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    koda_haigyo

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    koda_haigyo

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    幼い主君を守る巳ロジャグレの話
    推しカプカツアゲ会の賜物。

    たとえ体温を失っても 黒獣巳であるグレゴールは、祭りに浮き足立つ人々をぼんやりと見下ろしていた。

    (よくもまあ、あそこまで熱中できるもんだ)
    バルコニーの下では、H社の巣内の人々がすし詰めになっている。群衆は祭りの山車に向けてめいめいに叫んだり、歓声を上げたりしている。

     H社の巣内。とある祭りを見る主君の供をするため、グレゴールはここにいる。何やらかなり大きく、H社では人気の祭り…らしい。H社で長く暮らしているというのに、俺はよく知らなかったのだが。

     複数人に掲げられた棒の上、祭りの主である翡翠の龍が身を翻らせている。薄い紙と木枠で出来たハリボテの龍の筈だ。でも、その動きは確かに目を見張るものがある。
     胴をくねらせ、血のように赤いあぎとを開くたびに観衆からは大きな歓声が上がる。龍はまるで解き放たれた自由を謳歌しているかのような───いや、長年溜め込んだ怒りを吐き出しているんだろうか?そんな風に見える。

    「グレゴール、グレッグ。そんなところで見てないで、こっち来なよ〜」
    「いや、良い。やめておく」
    部屋の暗がりから祭りを観察していたグレゴールに、同僚───黒獣のロージャ───がバルコニーから声をかけてきた。せっかくの誘いにも気のない返事を返して、グレゴールは相変わらず暗がりから周囲の様子を窺っていた。
    祭りで浮き足立つ人々。それから、はしゃぎ回るロージャの姿。いつも伏せられている薄紫の瞳は輝いて、催し物の一つ一つを楽しげに眺めていた。丸のせいで痩せ細った頬を紅潮させている。

     調子づいて祭りの露天でロージャが買った飴がけの苺を先ほど押し付けられていたので、話を逸らすために手の中の串を軽く振った。
    「あー……この、串刺しの苺、タンブラーだっけか……。なかなか美味いな」
    「タンフルだよ。タ・ン・フ・ル」

    「主君も見た?ねえ、凄いね!」
     幸いにも、ロージャは俺の視線には気付かないらしい。先程までグレゴールに声をかけていたロージャは、今度は背を屈めて傍の主君に向けて声をかけている。主君である少年はきらきらと瞳を輝かせながらバルコニーから祭りを眺めていた。

     今グレゴールとロージャが仕えているのは、四大家であるシー家に連なる血筋のとある少年である。
    齢は10歳にも満たず、あまりにも若い……というか幼い少年だ。
     呆れるほどには巳として長く生きている自覚があるが、まさか子守りをする羽目になるなんて思ってもいなかった。今や子供を傷つけぬよう、ロージャと俺の手にはグルグルと包帯すら巻いているからお笑い種だ。

     子守……じゃなくて仕えはじめてからこっち、同僚であるロージャはずっとこの有様だ。主君の少年にはまるで面倒見の良い姉のように接し、まるで普通の年下の少年にするように甘やかしている。一度くらいはこの不躾な態度を誰かが諌めれば良いものを、主君である少年がこうして扱われることを気に入っているので誰も何も言いやしない。これまであの息苦しい大観園で暮らしてたんだ。ロージャのように扱ってくれるのは稀有で、気に入っちまうのは当然なんだろう。

    (まあ、適任みたいでなによりだ)
    この子守───任務にロージャが適任だろうと、推薦したのはグレゴールだ。黒獣らしからぬヒトに近い感覚を持っているロージャなら、子もいうことを聞くだろうと。どうやら思惑は外れなかったらしい。それから、ロージャの悲願にとっても───。

     山車が撒いている紙吹雪に歓声をあげ、空中で掴もうと夢中になっていたロージャが、再びこちらに顔を向けた。

    「……どうしたの?グレッグ」
    いつの間にやら、俺はこいつにグレッグだなんてあだ名まで付けられている。

     グレゴールとロージャの瞳がかち合う。グレゴールの濃い紫の瞳と、ロージャのまだ薄紫に色付いただけの瞳。
     ふいに、ロージャの方から視線を逸らされた。
     ロージャにはどこか、誤魔化しきれない逼迫したものがある。主君の隣で祭りに浮き立ち、いかに楽しそうに振る舞っていても、だ。

    (相変わらず、主君を籠絡して黒獣を抜けようとしてるな)
     ロージャの願いを知らぬものは、黒獣巳では一人も居ないだろう。時として黒獣としての任務すら逸脱し、ロージャは"私的に"主君の願いすら叶えて歴代の主君に取り入ろうとし続けているのだ。ヒトに戻ったときのために貯えすらしていることもグレゴールは知っている。(タンフルはありがたいことにロージャの奢りだ)

