彼と彼女(遊戯王ARC-V ユーリ→女夢主)桜が散り始めたある日。
誰もいない校舎裏に少年と少女が立っていた。
「わ、わたし、ユーリくんが好きです!」
少女の発した声とともに木々が揺れ、桜の花びらが散っていった。
「へぇ、僕のこと好きなんだ。ありがとう」
告白された少年・ユーリは笑みを浮かべながら答えた。
「えっ? えっと……?」
ユーリの返答に少女は困惑した。
「なーんてね。僕、キミに興味ないし。そもそも僕と話したことあるっけ?
ないよね? じゃあ、ついでに他の子達にも言っといてよ。僕の時間を取らせるなってさ」
「…………」
「なに、その顔。僕だって嫌だったよ。でもユメの頼みだから仕方なくキミの話を聞いてあげたんだ」
「ユメ? なんでユメが出てくるの?」
怒りを含みながら少女は尋ねた。
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