おいしい夢は貴方とともに❖ ❖ ❖ ❖ ❖
気が付くと僕は真っ暗な空間にいた。
寝室で眠っていたはずなのに、辺りは何もかもを飲み込むような闇に包まれていて、自分の手元しか見えない。
きょろきょろと周囲を見回していると、ふと目の前が淡い光に照らされて、そこには誰かが蹲っている。
駆け寄って顔を覗き込む。血の気のすっかり引いた顔を哀しげに歪ませている女性は、あの時死んだはずのジナイーダだった。
『パスト』
彼女は哀しげな表情のまま、立ち上がり僕を見据える。
驚いて尻餅を付いた僕を見つめてくる彼女の隣には、いつのまにか生気のない顔の叔父も立っていて。
二人は口々に僕へと言葉を投げかけてきた。
『パスト、どうして私を殺したの?あなたを信じていたのに』
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