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    Lupinus

    @lupi_eggplant

    テキストを投げ込むスペース/主刀/ファンチェズ

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    Lupinus

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    ウィリアムズ親子ワンドロワンライ テーマ「コーヒー」 後半はPapagoによる韓国語訳です 후반부는 파파고의 한국어 번역입니다

    60 min in Williams 「コーヒー/커피」「ねえ、父さんはコーヒーって好き?」
     正直、どう考えても不自然な質問だと思う。
     今は二人揃った夕食のあとの団欒のひとときで、今のところ我が家には食後のコーヒーを楽しむ習慣はないから、本当になんの関係もない話をいきなり始めたことになる。
    「うーん。そこまで大好きってほどじゃないが、気分転換にオフィスで飲んだりはするよ」
     ソファで新聞を読んでいた父さんは、特に突っ込みもせずにそのまま答えてくれた。
     別にやましい理由があるわけじゃないし、どうしてこんなことを知りたいのかって聞き返されたらちゃんと説明できるけど、なんとなくそのまま答えてくれたことにほっとする。
    「砂糖やミルクは入れるほう? それともブラックが好み?」
    「特にこだわりはないから、そのときの気分によって何か入れたり入れなかったりだな。
     備品のコーヒーメーカーの横に砂糖が置いてあるんだが、運悪く切らしてるタイミングだった場合は自動的にブラックコーヒーになる……にしても、いきなりどうしたんだ?
     家族のコーヒーの好みを聞いてくるなんて宿題でもないだろ、学校で流行ってるのか?」
     さすが父さん、答えてくれてるうちにおかしいって気付いてしまった。答えられないような理由なんかないから、僕もそのまま答えるんだけど。
    「誰かの影響ってわけじゃなくて、自分でちょっと思ったことがあってさ。
     ほら、眠気覚ましっていったらやっぱりコーヒーだよね? どうせならおいしく飲みたいから、父さんのおすすめを聞いてみたいんだ」
    「眠気覚ましなあ。そうか、お前もそろそろ夜更かしできる年になるしな」
    「そうそう。勉強とか映画とか、遅くまで起きていたくなった時のためにね」
     苦くて飲めないってことはないけど、僕は飲み物も甘いのが好きだ。せっかくだから、コーヒーだって僕好みのフレーバーでおいしく飲みたい。眠気覚ましだからって、思いっきり濃いめに入れたのを目をつぶって薬みたいに一口だけすするなんて味気ないよな。
    「……あのな、ルーク」
     何やら考え込んでた父さんが顔を上げる。
    「コーヒーってのは、眠気覚ましに飲むもんじゃないんじゃないか」
    「えっ?」
     こういう突っ込みは予想してなかった。これが父さんの答えだとすると、僕の考え方が百八十度ひっくり返ってしまう。
    「あれはあくまでも嗜好品なんだから、目を覚ますために飲むなんてもったいない。
     飲みたくなった時に、好きなフレーバーで楽しめばいいんだよ。思いっきり甘くするのが好きな人もいるし、ブラックで香りを楽しみたい人もいるだろ?」
     僕に言い聞かせる父さんは、なんだか仕事中のおまわりさんみたいだ。
     実際に父さんはおまわりさんだけど、話してることは全然おまわりさんらしくないんだけど。どこか楽しそうな笑みを浮かべた父さんが片目をつぶると、僕もつられて小さな子どもみたいにうなずいてしまう。
    「だ、だよね!」
     これまで僕が飲んでたコーヒーはいつも子ども向けにミルクをたっぷり入れて、そこにクリームとかお砂糖を入れてアレンジしたのばっかりだ。
     眠気覚ましのためなんて思ったことは一度もなくて、ホットチョコレートや果物ジュースと同じ甘くて素敵な飲み物だった。大人に近付いたからって、眠気覚ましのためのコーヒーしか飲んじゃいけないなんて決まりはない。
     すっきりした気分になった僕の前で、父さんは少しだけ笑顔を引き締める。
    「だいたい、コーヒーがなきゃ目が覚めないようじゃ警察官は務まらないぞ。
     必要とされればいつでも目が覚める、すぐに事件現場に駆けつける、そうでなきゃヒーローなんて名乗れないよ」

