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    sakuraba_ac

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    sakuraba_ac

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    ※全年齢の範囲ですが、おおいに下ネタが含まれます
    新刊「むきだしで向きあって」PHASE2の後ろに入れる予定だったのに、時間がなくて泣く泣く削ったエピソードです。
    サンプルで公開している分の直後の話になります(PHASE2と3のあいだ)

    Phase2.5アスラン・ザラは苦悩した。
    なぜ、これがこんなところにあるのだろう、と。
    自分の見間違いではないかと目をこすった。しかし、再度見ても、やはりそれは、そこにあった。
    カガリのベッドの上に。

    細長い棒のかたちをしたそれの長さは十三センチほど。太さは概ねであるが、三センチくらい。
    先端はまるみを帯びていて、その途中はゆるやかなふくらみが連なり、なだらかなカーブを描いている。
    材質はおそらくシリコンで、なめらかな質感を持っている。ど派手なショッピングピンクがぎらぎら目に痛い。
    そう、それは、小型のバイブレーターだった。

    つうっと冷汗が、アスランの背中をつたっていった。

    ■■

    相も変わらず、時間を見つけては足繁くカガリに会いに行っている。アスハ邸の正門を堂々とくぐりぬけながら。
    我ながら婚約発表をしてから浮かれていると思う。
    しかし、ようやく「彼女の婚約者」という公の肩書を得て、大手を振って「彼女は自分のものだ」と振る舞えるのだから致し方ない。
    そして、逢瀬のたびに、彼女と触れ合っている。いつかきたる、セックスに備えてカガリの身体を拓いているのだ。手や口だけで。まだつながることの段階までは彼女の身体を持ってこれてはいないが、それでもだいぶ、いや相当、カガリの肉体は仕上がっている。

    明日の夜から重要な任務が控えている。かの国でマシマ代表の警護を務める仕事だ。彼が狙われる可能性が高いという情報が入り、アスランをはじめとするオーブ軍の一部兵士は、代表に随伴するため一時的にオーブを離れることになった。期間はおよそ七日間であるが、その間、オーブには一度も戻れない。
    それがとりわけアスランには辛い。

    前――つまりは、アスランがターミナルへ出向しているとき――は、長期間、それこそ月単位で会えなくなってしまうことももざらだったのに、すっかり堪え性がなくなってしまった。けれど、カガリのあたたかさや、すみずみまでの柔らかさ、声の甘さ、肌のなめらかさ、とにかく彼女のたくさんを知ってしまうと、もう駄目だった。
    もとから彼女はアスランの心にふかぶかと根付いている。近頃は根付くどころか、アスランを煽り、かき乱し、翻弄するからたちにおけない。
    ひとは、与えられたことのないものなら耐えられる。知らないのだから。
    けれども、一度その味を知ってしまったあとでは、また再び与えられるのを願って渇望するしかできない。
    アスランも知ってしまっている。甘美な、彼女のさまざまを。

    出発を直前に控え、さみしいと強く思いつつも、黄昏どきのころ、カガリの家まで足を運んだ。そこでカガリが本人からもアスランを求められ、たいそう熱い時間を過ごした。「準備」という名目で。
    ぞんぶんにアスランのひとつの指と舌、それから声でかき乱され、くったりとした彼女をシャワールームへ送る。
    そのあと、出発の時間を迫るのを感じながら、アスランは寝具を整え始めた。
    なにぶん婚約者だ。アスハ邸の皆々には、ふたりが部屋にこもっては何か愉しい遊びにふけっていることぐらい、筒抜けだろう。
    とはいえ、いかにも、な乱れたシーツを残したまま、メイドたちに片づけをさせるわけにはいかなかった。

    シーツをきれいに引き直すため、くい、と端をひく。その衝撃でベッドの上方に並べておかれたいくらかの枕の並びが崩れ、ずるりとひとつが床に転げ落ちた。
    しまった、と思いながらも、アスランが枕があった場所をみると、あったのだ。
    ぎらぎらと毒々しいピンクのバイブレーターが。ちょん、とかわいらしく鎮座して。

    そこで、今にいたる。アスランはバイブを目の当たりにして非常に困惑していた。

    細くて、いかにも初任者向けにも見えるバイブレーター。
    なぜ、ここにこんなものが? カガリが使って? どこで手に入れた? まだ準備途中なはずなのにこれを使って楽しんでいた? これが入るのか? 何回使った? いつから使っていた? これが入るなら準備を懸命にしていた俺はなんだったんだ? 俺以外のものをなかにいれたのか?

