キミは僕の彼女(遊戯王ARC-V ユリ女夢主)―ある日の放課後。
ユメはテスト勉強のため図書室に来ていた。
(えーっと……アカデミアの歴史……アカデミアの歴史……)
「あっ! あった」
探していた本を見つけ、手を伸ばしたその時―
「みーつけたっ♡」
「わっ!?」
背後から抱きつかれ、驚いたユメは掴んだ本を床に落としてしまった。
「……アカデミアの歴史? あぁ、今週末にある編入生だけのテスト内容か。こんな本読まなくても僕が教えてあげるよ?」
ユメに抱きついている男子学生が彼女の耳元で囁く。
「あ、あの! ゆ、ユーリくん……!」
「んー? なぁに?」
ユーリと呼ばれた学生はぎゅっとユメを強く抱きながら答えた。
「な、何で、だ、抱きついてるの?」
「何で? だってユメはあったかいだもん。こうすてるとすごく落ち着くつんだ」
「だ、ダメだよ!」
ユメはユーリから離れようとしたが、彼に羽交い締めされる格好になってしまった。
「図書室は静かにしなきゃダメだよ?」
にこっとユーリが笑う。
「―っ!」
「―ところでさ。今日の昼休み、僕と会う前に誰かと話してたよね?」
「えっ? えーっと……あっ。××くん?」
「そうそう、××。ユメと楽しく話してたけどさ、何の話してたの?」
「何のって……サークルの手伝いをしてくれたお礼をしただけだよ?」
「嘘つくなよ」
「!?」
ユーリの低い声がユメの耳元に響いた。
「明日二人でカードショップ行こうって誘われたんだろ?」
「! えっ、えっと、そ、それは……っ」
「ユメは僕の彼女なんだよ? ちゃーんと言わないと目障りな蝿が来ちゃうんだから」
クスクスと笑いながらユーリは言った。
「でも仕方ないか。ユメは誰にでも優しいから断れなかったんだよね。でも大丈夫。××はもういないし」
「い、いない? いないって……?」
「あぁ、さっきカードにした。××のデュエル、弱すぎて暇つぶしにもならなかった」
ユーリはポケットから一枚のカードをユメに見せた。
イラスト面に恐怖で顔が引き攣った××が写っていた。
「ひっ……!?」
「目障りな蝿は消えたし、僕と一緒に勉強しようね。まずはそうだなぁ、ユメは僕の彼女って意識が低いからそこの見直しからだ」
にこにこと笑みを浮かべながらユーリはユメのスカート内へ手を伸ばした(End)