夜更かしの日のかき氷 今は子の刻、真夜中。熱帯夜で眠れない夜にいっその事、寝ないで宴会をしてしまえと真夏の夜に定期開催される『夜更かしの日』その夜は夜中に食べるには背徳感しかない食べ物を食べたて夏の夜らしく花火や怪談話を楽しんだり、映画鑑賞をしたりと思い思いに過ごしている。
大きな硝子の器にこんもりと盛られたかき氷にはミルクシロップがたっぷりと掛かっていて干しぶどうと最中の皮で白熊の顔と耳を模している。かき氷の周りには桃、パイナップル、バナナ、キウイ、瓜、西瓜に干し杏の蜜煮、色とりどりの寒天が器から溢れんばかりに盛られている。それだけでは飽き足らず、円錐形のコーンを添えたアイスクリンと白熊の頭上には蜜漬けの真っ赤なさくらんぼまで乗っている、やりすぎな位に豪勢なかき氷が水心子と清麿の目の前に鎮座していた。
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