少女と小さな神棚のお話。ひぃおばあちゃんちにあった、小さな神棚。
もうきっと神様はいないけれど、とお母さんからもらった手入れのされていない骨董品。
でもわたしには、まだちゃんと生きてるんじゃないかって、そう思って一生懸命きれいにした。お母さんとお父さんも手伝ってくれた。
お水と榊、お札にお塩を置く。あと、お供えものはおから。ひぃおばあちゃんが好きだったから。
一通り揃うとちゃんとした神棚になった。
まだ高いところは届かないから、わたしの手の届く位置に置いてもらった。
毎日学校帰りにお豆腐屋さんに寄っておからをもらって、お水もきちんと取り替えて、埃が付かないように水拭きもした。
きっとこれで神様も目を覚ますはず。
毎日のお祈りはちょっとしたもの。
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