    (……ま、俺は任務が終わってさえくれればそれで良い)
     ロージャの思惑がどうだろうと、好きにすると良い。俺はこの風変わりな任務さえ終わってくれればそれで良いのだ。陽の当たるところで祭りを楽しむ二人を眺めながら、タンブル───いや、タンフルだっけ?の最後の一粒を噛んだ。くしゃり、と飴が割れ、赤い果汁が口いっぱいに広がっていく。なかなか悪くない、そう思った。


    ーーーーー

     夜。
     祭りの熱気がようやく冷めた街で、主君と二人の黒獣は宿を取っていた。H社の巣内にはありふれた、そして四大家の令息にふさわしい宿。
    主君のまだ幼い横顔が、灯篭の薄明かりに照らされる。四大家のご子息だろうと裏路地の住民だろうと、幼い子供の寝顔というのは同じだ。その顔を見ていると、思惑を持って取り入ろうとしている自分がなんだか恥ずかしくなってくる。そう、ロージャは思った。

     昼間の祭りがよっぽど気に入ったらしい。祭りにはしゃいだ反動か、主君である少年はことりと眠りに落ちていた。
     夜通しの見張をするために、ロージャとグレゴールは主君の床の側にいる。主君と遊ぶ楽しい仕事は終わり、黒獣本来のつとめの時がやってくる。有事の時の戦闘に備えるために、主君と触れ合うために覆い隠していた腕を晒す。あちらこちらが毒によりどす黒く変色し、鱗まで生えた肌。黒獣丸を飲んでから、人として生きていた過去のことは霞がかったように忘れてしまったのに、今の自分にいつまで経っても見慣れることはない。なんておぞましい姿なんだろうか。


    「気の毒だよね?」
    ぽつん、と傍のグレゴールに声をかける。
    「何がだ?」
    「こんな小さい頃から殺し合いに怯えてさあ。誕生日も無いって言うじゃない?せっかく部屋も食べ物にも困らないんなら、一族みんなでもっと幸せに暮らせば良いのに」
    こんなこと言っても意味のないことだ。分かっていても、つい口にしてしまう。
    「……俺も、そう思う」
    返ってきたのは意外にも、同意の言葉だった。思わず傍に目をやる。てっきりいつもの通りに、気のない返事でも返されるものだと思っていた。
    「夜の大観園の静けさを思うと、同意するよ。毎日殺し合って、夜にすら怯えて……ほんとうに、気の毒だよな」
     密やかに囁かれる声に、なにもお追従のための同意ではないことを悟る。もともと、この男は嘘なんてつけるほどに器用ではないのだが。

    「主君はシー家では妾腹と言われて疎んじられてるが……そんなこともバカバカしいよ。……ま、私は黒獣やめられれば何でもいいんだけどさ」
    「……。嘘つけ。お前さん、主君のこと本気で気に入ってるだろ」
    ふ、とグレゴールが笑った。


     元々、私はグレッグを───この黒獣の男が好きではなかった。……今でも得意になったわけではないのだけれども。
     感情が摩耗し切った巳。命令ならば幼い子供すら手にかける冷徹な男。初めて出会った時、私が逃がそうとした幼い子供の頭を砕いたことを今でも忘れることが出来ない。
     記憶も磨耗しきり、やがては主君の命に従うだけの蛇に成り下がるのだ。自らの意思では物も食べず、話すこともない。そうなった巳は、もう永くはないと言われている。自分が死したことすら気付かず、道具としての命を終えるだろう。

    (わたしは、そうはならない───)
     主君に功績を認められ、一人の人間として取り立てられること。それだけが今の今の私を支えている望みだ。主君に媚を売り必死に黒獣から抜け出そうとしている私の姿をある者はどうせ無駄なことだと揶揄い、またある者は奇特な目で見ている。

     ただ一人。
    グレゴールだけは、私の願いを知っても笑おうとしなかった。無理だ、とも言わなかった。ただなにも言わず、こうして私の側にいる。
     ……もしかすれば、この巳の摩耗し切った感情では、私のことなんてどうでも良いのかもしれない。
     でも、その無関心がロージャには有り難かった。時折そっと差し伸べられる手が、まだ彼には微かに他人を思う心というものが残っているように感じられるのも。

    自分がヒトに戻るのを最優先にするべきだ。そう、ロージャには分かっている。
    それでも───願わずにはいられない。グレゴールがこれ以上摩耗せずにいることを。



     ───かたり。不意に音がした。

    「ロージャ」
    凪いだ声で、グレゴールが名を呼ぶ。だが、その声の内にある響きは、先ほどとはがらりと変わっている。


    「主君〜?ちょっと眠いだろうけど…起きて」
    布団に寝ている主君を揺すぶって、ロージャは主君を起こした。寝ぐずる主君を起こし、半ば抱くようにして彼を押し入れの中へ隠した。

    と、同時に───寝室を仕切っていた障子が音もなく開けられる。常に抱えていた剣を手に、グレゴールとロージャは侵入者たちに向き合っていた。
    黒い影が三つ。音もなく歩み寄る術。黒い笠に揺れる2本の黄色い布に、相手が黒獣の卯であることを悟った。酉ではないということに感謝するべきだろうか?