    頭が回るのも、考えものである。アスランの頭はものすごい勢いで続々と思考を巡らせた。考えがあれこれ巡って、頭がぶすびすと焦げつきそうになる。さながら、焼き切れたモーターのように。
    おそるおそる、一瞬躊躇してからピンクのそれを手にとり、眺めてみる。真新しいそれを。まじまじと。
    使用感の有無はわからなかった。未使用なのか、あるいは、丁寧に洗って使われているのか。
    頼りない細さのそれ。細かい構造はわからないが、シリコンに覆われた下にはプラスチックがあり、そのなかに回路があるのだろう。スイッチを入れる勇気は、なかった。

    ふたたび巡る、思考。ぐるぐると、あれこれ悪い方向へと想像がめぐる。
    終わりなき回転を止めたのは、カガリの軽やかな声だった。
    「アスラーン、シャワー出たからお前も…………あれ?」
    バスローブを身に着けたカガリが、シャワーブースのある隣室からひょっこり顔を出す。そして、驚愕の表情をつくる。

    ――絹をも割くような悲鳴が、響き渡った。まるで、かつてアスランが彼女にナイフを振りかぶったときのような。

    即座に、複数の人間が部屋に駆け寄る音がする。主人の悲鳴をききつけて、かけつけてきたのだ。護衛や使用人たちが。
    慌ててアスランは叫ぶ。周囲に言い聞かせるように。護衛たちが戸を開ける前に。場を納めなくてはならない。
    「なんでもない! ふざけていただけだから、この部屋には来なくていい!」
    途端、走るような足音は消えていく。部屋の周りに集まった気配も、消えた。
    踏み込まれなかったことに胸をなでおろしていると、カガリがものすごい顔をして突進してくる。おそらく、アスランの手の中の、ものを奪いに。
    それを見透かしていたアスランは、手をひょいと上げ、届かないようにしてみせた。カガリの必死な手は、空しく空を切るのみ。

    ぴょんぴょんと飛び跳ね、カガリがアスランの持つものを躍起になって奪おうとするが、アスランが手を高くしてしまうと、もう届かない。
    「そんなもの、掲げるな! ばか!」
    カガリが満面を朱に染めて、叫ぶ。彼女が跳ねるたびに、ドライヤーのかけたての髪が揺れる。ぴょこぴょこ跳ね回る彼女は可愛らしいが、そこにときめいている余裕はない。
    「君が奪おうとするから」
    「私のなんだから、取り戻そうとするのは当然だろ!」
    カガリは、飛び跳ねつつ叫んだ。バイブレーターが自分のだという主張を。

    「…………そうか、やっぱりこれは、君のなんだな」
    自分でも驚くほどの硬い声だった。あっ、とカガリがはっとした顔をつくる。
    アスランのなかで、怒りと、悲しみと、驚愕と、あとアスラン自身にも形容しがたい、どろりとした感情が身のうちで噴出する。
    掲げていた手を下ろして、手中のバイブレータを一瞥する。気付けば手に力が入っていた。バイブレータからメキッと音が聞こええる。
    「……説明、してくれないか。何から何まで」
    ふるえた低く声が出る。
    カガリの表情が固まるのを見て、いま自分はひどく恐ろしい顔をしているのだろう、と思った。泥のような感情がまとわるのを感じながら。


    まず、とカガリが前置きした。気の進まない様子ながら、彼女は話すことを認めてくれた。
    「……これは、メイドにもらったんだ。もう辞めた、年の近い。ほら、覚えていないか? 黒髪で、髪が長くて、小柄な」
    カガリがメイドの風貌を身振りをまじえて説明する。アスランにもそのメイドは心当たりがあたた。
    「…いたな。あの人がこれを?」
    「やめるときに、私にって。寂しいでしょうからって……。ちょうど、お前がターミナルにいたころだったから」
    「あぁ、」
    アスランは理解する。ちょうど、あまり彼女と会えない時期だったから、気を回してくれたのだと。実際はそのころ、そんな接触、ふたりのあいだにはなかったけれど。

    「もらったものだし、こんなの誰かに捨てても頼めないから、ずっとしまい込んでたんだ」
    わかったか?私が買ったものじゃない!とカガリはさも投げやり、と言わんばかりに声を放った。
    ……理屈はわかった。でも、どうして。
    「じゃあ、どうして君の枕のうしろに? しまい込んでたんだろ?」
    疑問に思って尋ねると、彼女があからさまに、ぎくりとした顔をつくった。
    「あー、それは……だな」
    「まさか、いれてみたのか? その、身体のなかに」
    もごもごと口ごもる彼女に、アスランは尋ねた。一番知りたくて、重要なことを。彼女のなかに何かはいったか。
    「いれてない!」
    カガリはすぐさま、ぴしゃりと返した。眉を吊り上げながら。

    それから、あぁ、とか、うー、とか唸って、ぽつりと言った。気まずげなさまで。
    「確認しようと、思って」
    「何をだ? 挿入できるかか?」
    「挿入から離れろ!」
    あくまで挿入の有無に執着するアスランに怒鳴る。「じゃあなんなんだ?」いい加減苛々してきたアスランは、鼻を鳴らして問い詰めるように聞いた。

    彼女の顔全体が一気に赤らむ。くそ、とカガリはつぶやいて、ようやく話しだしてくれた。
    「これ、平均的な男性のサイズって聞いて、これだとどこまで入るかなって……だからこれを……」
    彼女が指さす。未だアスランが持ったままのバイブレータを。

