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REHABILI一緒にお鍋の支度する水と村(⚠︎あらむらとみずいこの二人)
「洒落てんなぁ」
真新しいマンションの三階。玄関に入ってすぐ、壁に備え付けられた靴箱の上に並んだハーバリウムを眺めて水上が言う。猫瓶と呼ばれるそれの中に、紫を基調とした配色の花が収まっている。隣には緑を基調とした同じ形の物。二つはぴたりとくっつき、安定した様子で白い壁を背景に人の目を惹く。
「少し殺風景かなと思ったんだ」
「へえ…。」
家主達はあまりこういった飾りに手を伸ばしそうにないと思っていた水上は感情をそのままに意外だという声を発する。だが、言われてみれば至極シンプルだ。サイズは小さく、中の花も色とりどりの華美な雰囲気はない。リボンや飾りの類いも付いていなかった。知り合いの女性陣から新居にと送られた品ならば、祝いということも踏まえもう少し可愛らしいデザインでもおかしくないだろう。
2755真新しいマンションの三階。玄関に入ってすぐ、壁に備え付けられた靴箱の上に並んだハーバリウムを眺めて水上が言う。猫瓶と呼ばれるそれの中に、紫を基調とした配色の花が収まっている。隣には緑を基調とした同じ形の物。二つはぴたりとくっつき、安定した様子で白い壁を背景に人の目を惹く。
「少し殺風景かなと思ったんだ」
「へえ…。」
家主達はあまりこういった飾りに手を伸ばしそうにないと思っていた水上は感情をそのままに意外だという声を発する。だが、言われてみれば至極シンプルだ。サイズは小さく、中の花も色とりどりの華美な雰囲気はない。リボンや飾りの類いも付いていなかった。知り合いの女性陣から新居にと送られた品ならば、祝いということも踏まえもう少し可愛らしいデザインでもおかしくないだろう。
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REHABILI🥽さんの「ダメ」が癖になってしまったみずいこ「先輩、イコさん以外にダメって言いませんよね」
「んなことあらへんやろ」
「あくまで'ダメ'って言い方の話ですって。あかんとか無理とかは俺らにもばんばん使わはるけど、ダメって実はあんま使わはりませんよね」
「別にばんばんは使うてへんわ。その言い方やと俺めっちゃケチつける奴みたいやん」
「贔屓ですか!?」
「海、その言い方はあかん。誤解深まる」
「イコさんとマリオからも水上先輩になんか言うてくださいよ〜」
誰が持ち込んだかわからない雑誌に掲載されたこじつけのようなクイズに目を通していた。
さっきまで隣で海とその回答について話していた穏岐が、暇を持て余したと言わんばかりに水上へ話し掛ける。所謂うざ絡みにも似た後輩達からの攻撃にも動じず、水上は雑誌の頁を捲る。
1313「んなことあらへんやろ」
「あくまで'ダメ'って言い方の話ですって。あかんとか無理とかは俺らにもばんばん使わはるけど、ダメって実はあんま使わはりませんよね」
「別にばんばんは使うてへんわ。その言い方やと俺めっちゃケチつける奴みたいやん」
「贔屓ですか!?」
「海、その言い方はあかん。誤解深まる」
「イコさんとマリオからも水上先輩になんか言うてくださいよ〜」
誰が持ち込んだかわからない雑誌に掲載されたこじつけのようなクイズに目を通していた。
さっきまで隣で海とその回答について話していた穏岐が、暇を持て余したと言わんばかりに水上へ話し掛ける。所謂うざ絡みにも似た後輩達からの攻撃にも動じず、水上は雑誌の頁を捲る。
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REHABILIみずいこ未満に遭遇してしまった諏訪さんの話。(⚠︎荒村要素あります)
