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    #千ゲ

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    aoixxxstone

    MAIKING千ゲ♀だけど千空ちゃん出てこないが羽京ちゃんが出てくる、わりと地獄みたいな話だし途中、メモ「千空ちゃんのお嫁さんになりたい……」
     管を巻く俺の隣で、羽京ちゃんが苦笑する気配がした。安い居酒屋のザラザラしたテーブルじゃない、丁寧に磨かれた飴色のバーカウンターに突っ伏して、俺はぐずぐずと鼻を鳴らす。バーテンダーのお兄さんも慣れたもので、空になった俺のグラスを下げて、黙って新しいお酒を出してくれた。いつものやつ。氷たっぷりのロングアイランド・アイスティー。
    「なればいいじゃない。ゲンが頼んだら、千空は断らないでしょ?」
    「それじゃ、意味ないの!」
     羽京ちゃんは優しいし紳士だけど、乙女心が理解ってない。そう言って詰ると、そりゃまあ僕は中学からずっと男所帯だし、と色気のない答えが帰ってきた。そういう問題じゃないと思うけど、アルコールで痺れた頭では、じゃあ何が問題なのか上手く指摘できる気がしなかった。
     若草色のパーティードレス、サテン生地のハンドバッグ、ドレスと同じ色のハイヒール、金色のロゴが箔押しされた紙袋、袋から覗く淡いブルースターの可愛いブーケ。見れば一目で分かる、結婚式に出席してきた帰りだって。
     突然バーに呼び出しても、羽京ちゃんはもう驚かない。今年、これで三度目だから 2074

    aoixxxstone

    MAIKING空の星になれない(2)
    千ゲ/復興後/名前のあるオリキャラ/男性妊娠/ハピエンですが道半ば/千空ちゃんの霊圧が消えた
     リビングのローテーブルに突っ伏して眠り込むゲンを、ゆっくりと抱き上げた。相変わらず薄くて軽い身体を、できる限り静かに、丁寧に、ベッドへと寝かしつける。肩まで上掛けを引き上げて、すう、と細く息をついた。
     赤く腫れた目元。痛々しいと思いながら、僕は少しだけうれしかった。ゲンは『見せたい』本心以外を、他人に見せることを良しとしない。それなのに今、こんな顔を晒してまで僕を頼って来てくれたのだと。
     ゲンは、この細い身体でいつも一際苦しい場所に立って、危ない橋を渡って、必死になって戦ってくれた。司帝国からの造反、モズとの取引、アメリカでのスパイ活動。どれもゲンが勝ち取ってくれた道だ。ゲンがいなかったら、僕は千空に出会うことすらできなかった。
     それなのにゲン本人はといえば『俺だけジーマーで場違いじゃない?スーパースペシャルレアの中にレアが混じっちゃってない?』なんて言っていたのだから、笑ってしまう。そこで自分をコモンって言わないところが、いかにもゲンらしい。結局、今に至るまでその認識はあまり変わっていないみたいで、僕らがSSRならゲンはURだってことは全然分かっていない。
     ねぇ、だって、千 3037

    aoixxxstone

    MAIKING空の星になれない(1)
    千ゲ/復興後/名前のあるオリキャラ/男性妊娠/ハピエンですが道半ば/息をするように巻き込まれる羽京ちゃん
    それが分かったとき、ああやっぱり神様は俺のことを見逃してはくれなかった、と我知らず笑みがこぼれた。



     石神千空、二十九歳。考えるまでもなく、この世界で一番有名な科学者で、突然の全人類石化という大災厄から七十億人と文明を復興した地球人類の救世主だ。──その評を聞けば本人は『俺はただの科学オタクだ』などと笑うだろうけれど。
     俺は、そんな千空ちゃんの傍にいることを許してもらった、幸運な一般人。マジックの腕とメンタリズムにはそれなりの自負があるけど、 それが人類のためにどれくらい役に立ったのかってなると、ね。優しい科学王国のみんなはフォローしてくれるだろうけど、俺なんかいなくても千空ちゃんは絶対にやり遂げた。微力、なんて言うのも烏滸がましいほどだ。
     俺がしてあげられたのは、ただ科学が大好きなだけの男の子が背負うことになってしまったものから、ほんの少し、煩わしい埃を払うことだけ。だって千空ちゃんは本当に『ただの科学オタク』だったんだもの。──ただの、って言うには、愛が深すぎたけど。科学のために、何度も命を削って、体を張って、背負わなくてもいいものまで背負い込んでしまうくらい。
     俺は、 1966