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    Lupinus

    @lupi_eggplant

    テキストを投げ込むスペース/主刀/ファンチェズ

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    Lupinus

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    ウィリアムズ親子ワンドロワンライ テーマ「幽霊」ルークが警察官になった頃の話 ルークも父さんも出ないモブ同士の会話 ※後半は韓国語訳です
    테마 「유령」루크가 경찰관이 되었을 무렵의 이야기 루크도 아버지도 나오지 않는 몹끼리의 회화 ※후반은 한국어 번역입니다

    ##バディミ

    60 min in Williams 「幽霊/유령」「ねえ、知ってる? 最近、ここに幽霊が出るって噂」
    「えっ? ここって、このリカルド国家警察本部のことか?」
     休憩室で話を振ると、同僚は何を言われたかわからないって顔で聞き返してきた。
    「そう、ここリカルド国家警察本部によ! なんでも、昔……ってほど前でもないけど、十年近く前に殉職した国家警察官らしくって」
    「え……まだ十年経ってないなんてつい最近じゃないか、俺たちがここに配属される直前くらいだぞ」
     ウォーターサーバーの前で、水の入ったカップを持って同僚は首を傾げている。
    「よれよれのトレンチコートにぼさぼさ頭に無精髭の中年男性で、特に恨めしげな雰囲気とか儚げな空気をまとってるわけじゃなくて、普通に私たちと同じようにその辺をぶらぶら歩いてるんだって。
     みんな当たり前のようにすれ違ってから、あんな人うちにいたかなと思って振り返ると、身を隠せる場所も曲がり角もないのにそこには誰もいない……」
    「い、いやいや。途中でどこかの部屋に入っただけだろ?」
     ちょっと説明を大げさにしたら、同僚は勢いよく割り込んで否定してきた。カップを持つ手が少し震えてる気がする。
    「部屋に入ったなら、ドアの開く音がするはずでしょ。まったくなんの物音も立てずにいなくなっちゃうんだってば」
    「それか、自販機か何かの陰に隠れたとかさ」
    「国家警察官が、国家警察本部の中で同僚から身を隠す必要ある?」
    「うっ……別にないよな、イタズラにしてもレベルが低すぎるよな」
     同僚はどうしても幽霊の存在を認めたくないらしい。私とは同期だからけっこう付き合いも長いけど、こんなに怖がりだったとは知らなかった。

    「実はもう、問題の幽霊の名前は特定できてるのよね。十年以上前からいる先輩たちに聞いたら、みんな口を揃えてあいつに違いないって人が」
    「まあ、殉職者なんてそんなにたくさん出ないもんな。特定できたってことは、いかにも幽霊になって戻ってきそうな人だったのか?」
     いい加減に諦めたのか、幽霊がいることを認める気になってくれたらしい。ここからが一番大きな情報なんだから、興味を持ってくれないと私もつまらない。
    「そうなのよ、あなたも聞いたら絶対納得するはず……幽霊の正体はね、今年入った新人のウィリアムズのお父さんなんだって」
    「ウィリアムズの親父さんって、えーと……あっ、ああ!」
     さすがの彼も、カップから水が跳ねるくらいに大きくうなずいた。
    「わかったでしょ? クリスマスに殉職したエドワード・ウィリアムズ警部補。
     新人のウィリアムズが自己紹介で言ってたじゃない、『父さんは僕にとって永遠のヒーロー、いつまでも背中を追い続けたい目標です』って」
    「なるほどなぁ、わかったぞ。つまりその親父さんは、自分の背中を追いかけて国家警察官になった息子を心配して出てきたのか」
    「そういうこと。だから息子を見守ってるだけで、特に私たちに悪さはしないと思うのよねー。ただしジェイスン警部は、ウィリアムズのお父さんのはずがないって言ってたけど」
    「そうなのか? あの人って、確かウィリアムズの親父さんと同僚だったんだよな」
    「そうそう。警部曰く『エドの幽霊なら息子の前に現れないはずがないし、もし父親の幽霊を見たならウィリアムズが今ごろ大騒ぎしているはずだ』ですって」
     私たちより前からウィリアムズのお父さんを見てた人からの意見は、悔しいけど無視するわけにはいかない。
    「あははは、そりゃそうか。ウィリアムズ本人は幽霊の話なんか全然してないし、きっと関係ない人の幽霊だな……じゃなくって、そもそも幽霊なんかいなかったんじゃないか?」
     ジェイスン警部に否定されて自信がついたのか、同僚はまた幽霊なんかいないって主張を再開する。
    「でも、息子を驚かせないために敢えて影から見守ってるって可能性もあるんじゃない?
     ただ、息子のウィリアムズ本人には内緒にしといた方がいいかもね。お父さんの幽霊に会えるなんて聞いたら、仕事を放り出して探しに行っちゃいそうだから」
    「ほんとほんと。俺だって、あいつにだけは見つかりたくはないからな」
    「え?」
     なんだか意味のよくわからないセリフを聞いたような気がして振り向いたら、談笑していたはずの同僚の姿がきれいさっぱり消えていた。半分くらい水の残ったカップだけが、テーブルの上に置かれている。
     ……そもそもあんな同僚、私たちの部署にいたっけ?

