寂しがりけーちゃんが帰ってこなくて早3日。いつもならうざったいくらい聞こえてくる声も温度もしばらく無いと少しは寂しいもので。
「ただいま〜」
誰もいない部屋に明かりをつける。けーちゃんはやっぱり帰ってきていない。
(同棲する前はこんなことなかったのにな…)
荷物を置きだらだらと着替えて一人でご飯を食べる。
スマホを開き「明日も帰れそうにないかも💦ごめんねこのみ😭」と一言届いたメッセージを眺めてため息をつく。
けーちゃんが忙しいのはわかっているしこんなふうに帰ってこない日が何日かあるのもわかっている。家に帰ってきてもへとへとだし、寝ていることのが多い。改めて考えるとよく私に構う体力あるな…と思う。
シャワーを浴びてぼーっとテレビを見ながら髪を乾かす。どのチャンネルをつけても惹かれるものはなく、適当にポチポチとチャンネルを変えてみるが結局テレビを消す。
特にすることも思いつかずふらふらと寝室に向かう。
寝室は一緒にしましょ!とけーちゃんに推され買った二人で寝っ転がれる大きさのクイーンベッドに一人で腰を掛ける。
今日は仕事で疲れたからかいつもより寂しく感じてしまう。珍しい一人の時間だからなにかしようと思っていたのになんのやる気も気力も出ない。そのままベッドにぼふりと横になると、ふわりとけーちゃんの香りがした。
いや、洗剤もシャンプーも同じものを使っているはずなのにけーちゃんの匂いがする。けーちゃんがいない現実を思い知り少し心細くなる。
一人じゃ広すぎるベッドに大の字で寝っ転がる。けーちゃんに反対されるかもしれないけど抱きまくら買おうかな…大きなぬいぐるみでもいいなぁ…なんてぼんやり考える。そういうものに抱きついたら寂しさが紛れるかもしれない。けーちゃんはすごく嫉妬しそうだが。私に寂しい思いをさせてるんだからこれくらい許されたっていいだろう。
「…けーちゃん…」
ぽつりと呟くも何にもならない現実にため息をつき、そのまま眠ることにした。
次一緒に過ごせる日があったらもう少し甘やかしてあげよう、なんて想いながら。