感情・仲良いですが付き合ってません。
・仲の良い早川家です。
・言葉が途切れ途切れだったりするシーンがあります。
・感情がなくなります。
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ある一通の電話が俺の元に届いた、アキが悪魔との戦いで大怪我をしたとの事、命の危険まではギリギリ及ばなかったらしく、もう意識も取り戻してるらしい、今は近くにいた天使とパワーが病院で待ってるからその2人の迎えついでにお見舞いに来て欲しいとの事。
俺は直ぐに準備した、お見舞いに必要なものなんぞ知らんけど、とりあえずアキが喜ぶようなものを持っていくことにした、って言っても喜ぶものも知らねぇけど。
ドタドタドタ、病院だろうが関係ない、アイツが今1番、とても、とても、心配なのだ。
ガララッ!!
「あ、チェンソー君。」
「おぉ、デンジか!」
「…。」
病室には天使とパワーとぼ〜っとしてるアキがいた。
「え、ど、どうしたんアキ…。」
いつもなら走って病室に来ると「病室とか患者に迷惑だから走るな。」と病室入って早々言われるはずなのに、こっちを見てただ海のような瞳が俺を写すだけだった。
「天使…、どーしたんだよアキ、なんかあったのかよ…。」
「…、言いずらいけど人間くん悪魔の攻撃で脳を損傷してね、もう二度と感情を出したり笑ったり怒ったりとかしないし喋んないかもなんだって。」
よく見るとアキの首には包帯が巻かれていて血が少し滲んでいた、ほんとに、喋れないことが首を見てわかった。
「人間くん、チェンソー君きたよ。」
天使がアキを触らないよう少し離れて手を前に振りかざした、だけどアキは変わらずぼーっとしたままだった。
「ほら、言った通りでしょ?人間くん施設とかで預かることもできるみたいだけど、人間くんこれからどうするの?」
少し天使が首を傾げながら聞く、んな事考えてねぇよ、昨日までパワーが野菜を残すと怒ってたし俺がカレー作れた時優しく笑ってただろ、なんでそうなるんだよ。
「僕は君たちの自由に決めたらって思うよ。」
そういえば結構アキと仲良くなった時、昔の話をしてくれた、昔アキは施設で暮らしてて友達とか仲良くできる人を作ろうとしたんだって、だけど周りの人はみんな仲良くしてくれなかった、そう言って、その話をした時泣いてた、優しい子もいたけど家族みたいに居なくなったら怖い、それも理由だったみてぇ、だけどやっぱり周りが仲良くしてくれなかった、それが一番の理由らしい、だから周りに仲いいヤツあまり居ねぇのかって思った。
「ワシは家に置いといてもいいと思うぞ!アキは寂しがり屋じゃからな!」
そう言いながら俺を見つめてきた、そうだよな、アキ、寂しがり屋だもんな。
「んじゃ俺も家に一緒にいてぇしな!家にいてもらおうぜ!」
今日は少し様子を見たあとマキマさんのところに天使とパワーと俺3人でアキは今までのように家で一緒に暮らすといい家に帰った。
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「腹が減った!」
ダン!とパワーが机を叩く、俺が作れんのカレーぐらいしかねぇけど材料あったけ。
ガサガサ。
「何しとるんじゃ?」
「カレーの材料、ねぇから買いに行くか。」
「わしの菓子も買え!」
「1個だけなぁ〜。」
「ダメじゃ!3!3個じゃ!」
「アキに怒られっからダメ〜。」
俺はそういいパワーを連れて店へ向かった。
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肉はたしか、これって言ってたな、あとじゃがいもと、人参と、あ、ルーもか。
「デンジ!コレ買え!」
「1個っつたろ!2つもどしてこいよ!」
「やぁじゃ!」
「…仕方ねぇなその代わり1個置いてこいよ!」
「ヤッター!」
ガサッ。
えーと、肉、じゃがいも、人参、あとルー。
トタトタ。
「デンジ!肉だけカレーにしろ!」
「お前少しは食えよ!それじゃないと弱い魔人なっちまうぜ〜?」
「な!時、じゃぁ食う!じゃが少なめにしろ!」
「へいへい、えーと、じゃがいもと人参、ゲット!あとルーだな!」
「これか?たしか家で食ってたやつ。」
「どーでもいいじゃろ!早く行くぞ!レジ!レジじゃ!」
…アキ大変だな、俺らのワガママ毎日聞いて、こんな気持ちなのかよ、嫌なら言えよな、家で1番我慢してんの、アキだから。
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「パワー、カレーできたぞ〜。」
「ほほう!わしは強いから全部食えるぞ!」
「そりゃどうかなー?」
ハプっ!
