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    sirom_9393

    @sirom_9393

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    sirom_9393

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    テーマ:紛失
    お泊まりにくる八高。
    なんか長くなっちゃったので一区切り。

    #銀高
    silverGlance
    #八高
    theEightHighSchools

    銀高ss ⑦-1最初は小さな違和感。次は自分の記憶能力を疑って。それで、ようやく異変に気づく。

    「俺の服、無くなってね…?」


    仕事で使ってたハンカチ。枕に敷いてたタオル。時期はずれでタンスに仕舞おうと思ってたパジャマ。捨てようとしてたセーター。ワイシャツ。インナー。パンツ。
    「パンツはだめだろ!!犯罪!!」
    何かいる。確実にこの家に何かいる。霊的なアレ?それともストーカーのあいつ?流石に家まで押しかけるか?やりかねないけど。
    これは由々しき時代だ。ここは己の家であり、高杉との愛の巣だ。年下の未成年の教え子あんなことやこんなことやるってるなんて世間にバレたら社会的に死ぬ。その前に高杉のあんな姿やこんな姿を見た奴は殺すけど。
    どうしたものか。特に幽霊とかそういうのは本当に勘弁してほしい。やっぱ気のせいかな。お世辞にも部屋は綺麗とは言えない。そういえば高杉がキレながら掃除してくれる時あるな。何か知ってるかも。
    「とりあえず、高杉くん……」
    今日は沢山イチャイチャして×××とかに持ち込もうと思ってたのに。最悪だ。

    日が暮れた頃。今日からの3連休分のお泊まりセットを持った高杉がやって来た。いつもより大荷物だな、と思ったけど3日ぶんならこんなもんか?とそれからはあまり気に留めなかった。寝室に荷物を置いた高杉は、ソファにころんと寝転んでクッションを抱きしめた。うん、定位置。いらっしゃいのハグし忘れたなと残念に思いながら、食事の用意に取り掛かった。

    うまい。珍しく素直に感想を言ってくれた高杉に胸をいっぱいにしながらの夕食。
    しかし、幸せに浸っている場合ではない。この家では今事件が起こっているのだから。
    「高杉さ、俺の色んなもの知らない?」
    「あ?」
    「ハンカチとか、服とか。最近はパンツまで見当たらないやつあってさあ。」
    「……。」
    「やっぱ知らないか。どこやったんだろうな本当。ワイシャツなんか乾かない時とかないと困るんだけど…」
    「……。」
    「高杉?」
    「ちょっと、待ってろ。」
    「え、うん。」
    高杉が食事も途中に寝室へと向かう。
    なんか様子が変だ。いつもなら真っ先に知るか、とか、汚部屋のせいだろ掃除しとけ、とか辛辣な言葉が飛んでくるのに。妙に歯切れが悪い。
    「紛れてた。」
    戻ってきた高杉の手にあったのは、失くなったと思っていたワイシャツ。
    なんだ、やっぱ高杉か。
    よかった、幽霊じゃなかったんだ。
    ホッ、と最悪のパターンを回避できたことに安堵する。あれ、でもパンツは?
    「あ、もしかしてパンツもあったりする?」
    「………………もっかい見てくる。」
    「あ、うん。」
    なんか間がなかった?気のせい?
    「あった。」
    「ああ、それそれ!やっぱり混ざってたんだ!」
    割と履き古してるから、捨ててもよかったやつだけど。まあ戻ってきてよかった。
    「悪かったな、探させて。」
    「いや、俺も仕分けミスっててごめん。よかった。実はさ、幽霊とかだったらどうしようと思ってたんだよね。他にもセーターだのハンカチだの失くなってて。」
    「……もう使わないやつなら、失くなってもいいだろ」
    「いや、それがさ。服のリサイクル?店に持ってくとポイントもらえんのよね。だから古いセーターも探してるんだけど。高杉の家にあったりしな……」
    あったりしない?という言葉は紡げなかった。
    高杉が、なんていうか、あんまりにも、残念そうな顔をしてたから。
    「……あれもいるのか?」
    「えっ、なに?なんで?」
    「……」
    「ど、どうしたの高杉くん……」
    俯く高杉。流れる沈黙。
    思えば、不可解だ。洗濯を一緒に回すことはよくあるから、お互いのものが混ざるのはあり得る。だけど、捨てようとしていたあのセーターに高杉が心当たりがあるのはおかしい。だって、あれは捨てようとして袋に詰めておいたんだから。
    小さな違和感は、疑いへ。
    「も、もしかして、失くし物の犯人、高杉……?」


    続く。
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