……コーンカーン、コーン……
四限目が終わるチャイムに、のろのろと目を開ける。気持ち悪い。胃が何度も収縮を繰り返している感じと、下腹部のずきずきとした痛み。少し眠ればマシになるだろうと目を閉じても不快感が邪魔をして一睡もできなかった。
のっそりと体を起こす。しばらく動きたくなくて、ぼんやりと白い掛布団に覆われた足先を見つめる。
クリーム色のカーテンが捲られ、青い半袖のセーターにコットンパンツを履いた女性が音もなくなまえの方に近づいてくる。保健室にいるより都会のオフィス街の方が似合いそうな女性だ。
「みょうじさん、どう?」
「あんまりって感じで」
ぼそぼそと会話が交わされている保健室とは反対に、静かだった廊下は潮が満ちていくように騒がしくなっていく。ぐちゃぐちゃに丸められた音の塊が容赦なく彼女の頭に叩きつけられるので、具合がさらに悪くなりそうだった。なまえは片手で顔を覆った。
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