放送事故みたいな現場に居合わせちまったんだよ。見慣れた顔を突き合わせた早めの忘年会の席で、数ヶ月前を振り返った諏訪洸太郎はそう語る。当時は兎に角必死で、通りがかりの嵐山と柿崎に放心中の生駒を任せて諸悪の根源と思わしき水上を急ぎ自隊の作戦室に引き摺り込んだ。それで手一杯だったのだが、よく行動したものだと自分を褒めることにしている。
「俺のことなんか好きになろうがなるまいがどうでもええんです」
同じく放心しているかと思いきや事情を尋ねてみれば自棄になっているらしいとわかった。もとより作戦室に来る途中だった後輩も一緒になって水上を捕まえたため椅子に着席している。なぜか三人しかいない室内で、最も部屋を使い慣れているはずの諏訪だけが立ったまま無駄に文庫本を整理していた。落ち着かないのだ。言葉を選んでいる間に、学力も情報処理能力もついでに顔面偏差値まで高い後輩が会話を進める。
3807「俺のことなんか好きになろうがなるまいがどうでもええんです」
同じく放心しているかと思いきや事情を尋ねてみれば自棄になっているらしいとわかった。もとより作戦室に来る途中だった後輩も一緒になって水上を捕まえたため椅子に着席している。なぜか三人しかいない室内で、最も部屋を使い慣れているはずの諏訪だけが立ったまま無駄に文庫本を整理していた。落ち着かないのだ。言葉を選んでいる間に、学力も情報処理能力もついでに顔面偏差値まで高い後輩が会話を進める。
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REHABILI喧嘩できないみずいこのお世話を焼くあらむら+
喧嘩したあらむらに恩返しするみずいこ
(みんな大人です。違う形でだしたものを少し修正しました。)
【喧嘩できないみずいこのお世話を焼くあらむらのお話】
「イコさんに怒られへんねん、俺」
テーブルに突っ伏す男が発した独り言のような嘆きに、荒船は眉を寄せた。付き合いの長さはそれなり。出身校の同級生というわけではないが、不思議と縁がある。少なからず遠慮はいらない相手だ。
「はあ?」
「腹立つこともあるし注意もする。せやけど喧嘩にならん」
「平和でいいだろ」
もとより配慮はできるが遠慮がないと評される性格の荒船である。恋人との予定が流れたタイミングで狙ったように声を掛けられ、久方ぶりに顔を突き合わせたと思えば酒のつまみにこの吐露。気を回してやる所以はない。
「昨日、女にくっつかれとるとこ見てもよう喧嘩にならんかった」
5386「イコさんに怒られへんねん、俺」
テーブルに突っ伏す男が発した独り言のような嘆きに、荒船は眉を寄せた。付き合いの長さはそれなり。出身校の同級生というわけではないが、不思議と縁がある。少なからず遠慮はいらない相手だ。
「はあ?」
「腹立つこともあるし注意もする。せやけど喧嘩にならん」
「平和でいいだろ」
もとより配慮はできるが遠慮がないと評される性格の荒船である。恋人との予定が流れたタイミングで狙ったように声を掛けられ、久方ぶりに顔を突き合わせたと思えば酒のつまみにこの吐露。気を回してやる所以はない。
「昨日、女にくっつかれとるとこ見てもよう喧嘩にならんかった」
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PASTみずいこ100質Web再録個人サイト作ってWebオンリーで大暴れした時の名残です。何これ?
みずいこ100質1 あなたの名前を教えてください
生「生きてる駒に達人(たつじん)で生駒達人」
水「水上敏志」
2 年齢は?
生「ピチピチの28」
水「27」
3 性別は?
生「男!」
水「男」
4 貴方の性格は?
生「えー、性格? 自分じゃ分からんわ。水上分かる?」
水「そっすねえ。例えば……」
生「あ、まってまって。かっこいい、男前、最高。この三つから選んで、怖いから」
水「えらいポジティブな選択肢っすね」
生「そう? そんでどれ選ぶん?」
水「じゃあポジティブで」
生「あれ? 選択肢にはいっとら」
水「俺は合理的とか、冷静とか、そんなんすかね。はい次」
生「水上?」
5 相手の性格は?
