ノープランも悪くない【 燐一女体化百合 】「なぁ、妹ちゃんどこ行きてェ?」
定員二人までのダークグレーの布に覆われたファブリック素材のソファーの上できちんとお行儀良く腰掛けている女の子の太腿の上に、だらしなく寝転がっている女が眠たげな目で、映画鑑賞を満喫している休日。
映画を観ているのか観ていないのか、よく分からない一彩の眼差しは瞬きもせず一点を見つめている。恐らく視線の先はスクリーンではないのは明らかだし、退屈な上に意識が逸れちゃっているのだろう。
抑揚の無いストーリーに妹と同様に、退屈だなと思いながら寝転がっていた女、燐音は気怠げに冒頭の質問を投げかけた。
応答、なし。
「おい、妹ちゃんよォ〜聞こえてまちゅかァ〜?」
ぺち。
頭上の大好きな顔に手を伸ばして、一つ軽く頬を叩くとハッとほぼ強制的に意識を取り戻された一彩は、数回瞬きしながら自身の太腿に寝転ぶ姉の顔に視線を移す。
5827