「これはもうお前のものだ。心して扱え」
驚いた。言ってみるもんだな、俺の分も頼むーって。まだ量産始まってねえんだろ? このブレイザーとかいう超兵器は。
「そうだ。ブレイザーは俺が使う分しかない」
──? これはブレイザーじゃねえの? どう見てもアンタのと同じもんだけど。
「これは先進科学研が気晴らしに造った新兵器、ブレブレイザーだ。照準が信じられないくらいブレる」
ジョークグッズじゃねえか。
「最悪の場合自分に当たる可能性すらあるらしい。しかし威力は俺のブレイザーと変わらないんだそうだ」
あぶね。いらねえよ。自分に当たるって何がどうなったらそうなんの?
「味方に当てたらぶち殺すぞ」
なんで自分に当たったり誤射してぶち殺されたりするリスクを背負ってジョークグッズ使わなきゃいけねえの。いらねえって。
「もうお前のものだから」
だからいらねえってば。あれっ、下ろせねえ。なに、なにこれ。なに。
「お前はもうシステム的にそういうNPCになってる。次のミッションからずーっとそいつを持って出撃するんだ。最後まで。ずっと」
システムって? なに? わかるように言ってほし……おい、どこ行くんだよ。勝手に話を打ち切るんじゃねえ、おい、おい!
──────。
────。
──。
夢だわ。よかった。