生「上でぜんぶ言うてもうたわ」
水「いや、まだ俺言われてないんすけど」
6092生「生きてる駒に達人(たつじん)で生駒達人」
水「水上敏志」
2 年齢は?
生「ピチピチの28」
水「27」
3 性別は?
生「男!」
水「男」
4 貴方の性格は?
生「えー、性格? 自分じゃ分からんわ。水上分かる?」
水「そっすねえ。例えば……」
生「あ、まってまって。かっこいい、男前、最高。この三つから選んで、怖いから」
水「えらいポジティブな選択肢っすね」
生「そう? そんでどれ選ぶん?」
水「じゃあポジティブで」
生「あれ? 選択肢にはいっとら」
水「俺は合理的とか、冷静とか、そんなんすかね。はい次」
生「水上?」
5 相手の性格は?
生「上でぜんぶ言うてもうたわ」
水「いや、まだ俺言われてないんすけど」
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REHABILIみずいこお題部のやつやろうかなって思って書き始めたけど全然期限内に書き上がらなくて……しばらく放置して……でも勿体ないからひとまず完成だけはさせといたやつ。
AM9:00で待っていて 全身から絶え間なくあがる悲鳴を無視するかのように、足取りはどこまでも軽かった。
休日前夜というものは誰しも自然と心浮き立つものだろう。それは日頃仕事に忙殺され、仕事場が半分家と化してしまっている水上とて例外では無い。週休二日とは名ばかりの職場は代休の残日数が溜まっていくばかりであるが、そんな劣悪な職場環境に身を置く水上とて最低週に一度は休みがある。山積みになった報告書類を片付け、水上で止まっていた問い合わせに返信し、それでもしつこくやって来るメールに無視を決め込み家路につくのだ。水上は毎度お馴染みとなった心許ない街頭の灯りが照らす、すっかり営業が終了した商店街を抜けながら、ぼんやりと思い耽る。今日は生駒は起きているだろうかと。
5237休日前夜というものは誰しも自然と心浮き立つものだろう。それは日頃仕事に忙殺され、仕事場が半分家と化してしまっている水上とて例外では無い。週休二日とは名ばかりの職場は代休の残日数が溜まっていくばかりであるが、そんな劣悪な職場環境に身を置く水上とて最低週に一度は休みがある。山積みになった報告書類を片付け、水上で止まっていた問い合わせに返信し、それでもしつこくやって来るメールに無視を決め込み家路につくのだ。水上は毎度お馴染みとなった心許ない街頭の灯りが照らす、すっかり営業が終了した商店街を抜けながら、ぼんやりと思い耽る。今日は生駒は起きているだろうかと。
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MOURNINGみずいこ七月のWebオンリーに出す予定だったけど間に合わなくて挫折して放置した結果書く気失せちゃったからすげー中途半端なとこで終わってるけど供養しときます。
読んでて面白いか分かんないモード入っちゃって多分これ完成することないと思うから……。
一口目を君に 階段から落ちたら他人と同居することになった。
以上の言葉を聞いた時、大半の人間が頭にはてなを浮かべることだろう。意味が分からない、文脈に整合性がない、と訴えることだろう。けれども現に水上は階段から落ちた結果、自身の先輩兼隊長である生駒の家に転がり込む羽目になった挙句、たった今まさに「アーン」を強いられている状況である。口元に押し付けられた油淋鶏は揚げたての衣がサクサクジューシーで、いかにも美味そうな見た目をしている。これを三十分程度でササっと作れてしまうあたり、生駒の料理スキルは相当高いことが窺える。それ自体は水上にとって敬意に値する。自分では絶対にできない。感服だ。のだが、だからと言って「アーン」を許容できるかどうかはまた別の話であった。
