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    桐智 2025/06/06 らくがき
    付き合ってない。大学生。飲みの帰り道。後半オマケです。

    #桐智

    【桐智】ここでキスして「つかぬことをお伺いするんやけども」
    「はあ」
    「要くんは、キスしたことあるん?」
    「その質問、俺が答えるメリットあります?」
    「そうやなあ、特に思いつかんし、大した影響はないな。要くんってキスしたことがない坊やなんや、って俺に思われるくらいや」
    「別に桐島さんにキスしたことないって思われるぐらい、大した影響はないですけど、俺は坊やではないですよ?」
    「ほお、大人の男アピールか」
    「わざわざ大声で言うようなことでもないですけど、普通に成人してますよ。大学生ですから」
    「ほんなら、大人の要くんにお願いがあるんやけど」
    「おねがい……?」
    「要くんと違て、俺はお子ちゃまやから、キスしたことないねん。やり方を教えてくれへんか?」
    「はあ?」
    「大人やって胸はって言うとったくせに、頭下げて頼んどる男の頼みは聞けへんのか。冷たいなあ。残念やわ」
    「俺が人の頼みをばっさり切り捨てたみたいな言い方はやめてもらえますか?事実無根ですし、名誉毀損です」
    「ほな、ここにキスして」
    桐島は人差し指で、自分の唇をちょんちょんと軽く叩いた。
    ここやで、ここ。ちゃんと見えとる?
    そんな気持ちを込めて。たぶん、いまの自分は、悪い顔をしている。
    一瞬は怯んだ気配をみせた。しかし、桐島が視線を逸らさず見つめていると、要はおもむろに桐島の肩を掴んだ。そして静かに瞼を閉じる。綺麗な形のまつ毛が街頭に照らされて黒く光った。ふっと鼻から息を吐き、そろそろと要は桐島に近づいた。
    チュ。
    小鳥が花を啄ばむような、軽く、優しく、ごくささやかな口づけだった。
    ──え。かわいすぎんか、これ。




















    戸惑いと興奮の入り混じるまま、桐島は胸の鼓動が激しく脈打つのを感じていた。が、その直後、唇を強く噛まれ、深く吸われ、食べられそうなほどの勢いに、桐島の戸惑いは増した。興奮だって天井知らずだ。正直なところ吸い方が乱暴で少し痛かったが、興奮もあいまって、その痛みすら官能的な刺激となった。決してスマートなやり方ではなかった。でも、桐島を食い尽くしてやろうという情熱は感じた。その熱が桐島の胸と下半身に響く。はあ、からかうだけのつもりやったのに、どうしてくれるん。
    てか、要くん。きみは、キスは初めてなん?百戦錬磨なん?
    ほんまはどっちなん?








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    kikhimeqmoq

    DONE桐智 2025/06/02
    大学生の桐智の小話。智将1年。友情出演寺門さん。
    【桐智】天気予報「要くん、俺のこと好き?」
    「明日の天気は晴れですね」
    「ふーん、ほな傘はいらんか」
    そっすね、と適当な相槌を打ちながら要くんはボトルの水を飲んだ。次の練習メニューのことを考えているのか、要くんはノートを手放さない。
    「で、俺のこと好き?」
    「最高気温は三十度近いらしいんで、ちゃんと水分とった方がいいみたいです」
    分かった分かったサンキューな。
    俺が頷くと、要は少々わざとらしく、再度水を飲んだ。まあなんだ、実際、暑いんやけどな。
    要くんが壊れたアレクサみたいな答えをすることに気がついたのは、同じ大学になって三日目のことだった。何回聞いても、しれっと何事もなかったかのような真顔で天気予報を返してくるから、狂ってんのは俺の頭の方なのではないかと不安になったのも、今や懐かしい記憶だ。俺は俺のことが好きかどうか質問してるつもりやけど本当は「今日の天気なに?」って聞いてるんかもしれん俺のことが好きかどうか聞いてるつもりなんは俺だけなんかな春なのにホラー体験かよ、と混乱した俺が慌てて部室にいた寺ちゃんに「俺のこと好き?」って聞いたところ我が親友は間髪入れずに「好きに決まってるでしょ!」とハグアンドキスを授けてくれたので、おかしいのは俺の頭じゃなくて要くんの方やって確信が持てたあの日のことも忘れない。寺ちゃんありがとうさすが俺の心友。でも前から言ってるけどキスのあとに髭でゴリゴリすんのはやめといてんか。俺のお肌は羽二重餅並にやわやわやからな。頼むで。
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    DOODLE桐智。
    大学生で同棲設定。ふんわり設定。
    大阪弁はふんわり。単語が下品です。
    キスの仕方なんて知らない「要クン。一年経ったし、そろそろ白状してもらうで」
     圭と秋斗が二人で暮らすアパートのダイニングキッチン。そのダイニングテーブルで圭と向かい合い、秋斗はにこやかに笑いかけた。
     テーブルには酒を注いだグラスが二つある。グラスを満たしているのは以前知り合いから譲り受けて飲んだところ、圭の反応がよかった桃の果実酒だ。今日のためにわざわざ通販で取り寄せたその酒は、圭が白状しやすいようにとの秋斗なりの気遣いと、尋問するのは多少心が痛むのでその詫びを兼ねたもの。
     とろりとしたクリーム色の酒をグラスに注いだときの圭の目は、少しばかり喜色を帯びていたが、秋斗の言葉で一気に真顔に戻った。口が引き攣らないように努力している様子さえある。圭と大学野球部で共に過ごすようになってから早三年。二人きりのときはこうして表情が表に出るようになった。圭の思考は表情に出ていなくても概ね分かるが、出ている方が秋斗の好みだ。秋斗以外は圭のこんな感情を知らないという軽い優越感が理由の一つ。あともう一つは、本人が秋斗の前だけ表情筋の動きが違うことを理解していないのがオモロ……ではなく、可愛いからだ。
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