    -------------------

    "있잖아, 아빠는 커피 좋아해"
     솔직히 아무리 생각해도 부자연스러운 질문인 것 같아.
     지금은 둘이 모인 저녁 식사 후의 단란한 시간으로, 아직까지는 우리 집에는 식후 커피를 즐기는 습관이 없기 때문에, 정말 아무 관계도 없는 이야기를 갑자기 시작한 것이 된다.
    "음. 그렇게까지 좋아하는 정도는 아니지만, 기분전환으로 사무실에서 마시곤 해요."
     소파에서 신문을 읽던 아버지는 특별히 따지지도 않고 그대로 대답해 주었다.
     별로 싫은 이유가 있는 것도 아니고, 왜 이런 것을 알고 싶냐고 되물으면 제대로 설명할 수 있지만, 왠지 그냥 대답해 준 것에 안심이 된다.
    "설탕이나 우유는 넣는 편 아니면 블랙이 취향"
    "특별한 고집은 없으니까, 그 때의 기분에 따라서 뭔가 넣었다 뺐다 하지 않아.
     비품의 커피메이커 옆에 설탕이 놓여져 있는데, 운 나쁘게 끊는 타이밍이었을 경우는 자동적으로 블랙커피가 된다…… 그래도, 갑자기 왜 그래
     가족의 커피 취향을 묻는 게 무슨 숙제냐, 학교에서 유행이냐"
     역시 아버지, 대답해 주고 있는 사이에 이상하다는 것을 깨달아 버렸다. 대답을 못 할 이유가 없으니까 나도 그냥 대답하는 건데.
    "누군가의 영향이라고 하는 것이 아니라, 스스로 조금 생각한 것이 있어서.
     봐, 잠 깨기라고 하면 역시 커피지 이왕이면 맛있게 마시고 싶어서 아빠의 추천을 받아보고 싶어."
    "졸림을 깨우기 위해서. 그래, 너도 이제 밤을 새울 나이가 되었구나"
    "맞아. 공부라든지 영화라든지, 늦게까지 깨어 있고 싶을 때를 위해서 말이야."
     써서 못 마시는 건 아니지만 나는 음료수도 단 게 좋아. 모처럼이니까, 커피도 내 취향의 플레이버로 맛있게 마시고 싶다. 잠 깨기 위해서라고, 마음껏 진하게 넣은 것을 눈 감고 약처럼 한 입만 헹구다니 무미건조하지.
    "…저기, 루크."
     뭔가 골똘히 생각하던 아버지가 고개를 든다.
    "커피는 잠을 깨기 위해서 마시는 게 아니잖아"
    "어"
     이런 찌르기는 예상하지 못했어. 이것이 아버지의 대답이라고 하면, 나의 사고방식이 180도 뒤집혀 버린다.
    "저것은 어디까지나 기호품인데, 눈을 뜨기 위해 마시다니 아깝다.
     마시고 싶을 때 원하는 플레이버로 즐기면 돼. 마음껏 달게 만드는 것을 좋아하는 사람도 있고, 블랙으로 향을 즐기고 싶은 사람도 있겠지"
     나에게 들려주는 아버지는 왠지 일하는 경찰관 같다.
     실제로 아버지는 순경이지만, 이야기하는 것은 전혀 순경 같지 않은데. 어딘가 즐거운 웃음을 띤 아버지가 한쪽 눈을 감으면, 나도 덩달아 어린 아이처럼 고개를 끄덕이게 된다.
    "그렇지, 그렇지"
     지금까지 내가 마시던 커피는 항상 어린이용으로 우유를 듬뿍 넣고, 거기에 크림이나 설탕을 넣어 어레인지 한 것 뿐이다.
     졸음을 쫓기 위해서라고는 생각해 본 적이 한 번도 없고, 핫 초콜릿이나 과일 주스와 같은 달콤하고 멋진 음료였다. 어른에게 다가갔다고 해서 졸음을 쫓기 위한 커피밖에 마시면 안 된다는 것은 정해진 일이 없다.
     후련해진 내 앞에서 아버지는 조금만 미소를 짓는다.
    "대체로 커피가 없으면 잠에서 깨지 않는 것 같아서는 경찰관은 안 될 거야.
     필요하면 언제든지 잠에서 깬다, 바로 사건 현장으로 달려가겠다, 그렇지 않으면 영웅이라고는 자칭할 수 없어"
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    Lupinus

