ショートホープキキー!プシュン…シュー…
俺の乗っている地下鉄が慌ただしく停車する。
まったく、いつ乗っても運転が荒いな。
やや不機嫌な思いを抱えながら、俺は他の乗客達に混ざってビートスクエア駅に降り立つと、いつもの場所に視線を移した。
っと、まだ来ていないか。
端末で時間を確認すると、18:00と表示されている。
もう少し待っていたらあいつが来るかもしれない、だが、これから急いで職場に戻らないといけない。
俺はやや後ろ髪を引かれる思いで、視線を向けた反対側にある、地上に通じる階段に向かって走り出した。
一気に階段を駆け上がったところで、目の前から聞き慣れた声がした。
「よぉ、随分急いでんな。危うくぶつかるところだったぜ。」
「…エド!」
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