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    osw_f_wso

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    クスリを盛られた狂じが聡みの前に放り出されるけどこんな状態で抱くわけないやろ…と耐える話の続きです

    全てぬるいですが、聡実がモブに好き勝手触られてるシーンや、暴力表現があります
    あと狂じの忍耐力が異常です(ご都合設定…)

    大丈夫な方のみ閲覧ください🙇‍♀️

    聡実が、大切な子が、命に代えてでも守ってやりたいと思える子が、自分の目の前で他人にいいように弄ばれている可哀想な様を見てしっかりと反応を示す自身が憎くてしょうがない。聡実に対してこんな汚い欲望を抱いてしまうことへの背徳感で胸が苦しい。
    咄嗟に目線を逸らすが、背を踏んでいる男がそれに目敏く気がつき、狂児の頭をがっしりと掴んだ。
    「アンタのイロが善がってるとこちゃーんと見てやんなきゃカワイソーでしょ」
    ぐい、と頭を動かされ、無理やり視界に入れられた聡実は頬を赤くして身を捩っている。視界が奪われた分敏感になっている身体は嫌でも反応してしまうようで、堪えきれずに漏れた控えめな甘い声が狂児を煽る。どろりと溢れて思考を奪っていく欲望に抗うように、ギギ、と歯が鳴るほど噛み締めた。
    さっきよりもはっきりと、鉄の味がする。
    「つよ〜いヤクザさんが一般人のイロ相手に情けなく腰振るとこ見せてくれよ」
    「な、に…っ、ぅあっ…」
    聡実の肌に這っていた指が離れて、その細い腰に腕が回った。無理やり立たされてふらふらとした足取りの聡実が目の前に移動させられた途端に、とんでもなく甘い香りがあたりに充満して、欲が掻き立てられてたまらない。
    せっかく手の届くところに来てくれたのに、触れられない。もどかしい。違う、触れてはいけない。耐えろ。
    「おい、動画回せ」
    「俺、男同士のセックス見んの初めてだわー」
    視界の端で男の1人がスマホを構えるのが見えて、あぁ、なるほどそういうことか、と色々と合点がいった。祭林組の成田狂児が一般人の大学生相手にヘコヘコ腰振る動画が雇い主の目的っちゅーわけか。何に使うんか知らんけど、えらい悪趣味やな。
    「あんたのイロも期待して待ってんだから早くしてやれよ」
    「っ、ちゃ、う…っ」
    「ははっ、えっちな声で誘ってくれてるよ〜!やっぱイロってそういう調教すんの?」
    あー、くそ。お前らさっきからイロ、イロて。ただ一緒に晩飯食うだけの健全な仲やっちゅーねん。イロなんかにする訳あるか。……そんなんより、もっと。
    「……っ、大事な子ぉを…、クスリ、キマっとるとき、に、抱けるわけない、やろ……っ」
    「きょうじ、さん…?」