    彼女の手が動く。彼女のしなやかで華奢な手が、バイブレータを模したように筒のかたちをつくる。
    そして、彼女はあてた。自分の下腹部へ、筒のかたちをつくった手を。
    「こうして……」

    ひどくエロチックな絵面だった。おそらくカガリは無意識であろうが、性具――それも、男性器を模したもの――を手であらわして、それを下腹部、すなわち膣のあるところにあてるなんて。
    生唾をごくりと呑みこんだ。いや、呑み込みかけた。飲み込むのを失敗し、器官に唾液が入る。アスランは盛大に咳き込んだ。
    彼女は「大丈夫か」と、あわて、アスランの背中をさすった。
    「いや、ちょっと、絵面が」
    「絵面?」
    首を傾げる彼女に、なんでもない、とアスランはごまかしていった。

    「それで、昨晩あてて試してたら緊急通信が来て、枕の下にいれてそのまま……」
    彼女がことの顛末を説明してくれる。
    アスランが見つけたのは、枕に隠したゆえのものだったらしい。彼女のなかにはまだ、入っていない。
    情けないと思いつつも、こっそり安堵した。

    「で、どう思ったんだ?」
    アスランは気をとりなして彼女に問う。いわゆる平均的なサイズをあててみて、どう思ったのか。そう、平均的なものを。
    「……、意外と奥まで来そうだな、と」

    アスランは、内心で嘆息した。
    「……これで、奥まで来る、と感じたのか?君の感覚では」
    「うん」
    彼女は、無邪気に頷く。

    「……俺の、みたことあるよな」
    「………………あ」
    わかっていない彼女に指摘すると、カガリの笑顔が固まった。

    どのあたりまでバイブレーターだと来たのか尋ねると、ここまで、と下腹部のなかほどを示される。
    アスランは、彼女の下腹部に触れた。示された場所より、いくらか上のところに。てのひらをわざと、ぐりっと押しこむようにする。
    「俺は、ここまではくる」
    「そ、そんなに……?」
    彼女は、目を白黒させた。照れるでもなく、いかにも困惑した様子で。

    なんのために俺が準備をしているのかわかっていなかったのか、とアスランはなんだかがっくり来てしまった。さまざまなものに耐えて、必死で彼女を拓いているというのに。
    「そんなに、だ」
    「どうしよう」
    彼女の、きりりとした眉が怯えたように歪む。自分はどういうやりとりをしているんだろう、と我にかえりながら、アスランはこたえた。
    「準備、するしかないだろ。いままでみたいに」
    そう、結局カガリの身体が整うしかないのである。すべてはアスランの頑張りにかかっている。
    そうだな、がんばる、とカガリ決意めいた顔をした。何を、と聞く元気はでなかった。

    アラームが鳴る。そろそろ出発の時間だ。一度官舎に戻って仮眠をとったああと、そこから再度出立に向けて
    今回ばかりは代表の警護という重い任だ。仮眠は確実に取る必要がある。

    しかし、ものがなしい。このやりとりをした後で、ひとり官舎に返って、冷たいベッドで寝ないといけないのだ。
    この流れはふたたび触れ合って、熱をまとわせたまま寝る。そういう流れではないのか。
    「どうして俺は帰らないといけないんだ」
    湿っぽい声が漏れる。絶対結婚しよう、カガリと。彼女と同じ家に住んで、愛し合ってる途中で帰宅を迫られるなんて事態を回避したい。
    再び、彼女の隣を死守する決意が浮かぶ。

    「結婚しような、絶対。カガリ」
    真剣に彼女に伝えると、はあ?するだろ?近々に、と呆れたような声が返ってきた。
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    🍆🍆☺☺☺🍆☺💴☺🍆☺🍆🍆🍆🍆🍆🍆
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    sakuraba_ac

    DOODLE※ドラマCD「二人の逃避行」の試聴版 約2分+映画特典 小説「二人の逃避行」から発生した妄想です
    ※上記ふたつがミックスされた内容になっております
    ※ドラマCD版では現時点で不明ではありますが、アスランがミニスカガリに「かわいい」と伝えなかったという幻覚に基づいています。
    乙女のタイミング敬愛する上司からの相談は、とても可愛らしいものだった。

    「えっ、私とショッピングに?」
    思いもよらぬ頼みに、ミリアリアは驚いて声をあげた。身体が軽く揺れて、手元で琥珀色の紅茶がゆったりと波を立てる。
    カガリに呼ばれたとき、話がある、と彼女は神妙な顔で切り出した。だから、もう少し重い話かと身構えていた。たとえば、彼女の想い人であるアスラン・ザラと何かこじれたとか、仕事のことで悩みがあるとか。しかし、蓋を開けてみれば、ショッピングのお誘いだ。拍子抜けするのも無理ないだろう。

    目の前のカガリは、「ああ」と、頷いた。彼女はミリアリアの座するソファの隣に腰かけているから、顔がすぐそばに見える。その表情は妙に真剣だ。少し太めの眉がぐっと上がり、どこか緊張しているのか、膝上に置かれた手はこぶしが握られ、頬が薄く紅潮している。
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