銀高ss今日しようね、と言ってきたから準備した。
なのに、言った張本人が布団の上で寝息を立てていやがった。
「おい」
……。
「起きろコラ」
「うーん……」
バカの眉間に皺が寄った。うるせえってか。
胸の内で燻っていた火がだんだんと燃え上がり始めたのを感じて首を振る。怒りに任せると色々とよくない。経験済み。お互いに文句を言いながら及んだ日には全身噛み跡に引っ掻き傷に鬱血だらけ。痛みはないが、なんというか暫くの間記憶に残るので余り好ましくない。
だから、ここは雰囲気を重視して、つまり優しく。
「おい、起きろ銀時」
軽く揺すっても反応なし。耳たぶを引っ張ってもダメ。
「……」
普段なら呆れ(諦め)て、デカい体を部屋の端に転がしてから布団で眠る。だけど今日は。
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