56の日冷蔵庫が空っぽでコンビニに惣菜買いに出た二人。
弟が一人レジで店員さんに商品をピッピッとスキャンしてもらっていると、その背後から太宰が来て、買い物かごに何かをすっと入れた。目をやると、それは”0.01”と大きく記された小箱だった。
「ちょうど切らしていたからね」
ニコリと満足気に微笑む太宰。弟は「ちょっと…!」と目線で訴えかけるも、太宰は気にせず腕を腰へと回してくる。
会計中ゆえ兄を追い払うことも出来ず、コンビニを出て、弟はようやく不満をぶつけた。
「いきなりかごに入れないで下さい!」
「何故だい?ああ、若しかして薄いものより枚数の多い方が良かったのかい?今日は積極的だねえ」
「避妊具の話じゃありません、心の準備の話です!」
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