狭い部屋で、相方と2人でバラエティを観る。
「こういう催眠ってほんとにかかってんのかなあ」
「あ、私催眠術使えるよ」
「えっマジ?俺にかけてよ」
わくわく、と顔に書いてあるかのような表情で相方こと髙羽が私を見る。
「私に何されるかもわかんないのに?」
「えーでも羂索は俺に酷いことはしない!…と思う」
「そこは断定しなよ」
「いやだって、一回殺されかけてるし」
なんて会話の最中にぱちんと手を打つ。
「今から君は『次に私が手を叩くまで意識はあるけど抵抗できなくなる』」
ぼんやりと瞬きをする髙羽。
『冷蔵庫からファンタとアイスとってきて』
「…!」
髙羽秘蔵のアイスくらいバレてるに決まってるでしょ。抵抗しようと数秒耐えるも結局立ち上がって冷蔵庫に向かう。
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