    DONE男審神者×五月雨江(主さみ)の12/24
    つきあってる設定の主さみ クリスマスに現世出張が入った話 なんということもない全年齢
    「冬の季語ですね」
    「あっ、知ってるんだね」
    「はい、歳時記に記載がありましたので。もっとも、実際にこの目で見たことはありませんが」
    「そうだよね、日本で広まったのは二十世紀になったころだし」
     さすがに刀剣男士にとってはなじみのない行事らしい。本丸でも特にその日を祝う習慣はないから、何をするかもよくは知らないだろう。
     これならば、あいにくの日取りを気にすることなくイレギュラーな仕事を頼めそうだ。
    「えぇとね、五月雨くん。実はその24日と25日なんだけど、ちょっと泊まりがけで政府に顔を出さないといけなくなってしまったんだ。近侍のあなたにも、いっしょに来てもらうことになるのだけど」
     なぜこんな日に本丸を離れる用事が入るのかとこんのすけに文句を言ってみたものの、12月も下旬となれば年越しも間近、月末と年末が重なって忙しくなるのはしょうがないと押し切られてしまった。
     この日程で出張が入って、しかも現地に同行してくれだなんて、人間の恋びとが相手なら申し訳なくてとても切り出せないところなのだが。
    「わかりました。お上の御用となると、宿もあちらで手配されているのでしょうね」
     現代のイベント 1136

    Norskskogkatta

    PAST主くり編/近侍のおしごと
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀
    主の部屋に茶色いうさぎが居座るようになった。
    「なんだこれは」
    「うさぎのぬいぐるみだって」
    「なんでここにある」
    「いや、大倶利伽羅のもあるっていうからつい買っちゃった」
    照れくさそうに頬をかく主はまたうさぎに視線を落とした。その視線が、表情が、それに向けられるのが腹立たしい。
    「やっぱ変かな」
    変とかそういう問題ではない。ここは審神者の部屋ではなく主の私室。俺以外はほとんど入ることのない部屋で、俺がいない時にもこいつは主のそばにいることになる。
    そして、俺の以内間に愛おしげな顔をただの綿がはいった動きもしない、しゃべれもしない相手に向けているのかと考えると腹の奥がごうごうと燃えさかる気分だった。
    奥歯からぎり、と音がなって気づけばうさぎをひっ掴んで投げようとしていた。
    「こら! ものは大事に扱いなさい」
    「あんたは俺を蔑ろにするのにか!」
    あんたがそれを言うのかとそのまま問い詰めたかった。けれどこれ以上なにか不興をかって遠ざけられるのは嫌で唇を噛む。
    ぽかんと間抜けな表情をする主にやり場のない衝動が綿を握りしめさせた。
    俺が必要以上な会話を好まないのは主も知っているし無理に話そうと 1308

