Prost Orange weizen #1「おっ!うん、いいんじゃない?キミとってもよく似合ってるよ!大丈夫大丈夫!そんな不機嫌な顔しないで、笑って笑って!」
バイトリーダーが俺の格好を見るや否や、手放しに褒めてきやがった。他のやつらもバイトリーダーに賛同し、俺を励ましてきやがる。こいつらが悪意もなく本心でポジティブな事を言っているのは分かっている、分かっているが……
だが俺は生憎、こんな状況で励ましに乗って気分が上がるようなことは一切なかった。つーか逆にテンションだだ下がりだ。冗談じゃねぇ。
「じゃあそろそろお客さんも入ってくるし、このメンバーで今日1日頑張ろう!」
無理矢理背中を叩かれて、喝を入れられる。それを合図にバイトメンバーは散り散りになって、各々準備を始めた。
5064