既成事実は見せるもの夏彦には会う度にいちいち突っかかってくる後輩がいる。その男は一般的には高身長である自分よりも更に背がデカく、切れ長の目をしたイケメンで家も金持ちで顔を合わせる度に生意気な態度を取ってくる。オマケに大好きな幼なじみの🌹にまでちょっかいを掛けてくる。本当に腹の立つ奴だ。
ある日の放課後、夏彦が中庭を通ると「和泉くんが好きです!」と女生徒の声が聞こえてきた。反射的にその方向を見ると恥ずかしそうに俯く声の主と、困り顔でヘラヘラ笑う例の後輩、和泉の姿。和泉は校内でも目立つ存在で女生徒からの人気もあり、中庭には野次馬達が集まってきている。夏彦はとりあえず無視して帰る事にした。
「あ!水無瀬先輩!」
この厄介な後輩は目敏く夏彦を見付け、よく通る声で呼び止めた。おい、オレを巻き込むな。こんな時にだけ先輩呼びしやがって。
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