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    kikhimeqmoq

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    桐智 2025/09/11
    付き合ってる桐智。大学生くらい。

    #桐智

    こわいのは半裸のままぼんやりと、窓際に並んで空を眺めた。だって気づけば雷だったのだ。すごいなぁ、と呟きながら彼は下着だけ身につけ窓を仰ぎ、俺は腰が重いくせにいつの間にか彼の隣に並んだ。電灯もつけず暗い部屋でふたり、激しい雨音に時々雷鳴が混じるのを聞き続けると、雷が夜空を駆け抜ける。青白い光は彼の横顔をまだらに浮かびあがらせた。その端正な輪郭に、やっぱりイケメンだな、と感じ思わず顔を顰めた午前二時。
    好きだなんて、さっきまで、手足の隅々体の奥までいやというほど感じていたのに、俺はまだ足りていないんだろうか。満ち足りているはずなのに、乾くように欲してしまう。その不足の贅沢に、後ろめたさと幸せを同時に感じた。はあ。
    「要くん、雷こわいん?」
    眉間の皺に気がついたのかなんなのか、彼は俺の肩を抱く。だからほら、だめだから。もっと欲しくなるから。こわいから。
    「こわいのは雷じゃないです」
    早口にそう答え、轟音に紛れて彼の右目に口づける。乾いた戸惑いを滲ませた桐島さんは、「え?なに?こわ……」と笑い、俺の黒子にそっとキスを返した。
    稲妻が絶え間なく光る夜。光がふたりを映しだす晩夏の夜。










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    kikhimeqmoq

    DONE桐智 2025/09/29

    大学生。付き合っていない桐智が付き合いだす。学校は違いますが、ふたりとも野球をしています。ふたりで花火を見に行って、付き合い始める話。前半が桐島視点で、後半が智将視点です。
    来年もまだこの手を握っているんだろうか東京に来る前からずっと気になっていた男がいる。上手いだけではなく、曲者で、状況の隅から隅まで考えて野球をするやつだ。一緒に野球をしたら面白いやろうな。記録映像で感じた直感はその後も裏切られず、高校の練習試合でも、甲子園をかけた試合でも変わらなかった。変わらないどころか強まるばかりだ。だのに、そいつとは結局、大学生の今に至るまで同じチームになることはなかった。
    選手としての関心はいつしか個人としての関心となり、先輩後輩なので友達というのは変なのだけど、なんらかのツレになりたい気持ちが抑えられず、結果的に暇があれば連絡をして外に連れ出すようになった。野球関係なく繋がりたいといっても、結局は野球馬鹿二人がやることといえば野球くらいしかなく、出かける先といえば観戦観戦バッセン筋トレ分析会となるのが殆どだった。ついでに飯を食って帰るのが定番だ。まあなんだ。他のことをしようとしたって、例えば、そう、水族館に行くって考えてみたところで俺だってうまくイメージできないんだから今のままでいいんだろう。イルカを見た要がどんな顔でなんと言うのか興味がないわけではないのだけれど。
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    kikhimeqmoq

    DONE桐智 2025/09/08
    付き合っている大人の桐智。大人の桐智の大人の下ネタ。
    ほろよい、玩具、目を逸らす甘くもなく辛くもなくほどよい刺激の液体がスパイシーな香りを振り撒きながら喉を駆け抜けていく。三杯目としてはちょうどいい軽さだ。ほろ酔いの気まぐれでカウンターの上にある塔のオブジェを指先で弄った。このバーに要くんと来るのは五回目になるが、窓際ではなくバーテンダーのいる内側の席に座るのは初めてだ。間接照明しかない暗い店内で、隣の要くんだけがようやく分かる。黄色っぽいダウンライトに照らされ、いつもは白い要くんの頬も優しいクリーム色に染まっていた。なんか、美味しそうやな。パンケーキのみたいに柔らかく甘い気がする。本当は、硬く塩辛いことをよく知っているのに。
    カウンターのヘリには小さな塔のオブジェが並んでいる。東京タワー、エッフェル塔、スカイツリー、自由の女神、太陽の塔……。シャーペンより少し小ぶりで、丸みを帯びた形にデフォルメされ、お洒落というより可愛らしさを演出している。大人びた店内に優しいアクセントを添えていた。「かわええやん?」と要くんに言うともなく呟き、スカイツリーの先端をつついていた。
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    chrosite_10

    DOODLE桐智。
    大学生で同棲設定。ふんわり設定。
    大阪弁はふんわり。単語が下品です。
    キスの仕方なんて知らない「要クン。一年経ったし、そろそろ白状してもらうで」
     圭と秋斗が二人で暮らすアパートのダイニングキッチン。そのダイニングテーブルで圭と向かい合い、秋斗はにこやかに笑いかけた。
     テーブルには酒を注いだグラスが二つある。グラスを満たしているのは以前知り合いから譲り受けて飲んだところ、圭の反応がよかった桃の果実酒だ。今日のためにわざわざ通販で取り寄せたその酒は、圭が白状しやすいようにとの秋斗なりの気遣いと、尋問するのは多少心が痛むのでその詫びを兼ねたもの。
     とろりとしたクリーム色の酒をグラスに注いだときの圭の目は、少しばかり喜色を帯びていたが、秋斗の言葉で一気に真顔に戻った。口が引き攣らないように努力している様子さえある。圭と大学野球部で共に過ごすようになってから早三年。二人きりのときはこうして表情が表に出るようになった。圭の思考は表情に出ていなくても概ね分かるが、出ている方が秋斗の好みだ。秋斗以外は圭のこんな感情を知らないという軽い優越感が理由の一つ。あともう一つは、本人が秋斗の前だけ表情筋の動きが違うことを理解していないのがオモロ……ではなく、可愛いからだ。
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