あまい卵焼き「──ン、ア……、……アラン!!」
身体を揺すられ意識が強制的に浮上していく。深い眠りだったのだろう。まだ眠っていたい気持ちに素直に目を閉じていたのに、そいつが容赦なく俺の名を呼びながら肩を押されれば起きるしかない。
いつも「睡眠が短い!」と怒るそいつが、寝ている俺を叩き起こす程の『何か』があったと言うことだ。
ちょっとやそっとの事ではない、『重大な何か』があったのだ。
「アラン!!起きろ!!」
「わかったよ………」
一つ深く息を吸い、長く吐き出す、目を擦りながらゆっくりと瞼を持ち上げた。
まだカーテンも開けられてない薄暗い室内にだんだんと目を慣らしていく。
(ねみぃ〜〜〜……)
いくら短時間睡眠でも動ける俺でも深い眠りから無理矢理目覚めさせられたら再び目を閉じたくなる。
3217