11388以上の言葉を聞いた時、大半の人間が頭にはてなを浮かべることだろう。意味が分からない、文脈に整合性がない、と訴えることだろう。けれども現に水上は階段から落ちた結果、自身の先輩兼隊長である生駒の家に転がり込む羽目になった挙句、たった今まさに「アーン」を強いられている状況である。口元に押し付けられた油淋鶏は揚げたての衣がサクサクジューシーで、いかにも美味そうな見た目をしている。これを三十分程度でササっと作れてしまうあたり、生駒の料理スキルは相当高いことが窺える。それ自体は水上にとって敬意に値する。自分では絶対にできない。感服だ。のだが、だからと言って「アーン」を許容できるかどうかはまた別の話であった。
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DONEみずいこ書きながら敏志の理不尽さに自分でも爆笑してたんで敏志の理不尽さに耐えられる方向けです。
犬も食わない「イコさん」
自分を呼び止める声に振り返る。そこには案の定、いや声の主から考えても他の人間がいたら困るのだが、やっぱり街頭に照らされた水上ひとりが憮然とした顔でこちらに向かって左手を差し出していた。はて、たった今「また明日な」と生駒のアパートの目の前で挨拶を交わしたばかりだと言うのにまだ何か用があるのだろうか。生駒は自身のアパートに向かいかけていた足を止めると名前の後に続くはずの水上の言葉を待つ。すっかり冷え込んだ夜道にはどこからか食欲をそそられる香りが漂ってきて、生駒の腹がクルクルと鳴った。今晩は丁度冷蔵庫に人参や玉ねぎが余っていたのでポークシチューにする予定だ。一通り具材を切ってお鍋にぶち込み、煮えるのを待ちながらお風呂に入るという完璧な計画まで企てている。せっかくだしこのまま水上を夕飯にお誘いするのも手かもしれない。うん、ひとまず水上の話を聞いたら誘ってみようかな。そこまで考えて辛抱強く水上の言葉を待ち構えていたのだが、待てども暮らせども水上は口を開くどころか微動だにすらしない。生駒は訳が分からず水上の白い掌と顔を交互に見比べた。
6262自分を呼び止める声に振り返る。そこには案の定、いや声の主から考えても他の人間がいたら困るのだが、やっぱり街頭に照らされた水上ひとりが憮然とした顔でこちらに向かって左手を差し出していた。はて、たった今「また明日な」と生駒のアパートの目の前で挨拶を交わしたばかりだと言うのにまだ何か用があるのだろうか。生駒は自身のアパートに向かいかけていた足を止めると名前の後に続くはずの水上の言葉を待つ。すっかり冷え込んだ夜道にはどこからか食欲をそそられる香りが漂ってきて、生駒の腹がクルクルと鳴った。今晩は丁度冷蔵庫に人参や玉ねぎが余っていたのでポークシチューにする予定だ。一通り具材を切ってお鍋にぶち込み、煮えるのを待ちながらお風呂に入るという完璧な計画まで企てている。せっかくだしこのまま水上を夕飯にお誘いするのも手かもしれない。うん、ひとまず水上の話を聞いたら誘ってみようかな。そこまで考えて辛抱強く水上の言葉を待ち構えていたのだが、待てども暮らせども水上は口を開くどころか微動だにすらしない。生駒は訳が分からず水上の白い掌と顔を交互に見比べた。
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MOURNINGみずいこジェラピケ着てホットミルクをコクコク飲むイコさん(笑う所)だけもう読んで。絶対完成しないこれ
ベツレヘムの星「あれ? 水上やせた?」
その心根を体現するかのような、おろしたての鉛筆のごとくピンと伸びた背筋は記憶のものとなんら遜色なかった。
こちらの考えを全て見透かすような深緑の虹彩も、凛々しくよった眉根も、撫で付けられた前髪も、よく鍛え上げられた身体も。何もかも、過ぎ去った月日を感じさせぬほどに水上の記憶の中に保存されていた姿と変わらず、まるでコピーアンドペーストでもされたかのような光景だ。そのあまりの再現度に思わず水上は持っていたビニール袋を落としてしまう。水上の腹に収められる予定だった麻婆豆腐は地面に叩きつけられおそらく袋の中で哀れな姿を晒していることだろう。目の前の生駒はすっかり動きを停止させてしまった水上に歩み寄ると、ひしゃげた袋を拾い上げる。温められた惣菜特有の籠った香りが静まり返った夜道に広がった。
