チキチキ!組頭の左になるのは私選手権!!!「は~い、『チキチキ! 組頭の左になるのは私 選手権~!!!』ドンドンパフパフ~~」
「な、なんだその巫山戯た選手権は……!」
「陣内お手本のようなツッコミありがとうね……。え~なになに、『ここは雑渡さんのお相手が決まるまで出られない部屋です。皆さん、自身へのプレゼン頑張ってね!』だそうだ」
「ふ、巫山戯ている……!」
「だよね~。なにもこんな巫山戯た部屋に忍たまの良い子まで閉じ込める事無いのに……」
雑渡はふー、と溜息を吐いて巫山戯た事が書かれた文から目を離して目の前の男達を見た。
先程まで自室で茶を啜って居たというのに、目を開けた次の瞬間にはこの白塗りの部屋に居た。すわ何事かと暗器を手に咄嗟に防御体制を取れば、同じように狼隊の陣内、陣左、尊奈門。それから長烈。そこに何故か年端もいかぬ忍たまの善法寺伊作君と鶴町伏木蔵君。聞けば皆直前までバラバラの場所に居たという。妖術の類いかと皆で話をし始めれば、冒頭の事が書かれた文がポトリと私の目の前に落ちてきたわけである。ウチの人間はともかく忍たままで居るのは由々しき事態である。
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