【折れた翼 浅い壁】Part2あらすじ
烏野高校入った
バレー部気になって覗きに来た
マネと勘違いされてたのでリベロの頭上を飛び越えて逃げてきた。
その日の家の中。俺は、ベットで死にかけていた。
『なんでバレー部の目の前で軽々とリベロの頭上を飛び越えて逃げてきたんだ俺…!!
バレーには高さが命。もしマネ断って「俺、男です」なんて言ったら次は入部地獄だ…』
うぁぁぁっ、と一人魘されているように叫んでいた俺。
グッバイ平穏、初め…いや、お久しぶりです慌ただしい日々…。
夕飯の時間。
俺は母に相談することを決めた。
母はシングルマザーで、今まで女手ひとつで育ててくれた人。
『…お母さん、もしかしたら俺。…バレーボールに関わるかもしれない』
「…!」
呆気にとられている母。
っていうか相談じゃなくただの報告じゃねーか。
重そうな口を開いて、母が言葉を発した。
「本当…なの…?」
『ッ…』
希望に満ちた、期待しているような目。
少し、言葉に詰まる
『…今日さ、青葉城西にギリギリ負けたって言うバレー部が気になって少し覗いてみたんだよね。そしたらマネージャー希望だと勘違いされたっぽくて、、、。マネージャーやらないかって、誘われてんだ。』
とりあえず、本当のことを素直に話した。
母の顔は下を向き、表情が読み取れなかった。
「…良かった。あなたがまた、バレーに向き合おうとしてくれて。」
『ー!!』
満面の笑みで、少しホッとしているような母の顔は、バレーをしていいよ。という背中を押す言葉に聞こえた。
「強豪校の青葉城西学園に健闘した方たちなんでしょう?きっと小学生なんかよりもっとハイレベルな試合ができるはずよ。」
『ーうん。』
けど、一瞬で母の顔に曇りが見える
「怖くなったら、いつでもやめなさい。あなたの安全が、心が、第一よ。」
否、それはただ自分を心配してくれる気持ちの顔だった。
『うん』
また、バレー触ってみよっかな…。
でもまだボール吹っ飛んでくんのはきっと怖いから、誘われてもマネとして行きたいな。
…まだ、ボールは怖いから。
次の日
『…』
今思えばあの金髪長身メガネ、バレー部いなかった???
帰る時 烏野高校排球部!!
ってジャージに書いてあった気がする。てかなんで排球?
まぁいいや。
『…放課後、行ってみるかぁ~』
「へー、バレーに関わらないとか言っといて行くんだ。」
『?!』
急に耳付近で喋られ、肩が震える。
そこには、噂をすればレベルであの金髪長身メガネがいた。
って、なんでそのことしってんだよ。ストーカーかよキッショ。
『……………………………………、、、いや、別に。』
「答えまでの間が長いんですけど。」
か、な、りの煽り口調。やべぇ、ぶっ飛ばしてぇ(駄目です)
『…名乗れこのクソ金髪長身クソメガネボゲェ』
「クソとボゲ要らなくない?まぁいいや。月島蛍。16歳。バレー部所属でーす」
意外とちゃんと自己紹介してくれた。
そっちは?と言わんばかりの視線を送られてるので、しかたねぇ。と思いながら渋々自己紹介した。
『青紫空。16歳。無所属。』
とりあえず必要そうな情報を言って終了。コミュ力低すぎねぇか俺…。
「で、お前どっちなの」
『…へ?』
いやマジで心当たりない。バレー部入るか入んないかの話?いや違う、もっとこう、、、なんだろ
「性別。男か女かわかりにくいんだよ」
え、クラスメイトならそんくらい知らねぇのか?数カ月は一緒にいる気がしてたんだけど。
「男だボゲェ」
とりあえず暴言入れて言った。
「ふーん、じゃ、来るんだったら僕主将に話通しておくから。じゃね」
『…』
できる男にも程がない?月島。
俺がもし女だったら惚れるぞ。
放課後
もし本当に月島が主将に話通してくれてたら申し訳ないし、行くか…。
キュッキュッ バゴォン ナイスキー
懐かしい音であふれる体育館。昔の俺のバレー好きの心が揺さぶられる。
『…』
今はスパイク練習だろうか。コーチが見当たらないため、自主練にも見える。
「来たんだ、暴言君」
はたまた後ろから聞き馴染みのある声がした。
『…俺の名前は青紫空ですけど月島蛍(金髪長身メガネ)君…???』
煽り気味に放った言葉は、彼の額に青筋を立てさせた。
「澤村さーん、入部希望が一名いますよー」
とかなりの大声で報告した。
『テメッ、自分で入ろうとしてたのに!』
「君が焦らしてたからでしょ。僕はその代わりをやっただけですけど?」
あーうざい。もうたくさん人間うざつかせたで賞もらえるだろコイツ。
「!今朝言っていた子か。」
え、マジで離し通しておいてくれた、、、。
…、、、あとでお礼言お…、、、。
『えっと…』
「集合!!!」
主将の…えっとサワムラさんが号令をかけると、それぞれの場所でそれぞれの練習をしていた選手が集まってきた。
「礼ッッッ!!!!」
「「「しぁっす!!!」」」(割愛してます)
ひっさしぶりのこの大きい声での挨拶。身に沁みる…。
『,,,1−4、青紫空です。…希望ポジションはミドルブロッカー(MB)、よろしくおねしゃっす!』
「なんでミドル希望?」
突如として突きつけられた質問に少し戸惑った。けど俺がミドルになりたい理由は一つ。
『…簡単に言えば、ミドルが嫌いだからです。』
「…え?」
『スパイクもブロックも、適度に強いのがミドルじゃないですか。だから俺は万能っぽくて嫌いです。でも、自分が嫌いなら周りの人も嫌いだろうと思って。』
「簡単に言うと…?」
『自分が不快に思う感覚も、相手にぶつけてやろう!という意味です』
満面の笑みで発言したその言葉は、かなり
「フン、趣味悪w」
だ。
『お前に言われたかない!』
その後は少し説明を受けて、俺の体験入部が始まった。