    言葉にして初めて気づく。大事にしたい理由を。
    その理由に気づいたからこそわかる。俺がこの子のためにしなければいけない選択が1つしかないことが。

    「ちっ、めんどくせぇなぁ!」
    一向に理性を手放さない狂児のせいで思い通りに進まないことにとうとう痺れを切らしたのか、突然、狂児の腕を拘束していた結束バンドがパチンと音を立てて切られた。
    「おら!これでコイツに触れんだろ!早くしろよ!」
    計画の進行に躍起になるあまり、イラついた男たちは目の前の目的を果たすことにだけ意識を向けている。そう、完全に油断している。狂児が反撃してくる可能性なんて頭の片隅にも無いのだろう。
    そら、なぁ?強いて聞いてた男がなんの抵抗もせんと自分から土下座しましょかなんて言うてきたら、油断するわなぁ?4対1やし、勝てるて思ってまうわなぁ?…やから素人なんやけどな。
    は〜ほんま、アホやなぁ。
    狂児は今から、オシゴトをする。ヤクザにちょっかいを掛けた世間知らずの若造に、貰えもしない金目当てでヤクザと関わりを持ったことを、この世界の流儀を、その身体に分からせる。
    まぁどうせこいつら後で雇い主に消されるんやろうけどネ。
    「…っ、そこでええ子で待っとってね」
    「、なに…」
    …見られたないなぁ、聡実くんには。そのまま目隠ししとってな。
    ふぅ、と1つ息を吐いて、力任せに身体を起こして背に跨っていた男を落としてから、真っ先に聡実の傍にいた男の顔面に拳を入れる。ど真ん中に命中して、ぶっ、と汚い音を鳴らして後ろに倒れる様はスローモーションのようだった。滑稽や。男の鼻血が舞って聡実にかかりそうになるのを掌でガードした。懐かしいな。ぐるりと身体を翻して、呑気に地面にひっくり返ったままの男の足をピカピカの革靴で踏みつける。背中踏んでくれてたお礼。痛みに叫ぶ男に馬乗りになって拳を落とす。ぐえっと情けない声を上げて泡を吹いた。汚っ。スマホを構えている男に向き直って、その足を掴んで思い切り引っ張る。両手が塞がっていたせいでバランスを崩した男は受身をとる暇もなくうわあ!と叫びながら硬い床にゴンと頭を強く打ち付けて動かなくなった。しょぼ。最後の一人、半べそをかきながら震える手でこちらに銃口を向けている。「そんな震えとったら当たるもんも当たらんでぇ」「自分、人撃ったことある?」「人殺す度胸あるん?」「撃ちぃや」「最初のマトになったる言うてんねん」捲し立てるように言葉にしながら1歩ずつ間合いを詰める。それに合わせてジリジリと後退していく男は耐えきれなくなってこちらに背を向けて走り出した。足が長いおかげであっという間に追いついて、男の頭を掴んで地面に叩きつけてやると声をあげることもなく伸びた。え〜、つまんな。
    オシゴト中、気怠い身体は嘘みたいに素早く動いた。モヤがかかったような思考もいやにクリアになっていた。
    身体を巡るどうしようもない熱を暴力で発散した感覚だった。オシゴトハイってやつ?こんなん、根っからのヤクザみたいで嫌やなぁ。紛れもなく根っからのヤクザやねんけど。
    しかしそれも長くは続かない。クスリはまだ体内に残っている。きっと粗悪品でも打たれたのだろう、まだ脳みそがモノを考えられて助かった。下腹部はずっと疼くけれど。
    はぁ、はぁと呼吸を整えながら聡実の方へ視線を向けると、綺麗な琥珀色と視線が絡んで思わず狼狽えた。ゆらゆらと揺れる瞳から不安と恐怖がダイレクトに伝わる。
    あーあ。見られてもうた。いつから?全部?勘弁してくれ。
    再び重くなった足を引きずって聡実の元に向かう。腕の拘束を取ってやろうと手を伸ばすと、聡実の肩がびくりと震えた。…そやんなぁ、怖いよなぁ、俺。
    「…怖い思いさせてごめん」
    「っ、あ、違…っ」
    「もうこんなこと、一生無いから」
    「……え?」
    間違っても聡実の肌に触れぬように慎重にロープを外す。手首に赤黒い跡が残っていて可哀想に、と思う。けれど、それに触れて、撫でて、憐れむ資格も、何も無い。
    「立てる?あの車まで頑張って」
    「え、あ、はい…」
    幸いにもキーが差しっぱなしになっていたワゴンに乗り込み、時折ぐらりとする意識に耐えながら大通り近くまで運転する。GPSやらなんやらが仕掛けられている可能性も大いにあるので、車は適当なところに乗り捨てて、途中からタクシーを拾った。
    「……乗って」
    本音を言えばここで聡実を帰してやりたかったが、知らぬ土地で1人にするのも、安全を確認できないまま家に帰すことも出来ず、低い声で呼びかけた。おずおずと隣に乗り込んだ聡実とは一定の距離を空けて座ったのに、狭く密閉された車内では甘い匂いが鼻腔をくすぐる。運転手には「いっちゃん近いホテルまで」と一言だけ告げて、目を瞑った。
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