10186その心根を体現するかのような、おろしたての鉛筆のごとくピンと伸びた背筋は記憶のものとなんら遜色なかった。
こちらの考えを全て見透かすような深緑の虹彩も、凛々しくよった眉根も、撫で付けられた前髪も、よく鍛え上げられた身体も。何もかも、過ぎ去った月日を感じさせぬほどに水上の記憶の中に保存されていた姿と変わらず、まるでコピーアンドペーストでもされたかのような光景だ。そのあまりの再現度に思わず水上は持っていたビニール袋を落としてしまう。水上の腹に収められる予定だった麻婆豆腐は地面に叩きつけられおそらく袋の中で哀れな姿を晒していることだろう。目の前の生駒はすっかり動きを停止させてしまった水上に歩み寄ると、ひしゃげた袋を拾い上げる。温められた惣菜特有の籠った香りが静まり返った夜道に広がった。
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DONEみずいこさとぴ誕生日おめでと〜
このネタ皆やってるけど俺は書いてないから書くぞ
天国にいちばん近いところ 君はなぜ冬という季節がクソ寒いのかを知っているだろうか。
日照時間が短いから? 地球が公転してるから? 北半球の宿命? いいやいいや、全部不正解。よくもまあゴミのような解答が出揃った。正解は『愛しい恋人が隣にいない寂しさを北風が刺すから』だ。
勿体ぶった癖になんだそのポエミーでセンチメンタルな答えはと批判する者もいるだろう。馬鹿らしいと鼻で笑う者も。それらの人間の反応を俺は否定しない。実際、ほんの数年前までならば自分も同じ様にアホらしいと呆れ、鼻で笑い、無駄な時間を使ったと出題者に三行半を突きつけさっさとその場を立ち去ったことであろう。しかしまあ、人間とは常に出会いという名の矯正装置により価値観の変容を迫られ化学反応を起こし、昨日の自分とは全く意見が合わなくなることなんてザラに発生する悲しき生き物である。よって、どちらかと言えば他人の悲壮感たっぷりのlemonだかなんだかを笑う側の人間だった俺は、気が付けば今年の冬は隣に騒がしくて忙しなく愛しい恋人がいない事実に打ちひしがれ一人のアパートで萎びる情けない男に作り変えられてしまったのだ。全く、夢ならばどれほど良かったことだろう。
7975日照時間が短いから? 地球が公転してるから? 北半球の宿命? いいやいいや、全部不正解。よくもまあゴミのような解答が出揃った。正解は『愛しい恋人が隣にいない寂しさを北風が刺すから』だ。
勿体ぶった癖になんだそのポエミーでセンチメンタルな答えはと批判する者もいるだろう。馬鹿らしいと鼻で笑う者も。それらの人間の反応を俺は否定しない。実際、ほんの数年前までならば自分も同じ様にアホらしいと呆れ、鼻で笑い、無駄な時間を使ったと出題者に三行半を突きつけさっさとその場を立ち去ったことであろう。しかしまあ、人間とは常に出会いという名の矯正装置により価値観の変容を迫られ化学反応を起こし、昨日の自分とは全く意見が合わなくなることなんてザラに発生する悲しき生き物である。よって、どちらかと言えば他人の悲壮感たっぷりのlemonだかなんだかを笑う側の人間だった俺は、気が付けば今年の冬は隣に騒がしくて忙しなく愛しい恋人がいない事実に打ちひしがれ一人のアパートで萎びる情けない男に作り変えられてしまったのだ。全く、夢ならばどれほど良かったことだろう。
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DONEみずいこ弓場ちゃん視点で付き合ってる二人の習作。ワンライだから推敲一切してないです。
美味しい釜飯の作り方 もう夕飯食べた?まだなら一緒に食わん?