    "있잖아, 알아 요즘 여기 귀신 나온다는 소문"
    "뭐 여기가 이 리카르도 국가 경찰 본부 말인가"
     휴게실에서 말을 돌리자 동료는 무슨 말을 들었는지 모르겠다며 얼굴로 되물었다.
    "그래, 여기 리카르도 국가경찰본부에 말이야 뭐든지, 옛날……이라고 할 정도로 전도 아니지만, 십년 가까이 전에 순직한 국가경찰관답다고."
    "어...아직 10년이 채 되지 않았다니 최근이잖아, 우리가 여기에 배속되기 직전이야."
     워터서버 앞에서 물컵을 들고 동료는 고개를 갸우뚱하고 있다.
    "구겨진 트렌치코트에 덥수룩하게 수염이 없는 중년 남성으로, 특히 원망스러운 분위기나 덧없는 분위기를 입고 있는 것이 아니라, 보통 우리와 마찬가지로 그 근처를 어슬렁어슬렁 걷고 있대.
     모두들 당연한 것처럼 스쳐 지나간 다음, 그런 사람 집에 있었나 하고 돌아보니, 몸을 숨길 장소도 모퉁이도 없는데 거기에는 아무도 없다……"
    "이, 아니, 아니. 도중에 어디 방에 들어갔을 뿐이지"
     조금 설명을 과장했더니, 동료는 기세 좋게 끼어들어 부정해 왔다. 컵을 쥔 손이 조금 떨리는 것 같아.
    "방에 들어갔으면 문 열리는 소리가 날 거야. 전혀 아무 소리도 내지 않고 사라져 버린다니까"
    "아니면 자판기인가 뭔가의 그늘에 숨었다던가 말이야"
    "국가경찰관이 국가경찰본부 안에서 동료들로부터 몸을 숨길 필요가 있다?”
    "윽… 별로 없지, 장난치고는 너무 수준이 낮지."
     동료는 아무래도 유령의 존재를 인정하고 싶지 않은 것 같다. 나랑 동기라서 많이 사귄지도 오래됐지만 이렇게 겁이 많은 줄은 몰랐어.

