声ネタ「カキツバタ、せんぱい……」
聞き覚えのない少女の声が、寝ぼけた頭に響く。小さな小さな震える声。どうやら机に突っ伏したオイラの耳元で囁いているらしい。
呼ばれたからにゃあ返事しねえと。半分夢を見ているような心地で、んー? と生返事をすれば、彼女は消え入りそうな声で言った。
「あの、たすけて、ほしくて……」
「おー……いいぜぃ……」
誰だか知らねえが可愛い後輩が助けを求めてんなら、ツバっさんが一肌脱いでやろうかねぃ。そう思って気安く請け負うと、彼女は「ありがとう、ございます……」と少しだけほっとした様子を見せた。
「えっと、明日の四時に、キャニオンスクエアに、きてください……」
「おー……」
なるほど、そこで待ち合わせってか。OKOK。しかと引き受けた!
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