葉 山
REHABILI無自覚に攻めてくる兄ちゃんと、動揺する弟。 ソファに座っていた九門に、キッチンから十座が声を掛ける。
「九門、シュークリーム食わねぇか? 一つ残ってるんだが」
「いいの? 食べる食べる、ちょうどお腹すいてたんだ〜。 あ、でもシュークリームって生クリームが入ってるのが多いよね。それだと俺、食べられないし……」
「いや、大丈夫だ。これはカスタードクリームしか入ってねぇ」
兄が好きなものを否定したくないと、九門はずっと十座には生クリームが苦手なことを隠していた。だが九門が認めてからは、弟に苦手なものを食べさせるわけにはいかないと、逆に十座の方が菓子に使われている材料を気にするようになっている。
「兄ちゃんも食べたの?」
「ああ。さっき生クリームだけのと、生クリームとカスタードが合わさったのを食った」
1872「九門、シュークリーム食わねぇか? 一つ残ってるんだが」
「いいの? 食べる食べる、ちょうどお腹すいてたんだ〜。 あ、でもシュークリームって生クリームが入ってるのが多いよね。それだと俺、食べられないし……」
「いや、大丈夫だ。これはカスタードクリームしか入ってねぇ」
兄が好きなものを否定したくないと、九門はずっと十座には生クリームが苦手なことを隠していた。だが九門が認めてからは、弟に苦手なものを食べさせるわけにはいかないと、逆に十座の方が菓子に使われている材料を気にするようになっている。
「兄ちゃんも食べたの?」
「ああ。さっき生クリームだけのと、生クリームとカスタードが合わさったのを食った」
kurosaki_ura
SPOILERバクステ兵頭兄弟の交換日記:感想バクステタイトル交換日記だね!どんな話するんだろうってワクワクドキドキながら読んだけど……まさか交換日記のことより十座さんのあの行動がもっとすごい……兵頭十座、言葉より行動で気持ち示る男本当に渋くて最高!九門專用のヘルメット、え、やばくない?あとは兄ちゃんにプレッシャー心配になるくもんくんも可愛かった、まじであの表情とよわい感じがたまらない〜!じいちゃんになっても兄ちゃんとこんなに仲良くていてること、自信って言うかこれからもずっと兄ちゃんが大好きって気持ち変わらずもんね、本当にありがとうございます!
252葉 山
DONE遅ればせながらキスの日ネタ。兄ちゃんの勘違いから始まるじゅうくも。 十座の正面に立った九門がためらいがちに、だがどこか覚悟を決めた顔で言う。
「兄ちゃん、今日ってキスの日なんだって。だから……兄ちゃんとちゅーしたい!」
突然の九門の要望に、十座は面食らってとまどう。
「いや、それは……さすがに兄弟じゃしねぇだろ……」
「え? 海外の映画とかではよく見るでしょ?」
「……そうか?」
「うん、普通にしてると思うけど……?」
とまどう十座とは反対に、九門は心底不思議そうな顔で兄を見上げた。今までみた映画にそんなシーンがあっただろうかと、なぜか焦りながら十座は必死に記憶をたどる。
一方で物心ついた頃から弟を知っているので、今の表情から九門が嘘を付いているとは全く思えなかった。
1819「兄ちゃん、今日ってキスの日なんだって。だから……兄ちゃんとちゅーしたい!」
突然の九門の要望に、十座は面食らってとまどう。
「いや、それは……さすがに兄弟じゃしねぇだろ……」
「え? 海外の映画とかではよく見るでしょ?」
「……そうか?」
「うん、普通にしてると思うけど……?」
とまどう十座とは反対に、九門は心底不思議そうな顔で兄を見上げた。今までみた映画にそんなシーンがあっただろうかと、なぜか焦りながら十座は必死に記憶をたどる。
一方で物心ついた頃から弟を知っているので、今の表情から九門が嘘を付いているとは全く思えなかった。
葉 山
TRAINING初のちゃんとしたじゅうくも。言葉だけじゃ足りない「おい、気をつけろよ」
堤防の上に腰掛けた九門が落ちぬよう、十座は正面から弟の腰に両腕を回した。十座の腰までの高さがある堤防の上に座っている九門を、立っている十座の方がやや見上げる形になる。
「兄ちゃん、大好き」
いつもとは反対に兄の顔を見下ろしながら、九門は両手で十座の頬を包み込む。
十座を覗き込んでくるその瞳に、海のゆらめきが反射している。ただでさえいつも眩しくて目を細めたくなるような九門の瞳の輝きが、今は夜の匂いもまとっている。その妖しさを含んだ光に、十座は目が離せなくなった。
地方公演から帰ってきた九門が「兄ちゃんと一緒に海が見たい!」というので、今日は十座のバイクでタンデムし海沿いまでやってきた。公演先の地で夏組の皆と海を見てから、この感覚を十座とも共有したいと、ずっと二人で海に行くのだと決めていたらしい。
1845堤防の上に腰掛けた九門が落ちぬよう、十座は正面から弟の腰に両腕を回した。十座の腰までの高さがある堤防の上に座っている九門を、立っている十座の方がやや見上げる形になる。
「兄ちゃん、大好き」
いつもとは反対に兄の顔を見下ろしながら、九門は両手で十座の頬を包み込む。
十座を覗き込んでくるその瞳に、海のゆらめきが反射している。ただでさえいつも眩しくて目を細めたくなるような九門の瞳の輝きが、今は夜の匂いもまとっている。その妖しさを含んだ光に、十座は目が離せなくなった。
地方公演から帰ってきた九門が「兄ちゃんと一緒に海が見たい!」というので、今日は十座のバイクでタンデムし海沿いまでやってきた。公演先の地で夏組の皆と海を見てから、この感覚を十座とも共有したいと、ずっと二人で海に行くのだと決めていたらしい。