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    首…という気持ちが違う方向に向かった

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    kikhimeqmoq

    DONE2020年バレンタインの修正再放送です。
    恵たちが高専1年生で、五条先生にチョコをあげる話なので、未来捏造どころかパラレルになってしまいましたが、こういう日があったらよかったのになあという気持ち。っていうのは半分建前で伏五にチョコ食いながらキスして欲しかっただけです。すみません。
    「伏黒、家入さんが呼んでるって」

    その日の授業が終わり、中庭に向かう時だった。二年生が体術の稽古をつけてくれる約束だったので。
    職員棟から走ってきた虎杖は、扉の隙間からそれだけを告げ、風のように駆け抜けていった。ドタバタという足音と意味のない咆哮が遠ざかっていく。相変わらずうるせえな。

    家入さんだったら保健室か。
    保健室というよりも実験室と言った方が正確であろう半地下の部屋は、入口から薄暗い。黄ばんだ引き戸を開けると、少しだけ消毒液のにおいがした。何だか緊張する。
    保健室に来る時は大抵怪我をしているか、ミスって呪われた時か、捕獲した呪霊を実験台にする時ぐらいで、何の用事もなく来る場所じゃない。最近の任務は単純なものばかりで暇なので、特殊事例の聴収もないはずだ。
    それなのに、家入さんが?俺を呼んでるって?







    「めぐみぃ、来た?」

    保健室の中から聞こえた声は、予想していたものではなかった。
    その声に咄嗟に口を尖らせる。
    家入さんじゃないということは別にいい。その声が、聞きなれた男の声だというのが面倒くさい。また碌でもないことを始めたか。
    間延びした声で俺を呼ぶ人は、背が高 3510

    nnn

    DOODLEとーじにやられた時の傷が残ってたら、な伏五ちゃん
    どんなに痕残したり傷つけたりしても結局反転で消えちゃうのに、ただ一つ痕残せたのがめぐの父親であるとーじってめちゃめちゃエモくないですか
    額に落ちる前髪を鬱陶しげにかき上げたときに見えたのは、陶器のように艶やかな肌に似つかわしくない瘢痕だった。
    彫刻か何かのように、一つの狂いすら許さないものと思っていた彼の身体に残る歪な傷跡は伏黒に鮮烈な印象を与えた。

    穏やかでない色を潜めた深緑の瞳に気付かない訳もなく、刺すような視線を一身に浴びる五条は仕方ないと言った様子で真っ白な髪を上にやり、視線の求める先を露わにする。

    自ら求めたはずなのに、いざまじまじと見せつけられてつい目を逸らしてしまう。
    向かい合って座る伏黒のそんな様子を気にすることもなく、血の気のない指先で額を撫でながら言葉を転がし始めた。
    「もっとザクザクって刺されて、ズバーッてぶった斬られたんだけど、他は綺麗さっぱり。ここだけ残っちゃったんだよねえ。ま、初めて反転使ったのがこの時だからいきなり100パー完璧になんて無理だったのかな」
    けらけらと笑いながら口にされる、捉えようのない抽象的な擬音と不穏な言葉の羅列に、伏黒は隠すこともなく顔を顰めた。

    「どしたの恵難しい顔して。もう痛くないしただのケロイドだよ?」
    「五条先生に傷つけるなんて、よっぽどの奴ですよね」
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