訳:先輩、受験ですよ。木虎は余計なお世話と自覚しつつも、最近の佐鳥の動向が気になって仕方がなかった。
六月に入り曇りや雨模様な気候が増え始めた頃から、佐鳥が個人で防衛任務に就くようになったからだ。嵐山隊としての業務は、入隊式の取りまとめや広報活動、防衛任務など、これまでと同様にこなしている。それに加え、ランク戦の時期であればA級ランク戦にも参加している。ランク戦の時期には広報活動が縮小されたり、関連業務が入らないようにスケジュールの調整をしてもらっている。学校のテスト期間も然り。木虎の心配は後者の方だった。
佐鳥が在学している三門第一高校は、現在一学期中間試験の真っ只中である。そんな中、試験勉強の時間を割いて、個人で防衛任務に就くなんて。自分の学力に自信があるのであれば様子を見るだけで済むのだが、そうともいかないのだから余計な心配をしてしまう。
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