それが強さなんじゃないのか 幾度となく繰り返されるゲーム。それは此処、エウリュディケ荘園に初めて足を踏み入れた時から変わらない。
今日も今日とて変わらず命を懸けたゲームが始まる…─とは言っても、この不思議な荘園はゲームが終われば付けられた傷も痛みも全て無くなってしまうから驚きだ。相変わらずどういう原理をしているのか全くわからない。
試合を有利に進めるべく、回路を弄って繋げることは出来ても荘園のゲームのシステムに関しては何もわからなかった。ナイチンゲールに尋ねたこともあったが、彼女も荘園の不思議な力については知らないようで徒労に終わった。
わからないことは正直あまり好きではなかった。わからない状態が続くと気分が悪くなる。それ故初めのうちは原理を解明すべく徹夜で荘園を調べ尽くしたが、一向に手掛かりは掴めず、この私が“諦める”なんてらしくないことをした。いや、正確には私の完成させたいものと天秤にかけて後者を選んだまでに過ぎない。
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