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    くた煮

    @kutakuta_ni

    20↑腐
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    くた煮

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    OPH時空隠囚
    まだ隠は出てこない

    #隠囚
    prisoner

    「はー、お腹いーっぱい!」
    「だな。私も少し食べすぎたかもしれない……」

     歩きながらリリーとルカが口々に満腹を示す。それを後ろから眺めて、十一とナワーブは顔を見合せて笑う。先ほどの若い二人の食べっぷりは素晴らしかった。少々懐には痛い出費になったが、それは今後の活躍で返すと宣言された。そんな眩しい姿も含めて、奢った甲斐があったというものだ。
     何を隠そう、今日は新生した戦隊の決起会と称した食事会だった。ささやかなものではあったが、時間を取ってメンバーで集まったことで、この四人でこれから競技シーンで戦っていくのだと改めて確認することができた。身が引き締まる思いもありつつ、リラックスした空気の中で会が進んだことも大きな成果と言える。これなら親睦を深めるという目的も達することができただろう。せっかくの機会と出会いだ。ゲーム中のチームワークという観点でも、もちろんそれを抜いても、仲を深めるのは大切だろう。
     歩みが交差点に差し掛かった頃、ルカが他のメンバーに声をかけた。

    「すまない、今日は寄るところがあるから私はここで」
    「わかった」
    「またねールカ!」

     大きく手を振って見送るリリーに、ルカは手を振り返して歩いていった。その後ろ姿を見て、十一はそっと笑う。

    「あの様子、今日はきっと“先生”のところね」
    「先生って?」

     リリーが不思議そうに尋ねると、十一の代わりにナワーブが口を開いた。

    「ルカの科学の先生、らしい。昔からの付き合いなんだと」
    「へー! 仲良いんだね」

     度々ルカがその“先生”のことを意図せず話題に出していたのだろう。何せまだルカとの付き合いが長くはない二人が、会ったことがない相手を知っているほどだ。
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