    Norskskogkatta

    PAST主般/さにはにゃ(男審神者×大般若)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀

    主に可愛いと言わせたくてうさぎを買ってきたはんにゃさん
    「どうだいこれ、可愛らしいだろ?」
    主に見せたのは最近巷で話題になっている俺たち刀剣男士をモチーフにしたうさぎのぬいぐるみだ。といっても髪色と同じ毛皮に戦装束の一部を身につけているだけだが、これがなかなか審神者の間で人気らしい。
    「うさぎか?」
    「そうそう、俺のモチーフなんだぜ」
    うちの主は流行に疎い男だ。知らないものを見るときの癖で眉間にシワを寄せている。やめなって言ってるんだがどうにも治らないし、自分でも自覚してるらく指摘するとむっつりと不機嫌になる。そこがこの男の可愛いところでもあるがそれを口にすると似合わんと言ってさらにシワが深くなるからあまり言わないようにはしてる。厳しい顔も好きだがね。
    そんな主だから普段から睦言めいたものはなかなか頂けなくて少しばかりつまらない。そこでちょっとこのうさぎを使って可愛いとか言わせてみようと思ったわけさ。
    主に手渡すと胴を両手で持ちながらしげしげと眺めている。耳を触ったり目元の装飾をいじったり。予想よりだいぶ興味を示してるなぁと見ているときだった。
    「ああ、可愛いな」
    主が力を抜くように息を吐く。
    あ、これは思ったより面白くないかもしれない。そ 874

    Norskskogkatta

    PAST主村/さにむら(男審神者×千子村正)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀
    なんだかよくわからないけどうさぎのぬいぐるみが気に入らない無自覚むらまさ
    「顔こわいんだけど」
    「……huhuhu、さて、なんででしょうね?」
    近侍の村正がいつも通り隣に控えてるけどいつもより笑顔が怖い。
    手の中には村正と同じ髪色のうさぎのぬいぐるみがある。休憩中の今は最近販売されたそれを手慰みにいじっていたのだった。
    「尻尾ならワタシにもありマスよ」
    ふわふわの丸い尻尾をつついていると村正が身体を捻って自分の尻尾をちょいちょいと触る。普段からそうだけど思わせぶりな言動にため息が出る。
    「そういう無防備なことしないの」
    「可笑しなことを言いますね、妖刀のワタシに向かって」
    刀剣男士には縁遠い言葉に首を傾げつつも村正はいつもの妖しげな笑いのままだ。わかってないなぁとやり場のない思いをうさぎに構うことで消化していると隣が静かだ。
    ちらっと横目で見てみると赤い瞳がじっとうさぎのぬいぐるみを見つめている。その色が戦場にある時みたいに鋭い気がするのは気のせいだろうか。
    「なに、気になるの」
    「気になると言うよりは……胸のあたりがもやもやして落ち着きません」
    少しだけ意外だった。自分の感情だったり周りの評価だったりを客観的にみているから自分の感情がよくわかっていない村正 828

    Norskskogkatta

    PASTさにちょも

    審神者の疲労具合を察知して膝枕してくれるちょもさん
    飄々としてい人を食ったような言動をする。この本丸の審神者は言ってしまえば善人とは言えない性格だった。
    「小鳥、少しいいか」
    「なに」
     端末から目を離さず返事をする審神者に仕方が無いと肩をすくめ、山鳥毛は強硬手段に出ることにした。
    「うお!?」
     抱き寄せ、畳の上に投げ出した太股の上に審神者の頭をのせる。ポカリと口を開けて間抜け面をさらす様に珍しさを感じ、少しの優越感に浸る。
    「顔色が悪い。少し休んだ方がいいと思うぞ」
    「……今まで誰にも気づかれなかったんだが」
     そうだろうなと知らずうちにため息が出た。
     山鳥毛がこの本丸にやってくるまで近侍は持ち回りでこなし、新入りが来れば教育期間として一定期間近侍を務める。だからこそほとんどのものが端末の取り扱いなどに不自由はしていないのだが、そのかわりに審神者の体調の変化に気づけるものは少ない。
    「長く見ていれば小鳥の疲労具合なども見抜けるようにはなるさ」 
     サングラスを外しささやくと、観念したように長く息を吐き出した審神者がぐりぐりと後頭部を太股に押しつける。こそばゆい思いをしながらも動かずに観察すると、審神者の眉間に皺が寄っている。
    「や 1357

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり

    おじさま審神者と猫耳尻尾が生えた大倶利伽羅のいちゃいちゃ
    猫の日にかいたもの
    大倶利伽羅が猫になった。
    完璧な猫ではなく、耳と尾だけを後付けしたような姿である。朝一番にその姿を見た審神者は不覚にも可愛らしいと思ってしまったのだった。

