ここ暫く私的な時間を共に過ごせていないふたりは奇しくも正反対の状況で更衣室において久方振りに顔を合わせた。
オサハタ
DONEマシュマロありがとうございました!返信不要と頂いていましたがとても嬉しかったのでお礼だけさせてください!ご閲覧くださっただけでなくご感想までお寄せくださりこちらこそ心から感謝申し上げます!本当にありがとうございます!とても励みになりますしすごく元気が出ます!
今後ペースは落ちるかもしれませんが何かできましたら都度都度置いていきますので、よろしかったらまた覗いてみてやってください!
この度は本当にありがとうございましたー!! 3
オサハタ
DONEサギョウくんおたおめ話なのですが、お誕生日当日よりも前の時期のふたりなので5月4日を待たずに置きます。付き合ってる半サギョで仲良しな話(だと思う)です。素敵なお誕生日になりますように。 13
オサハタ
PROGRESSサギョウくんのおたおめ話を描き始めてみたけど頭の中ですらまとまっていない完全に見切り発車状態なのでどんな話になるのか分からないしモチベーションがマイナスなのでフェードアウトする可能性めっちゃあって笑う~。できあがるまでツリー形式で進捗上げるかも。 9