ギャルが30代の男を飼う風が吹き荒れ、波は叫ぶ。高波が砕け、水しぶきが服に染み込む。
あぁ、なんでこうなったんだろう。辛いなぁ…。
今、俺は崖っぷちにいる。精神状態も崖っぷちだ。自殺の名所と言われる大きな崖。いつしか足場が崩れそうで怖い。
ここに立つはずのない人生を送りたかったものだ。金銭面も、人生にも問題あり。生活費が払えなくなってくる。
もう、手取りも少ない。助けを求めても、誰もその手を取ってくれない。親とか、兄弟とかにもすがりたかった。
…見捨てられたのだ。弟の方が稼ぎが良いから、らしい。すがる選択肢は一つも残っていない。あるのは海へと歩むのみ。
草の音がなる。かすっ、かすっと。風が前髪を掻き分けている。
一歩、一歩ずつ踏みしめて、最後の地上を味わうのだ。いっそ、知らない人にすがっていたい…。飼われたい…。
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