天体観測 それは新月の夜のこと。暗闇にふわりと淡い金髪を浮かび上がらせた爆豪が、不意に天上を指差しながらテメェはどれくらい星を知っているかと訊いてきた。星座の知識を問われているのだろうか、小学校で習った位の知識しかねぇと返すとじゃあまずはお勉強だと呟き、その次のデートはプラネタリウムで夏の星座についての知識を簡単にレクチャーされた。
『爆豪は星が好きだったのか?』
『まァな、山の天辺から見る星は悪くねぇ』
なるほど、ではこの学習はいつか山登りに連れて行ってくれた時、一緒に星空を楽しむためだろうか。何となくこういう事前学習させるような流れは爆豪らしくない気もするけれど、恋人同士になってこうして隣に立つようになってからはまだ日が浅い。友達だった頃とは少しずつ距離の詰め方も変わっていくのかもしれねえ、そう思うと星空の勉強にも身が入る。
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