    一日も終わり、ようやっと二人の時間となった審神者の寝室。
    むっすりと感情をあらわにしているのが珍しい。苛立たしげにシーツをたたきつける濃い毛色の尾がさらに彼の不機嫌さを示しているが、どうにも異常事態だというのに微笑ましく思ってしまう。

    「……おい、いつまで笑ってる」
    「わらってないですよ」

    じろりと刺すような視線が飛んできて、あわてて体の前で手を振ってみるがどうだか、と吐き捨てられてそっぽを向かれてしまった。これは本格的に臍を曲げられてしまう前に対処をしなければならないな、と審神者は眉を下げた。
    といっても、不具合を報告した政府からは、毎年この日によくあるバグだからと真面目に取り合ってはもらえなかった。回答としては次の日になれば自然と治っているというなんとも根拠のないもので、不安になった審神者は手当たり次第に連絡の付く仲間達に聞いてみた。しかし彼ら、彼女らからの返事も政府からの回答と似たり寄ったりで心配するほどではないと言われ 2216

    Norskskogkatta

    MOURNINGさにちょも
    ちょもさんが女体化したけど動じない主と前例があると知ってちょっと勘ぐるちょもさん
    滅茶苦茶短い
    「おお、美人じゃん」
    「呑気だな、君は……」

     ある日、目覚めたら女の形になっていた。

    「まぁ、初めてじゃないしな。これまでも何振りか女になってるし、毎回ちゃんと戻ってるし」
    「ほう」

     気にすんな、といつものように書類に視線を落とした主に、地面を震わせるような声が出た。身体が変化して、それが戻ったことを実際に確認したのだろうかと考えが巡ってしまったのだ。

    「変な勘ぐりすんなよ」
    「変とは?」
    「いくら男所帯だからって女になった奴に手出したりなんかしてねーよ。だから殺気出して睨んでくんな」

     そこまで言われてしまえば渋々でも引き下がるしかない。以前初期刀からも山鳥毛が来るまでどの刀とも懇ろな関係になってはいないと聞いている。
     それにしても、やけにあっさりしていて面白くない。主が言ったように、人の美醜には詳しくはないがそこそこな見目だと思ったのだ。

    「あぁでも今回は別な」
    「何が別なんだ」
    「今晩はお前に手を出すってこと。隅々まで可愛がらせてくれよ」

     折角だからなと頬杖をつきながらにやりとこちらを見る主に、できたばかりの腹の奥が疼いた。たった一言で舞い上がってしまったこ 530

    Norskskogkatta

    DONE主さみ(男審神者×五月雨江)
    顕現したばかりの五月雨を散歩に誘う話
    まだお互い意識する前
    きみの生まれた季節は


    午前中から睨みつけていた画面から顔をあげ伸びをすれば身体中からばきごきと音がした。
    秘宝の里を駆け抜けて新しい仲間を迎え入れたと思ったら間髪入れずに連隊戦で、しばらく暇を持て余していた極の刀たちが意気揚々と戦場に向かっている。その間指示を出したり事務処理をしたりと忙しさが降り積もり、気づけば缶詰になることも珍しくない。
    「とはいえ流石に動かなさすぎるな」
    重くなってきた身体をしゃっきりさせようと締め切っていた障子を開ければ一面の銀世界と雪をかぶった山茶花が静かに立っていた。
    そういえば景趣を変えたんだったなと身を包む寒さで思い出す。冷たい空気を肺に取り入れ吐き出せば白くなって消えていく。まさしく冬だなと気を抜いていたときだった。
    「どうかされましたか」
    「うわ、びっくりした五月雨か、こんなところで何してるんだ」
    新入りの五月雨江が板張りの廊下に座していた。
    「頭に護衛が付かないのもおかしいと思い、忍んでおりました」
    「本丸内だから滅多なことはそうそうないと思うが……まあ、ありがとうな」
    顕現したばかりの刀剣によくあるやる気の現れのような行動に仕方なく思いつつ、 1555