銀高ss さわ。
「んで、あのパチンコの台が……」
さわり。さわ。
「あの店の店主が……」
きゅっ。
「ヅラが……」
「そういえば高杉の黒いパンツさあ……」
ぎゅっ。
「おい、いつまで握ってんだ。」
「えっ」
干したての布団で、今夜もしっかり大運動会を繰り広げた後。お互いぜえはあと息をしてゴロリと仰向けに並んで寝転んだ。
気だるさと開放感で両腕を伸ばすと、高杉の顔に触れた。素肌を指で擽れば、うざったいと退けられてしまう。
先程までかわいく啼いていたはずなのにこの変わりよう。願わくば「もうっ♡♡」くらい言って更にワンラウンドお誘いして欲しかったものだ。いや、誰だよ。
しかし諦めきれない俺は辛辣な手をどうにか掴んで、ぎゅうと己の指を絡めることに成功した。ちょっと抵抗されちゃったけど……
こうなれば後はまたあまいあまい雰囲気を形成するのみだ。とりあえず本日離れていた間の出来事でも話すかとぽつぽつ紡いでいた気でいたのだが。
「手ェ握るなら普通に握れ。何をさわさわ動かしてんだ。落ちつかねぇ奴だな」
完全に無意識だった。絡めた手を強く握ったり、指のあわいを擦り合わせてみたり、手のひらを堪能してみたり。色々と動かしていたみたいだ。
肌なんて頓着したことは今までなかったのに、乾燥して切れた高杉の指先を見ていたらどうにも気になってしまって。アドバイザーをアイスで釣って、ハンドクリームを選びに行ったのだ。匂いのきつくないものを選んで、風呂上がりに塗ってやれば、数日で滑らかな肌を取り戻した。
いつだって腕の中に閉じ込めておきたい存在を自分の手でメンテナンスした達成感と、きめ細やかさを取り戻した肌が心地よくて、つい何度も触れてしまった。
「いや〜手、気持ちよくて」
「ったく。んで、ヅラがどうしたって?」
あ、ちゃんと話聞いてたんだ。全然返事しないから無視されてると思ってた。
高杉の方から捕まえるように握り返された手はあったかくて。このまま、ずっと離さないでいられないかなと思った。
「あと俺のパンツがなんだって?」
「ちょっと借りたら汚れ落ちなくなったから捨てた」
「何してくれてんだ変態」
「いででで!殴んな!」