    「護衛の黒獣か。引け。お前たちに用はない」
    「……あは。こっちも仕事なんだよね、主君のこと守るの。主君に一体何の用?」
    ゆっくりと、黒獣たちの距離が縮まっていく。息遣いすら忘れたまま、空気が張り詰めていく。
    精一杯の虚勢を張っているが、実際は卯と戦ったことなんてない。この三人はどれくらいの実力なのだろうか?卯の筆頭には見えない。でも、こちらは数では負けている。主君の暗殺だと、分かりきった質問を投げかける。
    不意に、卯が声を上げた。グレゴールですら目を見開いた。
    「この度はジア・バオユ様の命により、シー家の令息を迎えに参った。シー家による誅殺を、見過ごすことは出来ないとの温情である」
    読み上げるように朗々と、卯たちは呼ばわる。
    一体、何を言っている?
    「シー家は、ここにいる候補者の一人を誅殺しようとしている。浅ましいことに、シー家から一人犠牲を出せばバオユ様のお気が晴れるとお思いだ」
    「速やかに令息の身柄を引き渡せ。私たちが安全なところに───」「ねえ、さっきから私たちのバカにしてるの?」
    思わず言葉を遮る。皮肉に口角が釣り上がり、嘲笑が口から漏れそうだった。シー家がこの少年を殺そうとしている?ジア・バオユが、あの男が、他の家主候補を守るために動くだって?

    おかしい。ざわざわと身の毛がよだつのが止まらない。

    (一体どうして。どうしてそんなことを言う必要が───)
    「主君!動くな!」
    不意に、鋭い叫び声が耳のそばで響いた。傍のグレゴールがいつの間にやら、主君の少年が押入れから這い出している。重たい戸を小さな手指が必死に開けて、自らの意思でここから抜け出そうとしている。

    (あの言葉は、私たちに向けたものでは無かったのか!)

    「主君!ダメ、こいつらの言ってることを信じちゃ───」
    ロージャの叫びが空を割く。主君を止めようと、一目散に駆けていった。

    手を伸ばそうとロージャが駆けるのと、卯が剣を振り上げるのが同時だった。

    幼い首が落ちる。次の一閃で、赤い果実のような頭が縦に裂かれた。何かに手を伸ばしているかのような形で、主君の少年の身体がくずおれた。

    (縦に───頭が、)
    首を落とされた。それだけならば。どうにか蘇生できるということを知っている。だが───頭を裂かれたならもう、この少年は───
    混乱した刹那に、かっと、炎のように赤い口をロージャは開いた。叫び声にならない声が迸る。主君を、否、仲のいい幼子を目の前で殺された怒りが止まらなかった。
    巳としての技など忘れて卯に飛びかかった。筈だった。

    肩を掴まれて、後方に押しのけられる。グレゴールの身が割り込むように、ロージャと卯の間に入っていた。冷静に見守っていた卯の剣が中空を裂いた。
    血飛沫がまた一つ大きくなる。今度こそロージャの口から悲鳴が漏れた。
    目の前で、グレゴールはその身を胴から横断ちにされていた。

    「……愚かな。主君を喪ってなお、戦おうとする黒獣など見たことがない」「忠臣にでもなったつもりか?」
    笠に隠れて容貌の知れない卯の間に、嘲るような笑いさざめきが広がる。
    「引き上げるぞ」と、主格である卯が命じたのを皮切りに、卯たちは音もなく去っていく。卯たちはもはや主君の少年の身体にも、倒れ伏すグレゴールにも、血を浴びて側に崩れ落ちるロージャにも目もくれなかった。

     部屋で動いているものは、今なお広がっていく血痕だけだった。グレゴールの胴から吹き出す血は止まらない。首を落とされても生き続ける蛇のしぶとさで、いまだに意識は落ちていないらしい。揺れる瞳がロージャを見る。