    ”사실 이제 문제의 유령 이름은 특정돼 있지. 십여 년 전부터 있는 선배들에게 물었더니 모두 입을 모아 그놈이 틀림없다는 사람이"
    "뭐 순직자가 그렇게 많이 나오지는 않는구나. 특정할 수 있었다는 것은 정말 유령이 되어 돌아올 것 같은 사람이었던가"
     대충 포기했는지 귀신이 있다는 걸 인정할 마음이 생겼대. 여기서부터가 가장 큰 정보인데 관심을 가져주지 않으면 나도 재미없다.
    "그래, 너도 들으면 분명히 납득할 거야… 유령의 정체는 말이야, 올해 들어온 신인 윌리엄스의 아버지래."
    "윌리엄스의 아버지란, 음…아, 아아"
     과연 그도 컵에서 물이 튀어 오를 정도로 크게 고개를 끄덕였다.
    "알았지 크리스마스에 순직한 에드워드 윌리엄스 경위.
     신인 윌리엄스가 자기소개에서 말했잖아 아빠는 나에게 영원한 영웅, 언제까지나 등을 쫓고 싶은 목표예요"
    "그렇구나, 알았어. 그러니까 그 아버지는 자기 등 뒤를 쫓아가 국가경찰이 된 아들을 걱정하고 나왔단 말인가"
    "그런 거야. 그러니까 아들을 지켜보고 있을 뿐이지, 우리에게 특별히 나쁜 짓은 하지 않을 거라고 생각해. 다만 제이슨 경감은 윌리엄스의 아버지일 리가 없다고 하던데."
    "그래 그 사람은 분명 윌리엄스의 아버지와 동료였지"
    "맞아요, 맞아요. 경위가 말하길 에드의 유령이라면 아들 앞에 나타나지 않을 리 없고, 만약 아버지의 유령을 봤다면 윌리엄스가 지금쯤 난리를 치고 있을 거라고 하더군요"
     우리보다 전부터 윌리엄스의 아버지를 본 사람들의 의견은 억울하지만 무시할 수 없다.
    "아하하하, 그건 그래. 윌리엄스 본인은 유령 이야기 같은 것은 전혀 하지 않았고, 분명 관계없는 사람의 유령이구나…가 아니라, 애초에 유령 같은 것은 없지 않은가"
     제이슨 경감에게 부정당해 자신감이 생겼는지 동료는 또 귀신이 없다는 주장을 재개한다.
    "하지만 아들을 놀라게 하지 않기 위해 굳이 그림자에서 지켜보고 있을 가능성도 있지 않나
     다만, 아들 윌리엄스 본인에게는 비밀로 하는 것이 좋을지도. 아빠 귀신을 만날 수 있다는 말을 들으면 일을 내팽개치고 찾으러 갈 것 같아서"
    "정말 그래요. 나도 그 녀석한테만은 들키고 싶지 않으니까."
    "어"
     왠지 의미를 잘 모르는 대사를 들은 것 같아 돌아보니 담소를 나누던 동료의 모습이 말끔히 사라지고 있었다. 반쯤 물이 남은 컵만 테이블 위에 놓여 있다.
     애초에 그런 동료, 우리 부서에 있었나
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    Lupinus

    DONE男審神者×五月雨江(主さみ)の12/24
    つきあってる設定の主さみ クリスマスに現世出張が入った話 なんということもない全年齢
    「冬の季語ですね」
    「あっ、知ってるんだね」
    「はい、歳時記に記載がありましたので。もっとも、実際にこの目で見たことはありませんが」
    「そうだよね、日本で広まったのは二十世紀になったころだし」
     さすがに刀剣男士にとってはなじみのない行事らしい。本丸でも特にその日を祝う習慣はないから、何をするかもよくは知らないだろう。
     これならば、あいにくの日取りを気にすることなくイレギュラーな仕事を頼めそうだ。
    「えぇとね、五月雨くん。実はその24日と25日なんだけど、ちょっと泊まりがけで政府に顔を出さないといけなくなってしまったんだ。近侍のあなたにも、いっしょに来てもらうことになるのだけど」
     なぜこんな日に本丸を離れる用事が入るのかとこんのすけに文句を言ってみたものの、12月も下旬となれば年越しも間近、月末と年末が重なって忙しくなるのはしょうがないと押し切られてしまった。
     この日程で出張が入って、しかも現地に同行してくれだなんて、人間の恋びとが相手なら申し訳なくてとても切り出せないところなのだが。
    「わかりました。お上の御用となると、宿もあちらで手配されているのでしょうね」
     現代のイベント 1136

