中華パロSS 第一章 裏路地の何でも屋とある中華風景観が特徴的な街。
そこは非常に治安が悪く、国の手が届かない無法地帯と成り果てていた。
これはそんな街の路地裏にある小さなお店の話。
「いちはちさーん!日替わり定食一丁!」
「任せんしゃい!日替わり定食一丁!!」
ピンクの髪をふわりと靡かせ、じらいちゃんは厨房付近にいるいちはちに注文を伝えた。いちはちはそれを取り次ぎ厨房へ伝えた。厨房内でも注文内容が反響されていく。
「レモン風味の杏仁豆腐です、お待たせしましたぁ〜」
厨房付近で待機していたいちはちは出来上がったばかりの料理を受け取りテーブルへ運んだ。その容姿に似合わない低い声が店内に響く。店に入ったばかりの客は驚いて目をまんまるに開いていちはちを見ていた。どうやら新規客のようだ。気持ちはわからなくもない。あの容姿であの声は普通想像できないだろう。
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