とりインフルでだいピンチ!?1
ユミはアドベンチャー・ベイの田舎で、夫のアルと二人で農場を営んでいる。
朝起きて主人からおはようのキスを貰い、自分の朝食の後で、家畜にも餌を与えて回るのが日々のルーティンであった。牛のベティーナと挨拶を交わし、豚のエマとコーニーに餌となる穀物の粒をあげる。遠くの方では、夫の操縦するモギモギロボが怒涛の勢いでトウモロコシを収穫しているのが見える。
農場はいたっていつも通りの朝だった。ユミが鶏小屋にエサを運びに行くまでは。
「ニワトリさんたち〜、朝ゴハンの時間……
ギャッ!」
ユミは重力のことを一瞬にして忘れた。
餌の袋を抱えていた両手を離し、地面に叩き付けられた大量の穀物の粒が地滑りのように広がる。
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