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    ニミニミ

    @NUe87870

    成人済腐/呪脹虎、虎右/リバ×/本誌勢

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    ニミニミ

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    転生後、記憶無し脹と記憶あり虎

    然様ならば 街中で、髪型や風体が独特の三人組を見た。一目で分かる、彼らはかつて自分の兄だったものたちだ。
     思わず立ち止まって、笑い合う三人がどこかへ歩いて行くのを見送る。ああ、今生では呪物になることもなく人の子として生まれおち、何に縛られることもなく生きているのだろう。それがとても眩しく感じられて、思わず目を細める。
    「――よかった、幸せそうで」
     呼び止めることも一瞬考えた。しかしせっかくの兄弟水入らずの時間に水を差すのも気が引けて、俺は再び駅を目指して歩くことにした。この地に訪れたのはたまたまで、用がなければ来ることもない場所だ。再び会うことも、恐らくはないだろう。それならば。
    「そのまま、何も思い出さずに、幸せになってくれよな、兄貴」
     呟いた言葉は誰に届くこともない。祈りだけが届くことを願って、俺は電車に乗った。


     ――兄貴。
    「……?」
     誰かに呼ばれた気がして振り返る。しかしそこには誰も居ない。
    「兄者?」
    「兄さん、どうしたの?」
     弟たちが立ち止まった俺を見て不思議そうな表情で振り返る。
    「ああ、いや、なんでもない。行こうか」
     二人をそう促して、その後ろを歩き出す。しかし、耳にはいつまでも誰かの声が張り付いている。
    (俺の事を兄貴と呼ぶ弟は、いない……はずだが、何故こうも気になるのだろうか)
     目の前の高架の上を電車が通り過ぎていく。その窓から一瞬見えた薄い桃色が目にとまった。
    「……悠仁?」
     思わず口からこぼれ出た名前に困惑する。誰のことだ、誰のことだったか。何も思い出せないのに、なぜだか酷く懐かしくて、愛おしくて、目頭が熱くなる。目にたまった涙が瞬きと共に頬を伝って落ちていった。
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