任務終わりに確認したスマホに届いていたメッセージに誘われ弓場は某大手チェーン店の格安居酒屋に赴いていた。『安い・旨い・早い』の三拍子が揃ったこの店は全国の大学生を中心に広く親しまれており弓場も定期的にお世話になっている。週の半ばにも関わらず賑わう店内を見渡せば、目当ての人物はこちらに気がつき手を振った。
「待たせたなァ」
「むしろ早くて驚いたわ。弓場ちゃん実は腰にジェットとか搭載しとる?」
そう言ってこちらにメニューを手渡してきた生駒は既に新メニューと思われる鉄板焼きで一杯よろしく始めていた。酒が強い割に甘い酒を好む生駒らしく、生駒の手元には可愛らしいさくらんぼとバニラアイスが乗っかった緑色のグラスが抱えられている。これも今季の新メニューというやつだろう。弓場も若干そのメロンクリームソーダ酎ハイに心惹かれつつ、ザッとメニュー表に目を通した。
3620任務終わりに確認したスマホに届いていたメッセージに誘われ弓場は某大手チェーン店の格安居酒屋に赴いていた。『安い・旨い・早い』の三拍子が揃ったこの店は全国の大学生を中心に広く親しまれており弓場も定期的にお世話になっている。週の半ばにも関わらず賑わう店内を見渡せば、目当ての人物はこちらに気がつき手を振った。
「待たせたなァ」
「むしろ早くて驚いたわ。弓場ちゃん実は腰にジェットとか搭載しとる?」
そう言ってこちらにメニューを手渡してきた生駒は既に新メニューと思われる鉄板焼きで一杯よろしく始めていた。酒が強い割に甘い酒を好む生駒らしく、生駒の手元には可愛らしいさくらんぼとバニラアイスが乗っかった緑色のグラスが抱えられている。これも今季の新メニューというやつだろう。弓場も若干そのメロンクリームソーダ酎ハイに心惹かれつつ、ザッとメニュー表に目を通した。
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MOURNINGみずいこ以前書いた『破壊的イノベーションのススメ』(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18423389)ってのとふんわりつながっていますが、別に読まなくても「なんやかんやあって付き合った二人なんだな」くらいの認識で読めます。これ以上書かなそうなんで供養。
破壊的イノベーションの行方「あれ? 水上おるやん」
誰もいないと思われた部屋の明かりをつけると、盛り上がった布団の中でミノムシになっていた水上がのっそりと顔を出した。
時刻は日付が変わる少し前、確かに明かりを消してベッドの中でくるまっている時間帯としては適していると言えるだろう。自分のベッドならば。しかしここは生駒の住む単身者向けアパートの、生駒が一人暮らしするタイミングで購入したシングルベッドが置かれた、生駒の城とも呼べる空間だ。その城の天守閣、生駒のベッドの中には長い身体を器用に折り畳んだ水上が我が物顔で枕に頭を預けながら「おかえりなさい」と返す。と言っても、生駒としても水上が己の家に居座っているのはさして珍しい光景でも無いので上着をハンガーにかけると水上のもっさりとした頭をひと撫でした。
4429誰もいないと思われた部屋の明かりをつけると、盛り上がった布団の中でミノムシになっていた水上がのっそりと顔を出した。
時刻は日付が変わる少し前、確かに明かりを消してベッドの中でくるまっている時間帯としては適していると言えるだろう。自分のベッドならば。しかしここは生駒の住む単身者向けアパートの、生駒が一人暮らしするタイミングで購入したシングルベッドが置かれた、生駒の城とも呼べる空間だ。その城の天守閣、生駒のベッドの中には長い身体を器用に折り畳んだ水上が我が物顔で枕に頭を預けながら「おかえりなさい」と返す。と言っても、生駒としても水上が己の家に居座っているのはさして珍しい光景でも無いので上着をハンガーにかけると水上のもっさりとした頭をひと撫でした。