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    Kirisi_no_EX

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    Kirisi_no_EX

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    幼少期から今へ
    簡単なあらすじのようなものです

    モーネとソールの話幼い頃、まだ二人がライバルになる前のこと。家が近くて一緒に遊んでいたことが多かった頃の話。

    今では考えられない話だが、笑顔が多く活発だったモーネは、よく木陰で本を読んでるソールの手を取って走り回ったりしていた。
    ソールもにこやかな笑顔でモーネに応えていた。


    ある日モーネがいつもの場所に行くと数人の争う声がきこえた。近寄ってみると、隙間から金髪がちらりと見えた。ソールだ。
    モーネと大して変わらない背丈の男たちがソールを取り囲んでいた。

    ここから男たちに掴みかかられるソールをモーネが救います。
    モーネは剣術や体術を教えられていたため、力には自信がありました。
    何かあったら自分が家族や友達を助けるんだ、とも思っていたため、今回のことは大きな自信に繋がりました。
    モーネの強さを知ったソールは、モーネに剣術を教わりたいと言いました。
    モーネは喜び、快く引き受けます。
    最初は下手くそでしたが、ソールは筋がいいのかめきめきと上達していきます。モーネも共に上達し、二人は喜んでいました。
    しかし、自分の強さを自信にしていたモーネは、少し嫌な予感がしていました。ソールが自分より強くなってしまうのではないか、と。
    強くなってしまったら、何があるというのか、嫌なことなんて何も無いはずなのに、ソールが自分より強くなることを許せなかったのです。
    嫌な予感は当たりました。一対一の勝負でモーネは負けることが多くなってきました。
    しかし、モーネは折れることなくソールに食らいつきます。
    ソールも負けることなく、モーネが強くなる度にソールも力をつけました。
    俺の方が強いのに、強かったのに、とモーネは悔しい思いを募らせます。
    その時には自分の力で誰かを守るということを忘れかけていて、強さだけを求めるようになっていきました。
    負け続けるようになってから一ヶ月もたたず、国の様子がおかしくなり、家庭の事情で二人は離れ離れになります。
    モーネは心に蟠りを残したままこの地を離れました。

    そして数年後、二人はネウォベル学園にて再会するのだった。

    再会した時の二人は、あの頃とはかなり雰囲気が変わっていました。
    笑顔が多く柔らかなボブカットをしていたモーネは、銀髪を腰まで伸ばし、目つきは鋭く、眉間に皺を寄せています。
    一方常に穏やかな笑みを浮かべ、育ちの良さが感じられたソールは、肩まで伸びた落ち着いた金髪に、何を考えているか分からない目をして、貼り付けたような笑顔を常に浮かべていました。
    特に再会を喜ぶような会話はせず、久しぶりだな、とただそれだけでした。

    相変わらず腕の立つソールは、めきめきと成長し、学園の一番とも呼べる力をつけました。頭も切れるため、戦場に立ちながら戦況を把握し、トップの隣に立って人々を動かします。
    モーネは戦闘の力はかなりのため、先陣を切って敵を蹴散らしていきます。

    同じ学年ではあるものの、積極的に関わる気のない二人のことを深く知る人はいませんでした。
    再会から一年と少し経った頃のことです、普段怪我など負わないソールが珍しく深めの傷を負います。
    命に関わる傷ではないものの、珍しさに学園は動揺します。
    もちろんモーネの耳にも入ってきました。
    感情を抑えてたモーネは、珍しく少し取り乱しました。表情に出すことなくソールの状態を確認し、命に関わる傷ではないことにホッと胸を撫で下ろしました。
    強さだけを追い求めて冷徹になってしまったかと思われましたが、モーネの奥底には優しさがしっかりと存在していました。
    しかし、数年張った意地を今更戻す訳にもいかず、膠着状態のままでいます。

    ソールの傷も全快し、新たな戦いで珍しくソールは前線に立つことになりました。
    少し勝手に気まずくなっているモーネですが、病み上がりの腕試しだ、ということで納得しました。
    そこで二人は珍しく会話をします
    「もう調子はいいのか」とモーネが聞くと「ああ、良いぐらいだよ」と返ってきました。
    「そうか」と短く冷静に返しますが、モーネの心は少し浮ついていました。
    ソールより強くなるまで、元のように会話はしない、と強く心に決めていたのですが、ソールが回復した安心感からか、口元が少し緩んでいました。
    いつもより心做しか穏やかな表情をするモーネを、ソールは少し意味ありげに見つめるのでした。
    未だ膠着状態が続きますが、ほんの少し、僅かな絆を感じ取ることができました。
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