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    高間晴

    @hal483

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    高間晴

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    ぼんど800字。チェズモク。ED後、入院中の食事風景。

    ##BOND

    ■いたれりつくせり


     BONDの四人は揃って入院生活を余儀なくされた。四人とも大怪我を負っていたが、中でも重傷だったのはモクマだ。今でも彼は鎮痛剤を打たれて、ほとんどずっと眠っている状態である。
     ルークとアーロンは持ち前の若さと体力で早々に病床から離れ、日中は中庭で二人過ごしていることが多いようだ。
     そろそろ昼食の時間だ。チェズレイはベッドから身を起こす。カーテンがふわりと揺れて、暖かな光が射し込む。
     鎮痛剤が切れ始めたのか、隣のベッドでモクマが身じろぎする。
    「目が覚めましたか、モクマさん」
    「ん……腹減ったなって思って」
     それを聞いたチェズレイは嬉しくてくすくす笑う。空腹を覚えるのは生きている証だからだ。
     ルークとアーロンも戻ってきて、看護師が四人のベッドに食事を運ぶ。
    「チッ。こんな精進料理みたいなんじゃ治るもんも治らねえっつうの。肉食わせろってんだ」
    「さすがに我慢してくれよ、アーロン。スイさんが差し入れしてくれた果物、僕の分も食べていいから」
     梅干しの入った薄味の粥をすすりながら、二人はやいやい言っている。その様子をよそにチェズレイは玉子焼きを箸で食べていた。そこに飛び込む、カランと乾いた音。隣を見やれば、モクマが箸を取り落したのだとわかった。
    「――どうかしました?」
    「あ、いや~……右腕に点滴の針が刺さってるからかな。うまく箸が使えなくて」
     たはは、と力なく笑う彼に、チェズレイは箸を置くとベッドから降りる。そうしてモクマの粥用のレンゲを手にとった。
    「え、チェズレイ?」
    「口を開けてください」
     レンゲで粥をすくうとモクマの口元へと持っていく。そこでようやく観念したのか、モクマが口を開いた。そこへレンゲを差し込んで、一口分の粥を流し込む。
    「次は何が食べたいですか? ほうれん草のおひたし? 焼き鮭? それとも玉子焼き?」
     ごくん、と粥を飲み込んでからモクマは目を白黒させる。
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    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。年下の彼氏のわがままに付き合ったら反撃された。■月と太陽


    「あなたと、駆け落ちしたい」
     ――なんて突然夜中に年下の恋人が言うので、モクマは黙って笑うと車のキーを手にする。そうして携帯も持たずに二人でセーフハウスを出た。
     助手席にチェズレイを乗せ、運転席へ乗り込むとハンドルを握る。軽快なエンジン音で車は発進し、そのまま郊外の方へ向かっていく。
     なんであんなこと、言い出したんだか。モクマには思い当たる節があった。最近、チェズレイの率いる組織はだいぶ規模を広げてきた。その分、それをまとめる彼の負担も大きくなってきたのだ。
     ちらりと助手席を窺う。彼はぼうっとした様子で、車窓から街灯もまばらな外の風景を眺めていた。
     ま、たまには息抜きも必要だな。
     そんなことを考えながらモクマは無言で運転する。この時間帯ともなれば道には他の車などなく、二人の乗る車はただアスファルトを滑るように走っていく。
    「――着いたよ」
     路側帯に車を停めて声をかけると、チェズレイはやっとモクマの方を見た。エンジンを切ってライトも消してしまうと、そのまま二人、夜のしじまに呑み込まれてしまいそうな気さえする。
     チェズレイが窓から外を見る。黒く広い大海原。時 818