「むっ!味濃くないか?!」
「えぇ…?アキからはよくできてるって言われたやつだぜ!」
「…ならええか!」
モグモグ。
たしかに濃いけど、アキはよくできてるって褒めてくれたし、きっといいはず、明日アキ退院するし作ってやるか!
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病院とーちゃく、よし入って早く迎えに行かねぇとな!
トタトタ。
「早川でーす、早川アキの迎えに来ました。」
「早川さんですね、入って大丈夫です。」
トタトタ。
「面倒じゃの〜、すぐ入りたいんじゃが?」
「危険なことがないようにするためだろ?」
怪我とか患者にあったら大変なんだろうなぁ、ただでさえ体調が酷い患者が怪我したら大変だろうし、俺病院の人じゃねぇから知らねぇけど。
ガララッ。
「アキ!迎えに来てやったぞ!」
「アキ早く帰ろ〜ぜ!カレー作ったんだぜ俺一人で!」
「…。」
やっぱり喋んねぇか、まぁ生きてるだけマシだけどな!
ギュッ。
「行こーぜ!」
トタトタ。
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アキが退院して1週間、今のところわかったことは、天使も言ってたことだけど喋んねぇこと、それで2つ目、どこにでもいる時ぼーっとしてる事だ、3つ目は、指示しないと仕事とかしねぇこと、1番今困ってることが3つ目だ、飯も「食べねぇの?」とか「たべようぜ!」とか言わねぇとずっとぼーっとしてるだけ、酷い時は飯食う時手すら動かさねぇことがある、その時は俺やパワーが「口開けて」って言って口に飯を入れてやる、そうするとやっと食うんだ。
マキマさんは「まだ指示すれば動けるなら仕事はできるね。」と言いながらニコッと笑いかけた、流石にひでぇと思った、まぁしょうがねぇけど。
「ふあぁ〜、もう朝かよ、飯作んねぇと。」
「デンジィ…、今日土曜じゃぁ…休めるのになんで朝早く飯作るんじゃぁ…。」
「アキとか起こさねぇとだろ、おれの勝手だパワーは寝てろ」
「うえぇ…、デンジはケチじゃ、ケチの悪魔じゃ…。」
「うるせーよ飯サラダにすんぞー?」
「!やじゃやじゃ!サラダは毒!」
「んじゃゆうこと聞いてろよー?」
あー、ほんとめんどくせぇ、早くアキ起こしに行こ。
ガチャ。
水でも組んできてやるか、朝は喉渇くし、深い青色のコップに水を組んだ。
「アキ〜、起きろー朝だぜ〜。」
トントンと方を叩く、最近はあまりアキに仕事が来てねぇから家にいるんだけど、そのせいか肌白く見えんな、キレーだよなぁ、パワーも見習って欲しいぜw、っと、話逸らしたらダメだな。
「アキー?」
「…。」
お、起きた、寝癖やべぇな。
「アキこれ、水、朝は喉渇くだろ〜?」
「…。」
そういうと俺が差し出したコップを受け取って飲み出した、朝ごはん、何にしよっかな、ベーコンエッグ?それともトースト?どうしようかな、そう考えてると「チリリリッ。」と電話がなった、俺はすぐ向かい電話の内容を聞いた、どうやら悪魔が出たようで天使、俺、パワー、アキで倒して欲しいとの事、んでこんなにアキも参加しなきゃなんだ?そう考えながらパワーを起こしに部屋に向かった。
「パワー、仕事が出たみたいだから行くぞ。」
「は?!ナンジャと!?今日は土曜じゃろ!」
「急遽できたんだってさ行こうぜ、パワー強ぇから行けるだろ?」
「…しゃあないのぉ、ワシが必要なほど強いんじゃな?このパワー様がそんな悪魔けちょんけちょんのグチョングチョンにしてやるわ!」
そう言ってパワーはガッツポーズを取ってやる気満々になってた、どちらかと言えば強くも弱くもない普通って言いてぇところだけど、言うと拗ねるからなあいつ。
「アキはおこしたのか?」
「あ、起こしたけど制服着せてねぇ、俺丁度着れたから行くわ。」
「アキ〜、仕事出たから制服に着替えようぜ〜。」
「…。」
とりあえず寝巻き脱がせねぇとか。
「アキー、バンザイしてー、制服着替えるから寝巻きいらねぇだろー?」
「…。」
んしょ、と、最近は首の包帯も外していいと言われてるから外してっけど喋んねぇし傷跡やべぇな、痛そぉ、そういえばずっと顔みてねぇな、少しは感情浮かんでんじゃね?
