だだっ広い殺風景なウェアハウスは広く、天井は高く、高窓からの陽が舞い散る埃を浮かび上がらせながらタイル張りの床に射し込んでいる。朝だ。
「昼彦、起きなさい」
ウェアハウスの隅に置かれた猫足の寝台はシングルで幽がひとりでも狭かったが、いつも隣には昼彦が眠っていた。それは幽がこの子供をそばに置いてからずっとで、好きなところで寝なさいと別個に寝所を用意しても必ず幽の隣にきて眠るのだ。
小さなうちはそれでもよかったが、子供は年々大きくなり、十八になったいまでは幽ともそうかわらないからだつきをしていた。幽の選ぶベッドはどんなところでもシングルだったから、ふたりで眠るにはかなり窮屈で、抱き合うようにして眠るのが常だった。
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