だって、仕方ないじゃないか。
邪魔だったんだから。
それで嫌われる事は分かってた、だけど。
もうどうしたら良いか分からなかった。
昔から、その場所は僕のものだった。
そういえば。
君が僕の為に立ち止まってくれた事は…
一度として無かったな。
彼奴の為なら何度でも足を止めたのに。
昔からそういう性格だったから何も感じなかった。
彼奴さえいなければ。
そんな顔で笑わないで、
そんな心配そうな顔をしないで。
下らないことで一喜一憂しないでよ。
僕にはそんな顔見せてくれたことないだろ。
分かってる、ただ隣に居ただけだったって。
いること自体不快だと思ってる事だって。
それでも、どうにかして隣に立っていたかった。
君の自分勝手な行動に着いていけるように。
ほら、だって、僕はちゃんと着いていけてるだろ。
何でそんな奴に気を使う必要があるんだ。
お願い、やめて。
壊さないで、持っていかないで。
受け入れないで。
お前が受け入れたら僕の場所じゃなくなるだろ。
嫌だ、ねぇ、やめて。
やめてよ。
どうにかして引き剥がしたかったけど。
これ以上嫌われるのは耐えられない。
君を不愉快にしたくないけど、
僕が近くにいるともう駄目みたいで。
距離を置いて気がおかしくなりそうな僕に。
彼奴はわざわざ近付いてくる。
そんな事をするから、君が妬いて。
僕はもっと君に嫌われるんだ。
どうしたら良いの、もう嫌だよ。
何処にも行かないで、置いていかないで。
君がいないと駄目なのに。
だから、だから、止められなかった。
行き場の無い怒りを全部彼奴にぶつけてやった。
こんな事したらもう二度と傍にいられない。
でも止められなかった。
彼奴は何一つ抵抗せずに受け入れた。
動かなくなるまで抵抗一つしなかった。
結局それを君に見られちゃって。
馬鹿みたいな話はもうこれで終わりだ。
君の冷たい怒りを含んだ目は忘れられない。
胸の奥深くまで刺さって抜けない。
空っぽになって見下ろした君は。
酷く小さく見える背中を僕に向けて
彼奴を抱き抱えてた。
何やっても敵わないしどうしようもないと理解した。
最初から嫌われっぱなしで疎まれていた事だって。
見ないフリをしていたけど、見るしかなかった。
もう壊れちゃった。