オメガバ雑高雑も何とか子の顔を見ようと短い時間でも山家に帰るけど寝ていることが多いので、たまの休みに雑が抱くと大泣きして、山にあやされると泣き止んで笑う息子の様子に悔し泣きする雑はいる。
しばらくして雑家に戻ると、雑家には高母と弟がよく顔を出して世話するようになる。
無理やりを装い連れてこられた高父もたまに来るようになり、孫に甘い父に弟と顔を見合わせる高。
仕事の時は山家か高家に息子を預けて忍軍復帰する高。
雑も高も、タソガレ忍軍天地が棺が信条だけれど、家に帰る決意を持つ。
怪我を負うことはあれど、無事生きて定年を迎えることになった雑
この間息子は忍軍に入り、狼か月輪かどちらに所属するか一騒動あったが、現在は家を出て忍長屋で暮らしている。
雑の定年に伴い高も連れていくと言う雑
高は異例の隊異動を行い雑の側近として勤めてきたので狼隊の役職に就くことは無い。
それに待ったをかけたのが現狼達小頭の尊と息子
そもそも小頭も高がやればいいと思っているのにまさかの早期引退だなんて
待ってください!高さんにはまだまだ私のサポートをしてもらいたいんですと言う尊と
父さんともっと一緒に任務に出たいと言う息子
尊には甘えるなとにべもないが、息子に引き止められるのは嬉しい高
雑との交渉の末、これまでのフルタイム勤務から、週3,4のパート勤務内勤多めになる。
雑との少し長めの旅に出たり、翌日のことをあまり気にしなくてよくなったので奔放に過ごしていると、高の体調不良が続くようになる。
身に覚えがある不調にもしやと思い医者にかかると第2子の妊娠がわかった。これまでも避妊はしていたものの何度も発情期を過ごしてきても、1人目以降妊娠することは無かったのでもうできないと思い込んでいたので驚く。
医者から戻った高が何やら言いにくそうにしているので、もしや何か悪い病気だったのかと心配そうに聞く雑
高ははにかみながら、ややができていましたと雑に伝える
えっっっ!雑は包帯をビロビロにしながら
陣ザまだ38だものね、としみじみ自分の年下の伴侶を眺めた。25年一緒にいるけど高まだ38歳
雑50高38長男18
長男や周りに告げると、祝福とともに温い目で見られる
雑は長男の時と違って時間のゆとりがあるから、何から何まで高世話をしたがる。立場上尽くされるのに慣れてるけど雑本来は尽くしたいタイプ。
無事次男が産まれ
長男は顔雑似で性格は高似だったけど、次男は顔高似で性格はおっとり
嫁にはやらない!と言う雑に、男の子ですよと自分をさておいて言う高がいる
忍軍の長という立場であらゆる恨みを買い、重度の火傷を負い後遺症も残る中まさかこんな最期を迎えられるとはね、と年を重ね身体が動きにくくなり布団の上で高に膝枕をされながら雑は言う
次男も元服を迎え立派に忍びとして働き、長男は結婚し孫も産まれた
現役の明日をも知れぬ身だった頃の自分が知ったら、何を夢見てるんだと思って終わりだろう現実に目を細める。
こんな幸せに浸ることができるなんてね、陣ザはどうだった?お前は13の頃から私だけだろう後悔はしていないかい?
何をおっしゃいますか。陣ザは昆奈門様唯一人と添い遂げられて、この世で一番の幸せ者です
私はそう遠くないうちにいくだろうけど、お前はまだまだ生きて、私に子どもと孫達の様子を教えてくれないといけないよ
そうですね、沢山お土産話を持っていきますので、川のほとりで待っていてください
優しく髪をすきながら、穏やかに終わりの話もできるようになった信頼で結ばれた夫婦
忍びとして戦地で雑が死ぬようなことがあれば高は後を追ったし
先に高が死ねば、雑はすぐ後を追いはしないが早めに引退して、後を追わなくても抜け殻のようになってしまう
相手を亡くした番は長くは生きられないようになっている
そのような事態を迎えることなく、ただただ番の温もりを感じながら雑は静かに目を閉じた。
end