    Norskskogkatta

    PAST主麿(男審神者×清麿)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀

    今まで審神者の分は買ってなかったのに唐突に自分の時だけ買ってきて見せつけてくる主におこな清麿
    「ほらこれ、清麿のうさぎな」
    「買ったんだね」
    主に渡されたのは最近売り出されているという僕ら刀剣男士をモチーフにしたうさぎのぬいぐるみだ。面白がって新しい物が出るたびに本刃に買い与えているこの主はそろそろ博多藤四郎あたりからお小言を食らうと思う。
    今回は僕の番みたいで手渡された薄紫色の、光の当たり具合で白色に見える毛皮のうさぎに一度だけ視線を落としてから主の机の上にあるもうひとつの僕を模したうさぎを見やった。
    「そちらは? 水心子にかな」
    「ほんと水心子のこと好きな」
    机に頬杖を突きながらやれやれと言った感じで言う主に首をかしげる。時折本丸内で仲のよい男士同士に互いの物を送っていたからてっきりそうだと思ったのに。
    「でも残念、これは俺の」
    では何故、という疑問はこの一言ですぐに解消された。けれどもそれは僕の動きを一瞬で止めさせるものだった。
    いつも心がけている笑顔から頬を動かすことができない。ぴしりと固まった僕の反応にほほうと妙に感心する主にほんの少しだけ苛立ちが生まれた。
    「お前でもそんな顔すんのね」
    いいもん見たわーと言いながらうさぎを持ち上げ抱く主に今度こそ表情が抜け落ちるのが 506

    Norskskogkatta

    PAST主肥/さにひぜ(男審神者×肥前)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀

    おじさん審神者がうさぎのぬいぐるみに向かって好きっていってるのを目撃した肥前
    とうとう買ってしまった。刀剣男士をイメージして作られているといううさぎのぬいぐるみの、恋仲と同じ濃茶色に鮮やかな赤色が入った毛並みのものが手の中にある。
    「ううん、この年で買うにはいささか可愛すぎるが……」
    どうして手にしたかというと、恋仲になってからきちんと好意を伝えることが気恥ずかしくておろそかになっていやしないか不安になったのだ。親子ほども年が離れて見える彼に好きだというのがどうしてもためらわれてしまって、それではいけないとその練習のために買った。
    「いつまでもうだうだしてても仕方ない」
    意を決してうさぎに向かって好きだよという傍から見れば恥ずかしい練習をしていると、がたんと背後で音がした。振り返ると目を見開いた肥前くんがいた。
    「……邪魔したな」
    「ま、待っておくれ!」
    肥前くんに見られてしまった。くるっと回れ右して去って行こうとする赤いパーカーの腕をとっさに掴んで引き寄せようとした。けれども彼の脚はその場に根が張ったようにピクリとも動かない。
    「なんだよ。人斬りの刀には飽きたんだろ。その畜生とよろしくやってれば良い」
    「うっ……いや、でもこれはちがうんだよ」
    「何が違うってん 1061

    Norskskogkatta

    PAST主村/さにむら(男審神者×千子村正)
    主刀でうさぎのぬいぐるみに嫉妬する刀
    なんだかよくわからないけどうさぎのぬいぐるみが気に入らない無自覚むらまさ
    「顔こわいんだけど」
    「……huhuhu、さて、なんででしょうね?」
    近侍の村正がいつも通り隣に控えてるけどいつもより笑顔が怖い。
    手の中には村正と同じ髪色のうさぎのぬいぐるみがある。休憩中の今は最近販売されたそれを手慰みにいじっていたのだった。
    「尻尾ならワタシにもありマスよ」
    ふわふわの丸い尻尾をつついていると村正が身体を捻って自分の尻尾をちょいちょいと触る。普段からそうだけど思わせぶりな言動にため息が出る。
    「そういう無防備なことしないの」
    「可笑しなことを言いますね、妖刀のワタシに向かって」
    刀剣男士には縁遠い言葉に首を傾げつつも村正はいつもの妖しげな笑いのままだ。わかってないなぁとやり場のない思いをうさぎに構うことで消化していると隣が静かだ。
    ちらっと横目で見てみると赤い瞳がじっとうさぎのぬいぐるみを見つめている。その色が戦場にある時みたいに鋭い気がするのは気のせいだろうか。
    「なに、気になるの」
    「気になると言うよりは……胸のあたりがもやもやして落ち着きません」
    少しだけ意外だった。自分の感情だったり周りの評価だったりを客観的にみているから自分の感情がよくわかっていない村正 828