「アキこっち向いて〜。」
「…。」
…、やっぱり変わんねぇか、綺麗な海のような瞳が俺を写すだけ、少しは変化あってもいいのにな。
「へいへいありがと、シャツこれな、あとは〜。」
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「パワー?まだかよォ〜??」
「待つんじゃ!よし!できた行くぞ!」
パワーが前髪を整えてたみてぇだ、整えようが同じなのになw。
ガチャ。
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「お、チェンソー君とパワーちゃん、あと人間くんも、早いね。」
「おめぇこそはえぇな、いつも一、二分遅れんのに。」
「そんな何回も遅れないよ、で、人間くんはどう?」
「アキか、アキあまり退院前と変わんねぇ。」
「そっか、なら大変だね。」
アキほっとくとどっか行くんだよなぁ、手ー繋いでねぇといつも消えてる、だからたまに仕事断るんだけど、最近仕事してねぇしした方がいいかなって、思ったから今回来てんだし、まぁ行けるだろ。
トタトタ。
「…。」
「ふー、仕事終わり〜、もの壊さなかったから始末書もねぇぜ!」
「やはりワシが強い!ふふん!」
「アキも珍しく今日は結構手伝ってくれてたよなぁ。」
「そうだね…あれ、人間くんは?」
「え?」
振り向くとアキがいない、急に姿を消したような感じがする。
「え、アキ…?」
「そういえば人間くん喋れてた時ストーカーっぽい人が来てるとかなんとかとか言ってたよ。(怪我してない時)」
「なんじゃと?アキを連れてくとは度胸があるのぉ、このワシ!パワー様がけちょんけちょんとグチョングチョンにしてやるわ!うぬらこい!匂いはまだあるぞ!」
トタトタ!!
「こっちじゃ!いけうぬら!」
「パワーちゃんは行かないのかい?」
トタトタ!!
ガシッ!と抵抗してないアキの手を掴む、もう片方の手を掴んでる男もすぐに気づいて俺を睨んで「なんですか?」と行ってきた、こっちのセリフだっつーの、どこ連れてこうとしてんだよ、俺は直ぐにアキの手を引っ張って男から引き離しパワーと天使のいるところに走った。
「お!アキおったか!やはりわしは天才じゃの!」
「人間くん大丈夫だった?」
「多分危機一髪ってやつ。」
「危なかったんだね、今日は僕が報告しに行くから君らは家に帰りな。」
「おぉ!気が利くのぉ!」
「んじゃお言葉に甘えていこうぜ!ありがとな!」
「その代わり今度アイス奢ってね。」
「へいへい!」
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「ふ〜、暖かったァ〜、パワーもアキも入ったしもうお湯抜いたし、もう寝ようかなぁ〜♪」
最近こんな早く終わらなかったしな、今日はゆっくり寝よう!そう思った時、あ、そういえばアキベッドにいんのかな、そう考え部屋に向かった、ドアを開けるとベッドには何もいなかった、あれぇ…?と頭をかきながら後ろをむくと座りながらウトウトしてるアキがいた。
「うわ!そこで寝てんのぉ?アキ〜、ベッドで寝ねぇと風邪ひくぜぇ?」
「…。」
「アキ〜?」
珍しく今日は深く寝ているのかなかなか起きない、珍しいと思い俺は少しイタズラすることにした。
「アキ〜、」
ちょんちょんと何回も頬をつつく、だけど全然起きなくて暇になったからすぐ辞めた。
「しゃあない、部屋まで運んでってやるかぁ。」
あれ、飯食ったっけ?冷蔵庫見るか。
やっぱり食ってねぇか、パワーがギャーギャー言わねぇの珍しいな、どうしたか見てくるか。
「おう!デンジどうした!」