    「大丈……夫か?ロージャ……」
    返事すら声にならない。ただ、どくどくと広がっていく血を眺めているだけだ。
    どうして、と。口から問いにもならない声が漏れる。
    卯たちの吐き捨てた言葉のとおりだ。主君が死んだのに、黒獣のくせに敵討なぞしようとした私がおかしかった筈なのに。グレゴールが私を庇う理由などなかった筈なのに。
    「さあ?なんで……だろう、な」
    ゆっくりと、縦に裂けていた瞳孔が開いていく。もはや苦痛すら感じないのだろう。瞳に宿っていた光は消えていき、グレゴールの意識は少しずつ無明の闇へと沈んでいっている。笑んでいた口元もゆるやかに表情が失われていった。

    卯たちも去った今、部屋には何の音もしなかった。暗闇の中に、ただ一人だけ取り残されている
    (こんな筈じゃない)
    いやだ。置いていかないで。情けなく二つの言葉を繰り返すことしか出来ない。主君を喪ったいま、私は放り出された道具に過ぎなかった。巳としての道を先に歩むグレゴールすら喪ってしまった。今ほんとうに、独りきりになってしまった。

    ロージャの傍で、主君の少年の亡骸は冷たくなっていく。───もう、鴻園生命保険の技を使っても駄目だろう。

    (でも、グレゴールなら)
    間に合うかもしれない。
    ゆっくりと、ロージャのなかで一つの想いが結実していった。

    ーーーーー

     ゆっくりと、意識が浮上してきた時。
    グレゴールには己が生きていることが信じられなかった。清潔なシーツが身体に触れる感覚。つんと鼻にくるアルコールの匂い。どうやら病院らしい。
     生命保険だなんて、金持ちたちが上等なものには入った覚えがない。脳が無事だろうがなんだろうがあのまま朽ちて死に、無縁仏にでも放り込まれるはずだった。

    ───誰かが。誰かが俺が生きていることを望んだ。

    (一体、誰が?)
    ゆっくりと、紫色の瞳が自分のベッドに突っ伏している人影に焦点が合わさる。傷んだ亜麻色の髪が布団に広がっている。

    「ロー……ジャ」
    俺の声に、ゆるゆると、ロージャが目を覚ました。薄紫の瞳が見開かれる。幾筋もの涙のあとを残した頬。泣き腫らした瞼。また一つ、安堵の涙がこぼれ落ちた。
    「グレッグ……よかったあ……」
    「……馬、鹿だなあ、ロージャ。お前さんも……」
    「うるさい」
    「俺の蘇生、幾らかかった?……なけなしの全財産、全部はたいたんだろうな。ヒトに戻ったあとで使おうって言ってたのに」
    「……黙って」
    「せっかく貯めてたのになあ……ロージャ」
    「……黙ってったら!!」

    再びグレゴールのベッドに突っ伏しながら、ロージャは叫んだ。俺に腹を立てるあまり、ようやくロージャの涙は止まってくれたらしい。ぐず、と鼻を鳴らしたのを最後に、ロージャは泣くのをやめてくれた。


     それから、ベッドの上に起き上がれるようになった時。グレゴールはすでに自分の傷が塞がりかけていることに驚いた。これならあと一日もすれば足腰も動くようになるだろう。まったく、蛇の身とはしぶといもんだ。
    目が覚めてからこっち、

     昨夜の出来事の衝撃や怒りも、もはや霞がかったように感じられる。蘇生は感情や記憶の摩耗を進行させる。H社にいる誰もが知ることだ。
    ぼんやりとしている俺を見ているロージャが気忙しげに見えるのは、記憶がどれほど摩耗したかを気にしているのだろう。

    「……馬鹿だよ、ほんとうに。俺は死ぬのなんて気にしないのに」
    「あのねえ……。あんたじゃなくて、私が気にするの」
    呆れた口調でロージャが返す。目覚めてからこっち、ロージャは相変わらずずっとベッドにぺったりと伏せている。手を伸ばして頭を撫でる。
    「……残念だったな、ロージャ……。主君のこと」
    「はは、はあ……あと、蘇生にかかった金、返すにゃどうしたら良いんだろうな」
    「……別に。返してもらうのは期待してないから」
    ああ、でも。ロージャはぽつんと言葉を続けた。
    「私のこと、忘れないでいてくれる?」
    「ああ。忘れないさ。忘れられないだろ」
    思わず笑みを返してしまう。忘れることはできないだろう。巳のくせにヒトでありたいと望むロージャのことも、摩耗し続ける俺を心配してくれる人がいたことも。忘れたくない、そう思ったのははじめてだった。

    ベッドに伏せていたロージャが顔を寄せる。亜麻色の髪が頬に触れた。そのままロージャの口付けを受け入れる。ロージャの体温は、冷たい俺の身体には微かに温かく感じられた。

    「……にっっっがぁい………!!!」
    唇に、さっき飲んだ丸の味が残っていたらしい。顔を顰めるロージャの姿に、また一つグレゴールは笑った。この丸の味とともに、ロージャもきっと覚えていてくれるだろう。



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