    Norskskogkatta

    PASTさにちょも

    審神者の疲労具合を察知して膝枕してくれるちょもさん
    飄々としてい人を食ったような言動をする。この本丸の審神者は言ってしまえば善人とは言えない性格だった。
    「小鳥、少しいいか」
    「なに」
     端末から目を離さず返事をする審神者に仕方が無いと肩をすくめ、山鳥毛は強硬手段に出ることにした。
    「うお!?」
     抱き寄せ、畳の上に投げ出した太股の上に審神者の頭をのせる。ポカリと口を開けて間抜け面をさらす様に珍しさを感じ、少しの優越感に浸る。
    「顔色が悪い。少し休んだ方がいいと思うぞ」
    「……今まで誰にも気づかれなかったんだが」
     そうだろうなと知らずうちにため息が出た。
     山鳥毛がこの本丸にやってくるまで近侍は持ち回りでこなし、新入りが来れば教育期間として一定期間近侍を務める。だからこそほとんどのものが端末の取り扱いなどに不自由はしていないのだが、そのかわりに審神者の体調の変化に気づけるものは少ない。
    「長く見ていれば小鳥の疲労具合なども見抜けるようにはなるさ」 
     サングラスを外しささやくと、観念したように長く息を吐き出した審神者がぐりぐりと後頭部を太股に押しつける。こそばゆい思いをしながらも動かずに観察すると、審神者の眉間に皺が寄っている。
    「や 1357

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    極になって柔らかくなった大倶利伽羅に宣戦布告する片想いしてる主
    ポーカーフェイスの君にキスをしよう


    「大倶利伽羅」

    ひとつ呼ぶ。それだけで君は振り向いて、こちらを見てくれる。
    それだけでどうしようもなく締め付けられる胸が煩わしくて、ずたずたに切り裂かれてしまえとも思う。

    「なんだ」

    いつもと変わらぬ表情で、そよ風のように耳馴染みの良い声がこたえる。初めて顔を合わせた時より幾分も優しい声音に勘違いをしそうになる。
    真っ直ぐ見つめる君に純真な心で対面できなくなったのはいつからだったっけ、と考えてはやめてを繰り返す。
    君はこちらのことをなんとも思っていないのだろう。一人で勝手に出て行こうとした時は愛想を尽かされたか、それとも気づかれたのかと膝から力が抜け落ちそうになったが、4日後に帰ってきた姿に安堵した。
    だから、審神者としては認めてくれているのだろう。
    年々距離が縮まっているんじゃないかと錯覚させるような台詞をくれる彼が、とうとう跪座までして挨拶をくれた。泣くかと思った。
    自分はそれに、頼りにしていると答えた。模範的な返しだろう。私情を挟まないように、審神者であることを心がけて生きてきた。

    だけど、やっぱり俺は人間で。
    生きている限り希望や 1288

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    軽装に騒ぐ主を黙らせる大倶利伽羅

    軽装に騒いだのは私です。
    「これで満足か」
     はあ、とくそでかいため息をつきながらもこちらに軽装を着て見せてくれた大倶利伽羅にぶんぶんと首を縦に振る。
     大倶利伽羅の周りをぐるぐる回りながら上から下まで眺め回す。
    「鬱陶しい」
    「んぎゃ!だからって顔つかむなよ!」
     アイアンクローで動きを止められておとなしく正面に立つ。
     ぐるぐる回ってるときに気づいたが角度によって模様が浮き出たり無くなったりしていてさりげないおしゃれとはこういうものなんだろうか。
     普段出さない足も想像よりごつごつしていて男くささがでている。
     あのほっそい腰はどこに行ったのかと思うほど完璧に着こなしていて拝むしかない。
    「ねえ拝んでいい?」
    「……医者が必要か」
     わりと辛辣なことを言われた。けちーと言いながら少し長めに思える左腕の袖をつかむとそこには柄がなかった。
    「あれ、こっちだけ無地なの?」
    「あぁ、それは」
     大倶利伽羅の左腕が持ち上がって頬に素手が触れる。一歩詰められてゼロ距離になる。肘がさがって、袖が落ちて、するりと竜がのぞいた。
    「ここにいるからな」
     ひえ、と口からもれた。至近距離でさらりと流し目を食らったらそらもう冗談で 738