「今日飯食ってねぇよな?んでお前ギャーギャー言ってねぇの?」
「このパワー様がギャーギャー言うとでも?」
「いつもギャーギャー言ってんだろ。」
「アキが怒ってこないからつまんないんじゃ!」
「つまんないぃ〜?しゃあないだろ、まあいいや飯何がいい?」
「飯!飯デンジが作るベーコンエッグ!!ワシ生!」
「へいへい、」
ジュワーと音を立てる、パワー、アキがぼーっとするようになってからあまりワガママ言わなくなったもんな、まだ元気だった頃は野菜も食わねぇし風呂入らねぇしほんと手がかかったのに元気がなくなってから風呂は入るし野菜もほんの少しだけ食うようになって、気にしてんだな、アキのこと。
「オイデンジ!飯はまだか!」
「もーできたって、自分の分持ってけ。」
「わしは優しいからアキの分も持ってきてやる!」
「へいへい優しいなぁ。」
「今日は少し酷いほうだなぁ、アキ口開けて飯あげっから。」
「…。」
大変なんだよなぁ、この間は特に酷かったし、まさか喉詰まらせるとは思わなかったし。
「うめぇ?」
「…。」
「わしは美味いと思うぞ!」
「そっか…、ありがとな!」
ベーコンエッグは見よう見まねで作った奴、アキがよく朝に作ってくれてたから隣で見てた、だから作り方とかは味以外は合ってる、と思う。
「俺歯磨きしてくっからアキの面倒見ててくれ」
「わかったのじゃ!その代わり明日は肉だけカレーじゃ!」
「へいへい。」
歯磨きめんど〜、それに歯磨き粉マジィし、食えるので磨きてぇぜ、んでスースーすんだよあれ。
「デンジィィ!!」
「どしたんだよ!大声出すな!」
「デンジィィ!!コイィィ!!」
「はぁ?んだよ。」
「わしさっき何も言っておらんのにアキが皿持とうとしたんじゃ!」
またデタラメいってらァ、嘘はドロボーの始まりだって知らねぇんかな。
「どーぜ嘘だろ俺は磨きもどるぜ。」
「嘘じゃないんじゃ!本当じゃ!」
「へいへい嘘はほどほどにな。」
二度と感情とか出ねぇし喋ったりしねぇし、指示しねぇと動かねぇ、お前だって知ってるだろ。
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最近、また俺の心臓を狙うヤツらが増えてきたらしい、どうして俺の心臓が欲しいんだ?
「パワー、なんで俺狙われてんのかわかる?」
「デンジがブスじゃからか?」
「はぁ?!ひっど!」
ギャーラーギャーラー!!
「…。」
「お前ェ…!…?アキどうしたんだよ?立ち止まって。」
「そうじゃぞ?腹でもくだしたか?」
「…シ''…」
「え…?」
今、声…?だ、だけど、声と口の動き…、揃ってない…。
「シ…ロ''…」
「しろ?」
指差してる?後ろ?
「ふんっ!」
ズチャッ。
「うわ!パ、パワー!何してんだよ!こいつ人だぞ!?」
「コヤツデンジを殺そうとしてたぞ、アキが指さしてなかったら分からんかったからのぉ、今回は特別にアキのおかげにしてやろう!」
「…、とりあえず今日は帰ろうぜ。」
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「アキ〜!さっき喋ってたよなぁ〜!」
ギュッ〜。
「…。」
目逸らしてらァ、んな恥ずいんかな?
「目を逸らしても無駄じゃ!」
ギュッ!
「ヴ…。」
「おいパワー力強すぎだぞ〜!」
ポスッ。
ん?
「デ…ンジィ、パ…ゥワぁ…。」(薄く笑ってる)
「そうじゃ!ワシがパワーじゃ!よく言えたのぉ!特別にわしの頭をもっと撫でろ!」
「そうだぜ!デンジだぞ!俺ももっと撫でろ!」
「ダ…ぃスキ…。」
ギュッ。
「この後奇跡的に喉と感情は戻りましたとさ、めでたしめでたし。」