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    kasyoku

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    王国滅亡後あたりに人間として転移してきた🐐と、お・は・し(お前を離さない死なせない)な超激重感情💀②

    望みを叶えて世界で一番幸せな黄金のお姫様と作戦会議する話&嫉妬の魔将ちゃんとデミが🐐のお風呂サポートする閉話休題

    ⚠️巨大幻覚/捏造/監禁/ヤンデレ化

     存在すら隠蔽された漆黒の空間。その中心で、たった一部屋の領域守護者は陶酔にも似た表情で数百枚の記録紙に目を落としていた。
     忠誠に満ちたシモベの記録であり、同時に、監視と制御という名の冷酷な牢獄に囚われた男の追憶でもあった。
     男の身を囲むのは、魔導国が誇る悪魔たち。理想という名の毒、優しさという名の罠、終わることのない誘惑。甘く囁く声に、少しずつ言葉を奪われていく。


    「ウルベルト・アレイン・オードル様」


     沈黙を破ったのは、黄金の髪を垂らした一人の悪魔。ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ。かつては王国の黄金姫と謳われた少女。今や愛の渇望に堕ちた、この世で最も幸福な女の子となった存在。
     彼女はアインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下の勅命を受け、王の元へと足を踏み入れた。愛する者を自らと同じ悪魔に堕とした者として。偉大なりしもう一人の至高の存在を堕とす手助けを求められた、哀しき共犯者として。
     二人の王。二人の渇望者。


    「この御方は…とてもお強いのですね。心も、肉体も。きっと、どんな拷問でも折れないのでしょう」


     語るラナーの声に、冷たくも慈しむ色が混じる。
     愛していながら、保護という正当化の言葉で覆う。自由を願うふりをして、決して逃がしたくない。気高さを称えながら、支配したいという矛盾。
     目の前に座る死の王は無言のままだった。だが、その沈黙は否定ではない。むしろ、より強い肯定。
     ラナーにはわかる。自分もそうだったから。誰にも理解されず、ただ独りきりだったあの王国での日々。
     けれどクライムだけは違った。あの子犬だけは、純粋なまなざしでラナーを同じ人間として見ていた。


    「魔導王陛下は恐れているのですね。ご友人様が、またこの理想郷を去ることを」


     返答は、またも沈黙。
     だが、その沈黙こそが真実だった。


    「彼にいてほしいと願ってしまった。だがそれは、彼にとって残酷な願いだったのかもしれない」
    「ふふ…ええ。残酷なものです、愛というものは」
    「お前は…クライムを、どうやって縛った?」
    「心から、ですわ」
    「つまり、彼の世界を、自分で塗りつぶしたということか」
    「ええ。正確に言えば、塗りつぶさせました」


     アインズは小さく頷く。
     栄光の追憶、仲間たちと過ごしたギルドの日々。去っていった彼らの中で、唯一戻ってきた彼だけは、かつてのままの空気を纏っていた。対等に語り合い、罵り合い、喧嘩すら楽しめる。そんな〝友〟だった。
     ウルベルトに、どうしてもナザリックにいてほしかった。今の彼には能力も魔力もない。ただの人間に過ぎない。けれど、モモンガとしての自分が切望した存在だった。もはや依存(精神的支柱)と言ってもいい。
     アンデッドは負のエネルギーと生者に対する強い感情で動くモンスターである。アインズは、鈴木悟という人間としての生を終え、ナザリックとギルドメンバーへの思いで異形に生まれ変わった哀れなもの。
     理想を与え、安心を与え、忠実な部下を与えた。だが、それでも彼の心は離れようとしている。
     記録紙に記された名前に指先でなぞる寸前。ほんの一瞬だけ、アインズは手を止めた。心の深淵に触れることを、恐れたかのように。


    「私も、彼の世界の最後の一人になりたいと…そう思ってしまった。だが、彼が心から納得しない限り、同じことを繰り返すだけだ」
    「ならば、なぜ直接お伝えにならないのですか?」
    「…伝えた瞬間に、壊れてしまいそうだからだ」


     ラナーは口元に手を当て「まあ!」と声を上げた。肩を震わせて笑いを堪えている。
     やがて、呼吸を整えると、ピクニックに誘うような無邪気な声で向き直った。


    「魔導王陛下は、なんて慈悲深い方…。ならば、その理性を脱ぎ捨てては? 陛下も、狂気に至ってしまえばよいのです。オードル様を縛るためでなく、陛下ご自身が壊れるために、愛してみてはいかがでしょう?」


     アインズの手が止まり、漆黒の空間に赤い光がわずかに灯った。


    「…壊れても…いいのだろうか?」
    「ええ。もう壊れていますわ。とっくに。私と、同じように」


     ラナーの淡い桃色の唇が吊り上がる。あまりにも無垢で、あまりにも不気味だった。目は笑っていない。けれど確かに喜んでいた。願いが叶った少女などではない。欲望を叶えてしまった悪魔がいた。
     もし、この会話を魔導王を愛する慈悲深き純白の淫魔や、忠義に厚い煉獄のインテリ忠犬に聞かれれば、激しい怒りを招くだろう。だが、いまラナーの目の前にいるのは、自身を上回る智謀の王ではなく、ただの飢えた孤独な男だ。
     悪魔となった今の彼女の思考は、人のそれではない。冷たく、美しく、非情に、ただひとつの幸福を願う。
     

     どうか、どうかオードル様が、陛下の地獄に堕ちてくれますように。
     

     アインズは、静かに決意した。

    (心を尊重しながら、最後には支配したい。それが愛なら…)

     全てを赦し、受け入れ、包み込みながら。逃げ場など、最初から存在しなかったのだと。その事実を、優しさの名を借りて、世界ごと閉じ込めてしまえばいい。
     ウルベルトはまだ迷っている。ならば、手を差し伸べよう。選ばせてやらねばならない。この理想郷に魂を溶かすか、己を貫いて魂を溶かされるか。彼の意志を尊重しよう。
     周到に道を整え、丁寧に選択肢を与え、それでも彼が自分の信念で堕ちたという物語を用意する。それはきっと、彼のためになる。なにより、自分のためにも。
     愛を与えよう。願いを叶えてやろう。
     拷問の代わりに甘言を。檻の代わりに愛を。
     すべてを正しく、支配という形で。
     心から願っている。彼が、この世界で独りにならないように。
     自分を、独りにしないように。
     
     心の最後の砦が、音もなく崩れ落ちた。
     気がつけば、もう二度と戻れない場所まで来ていた。
     
     空気が歪む。
     誰も声を発していない。なのに、空間が笑っていた。


    「…ふふ。ああ、なんと美しい!」


     デミウルゴスが、眼鏡の奥で眼差しを細める。


    「偉大なりし生と死の支配者。全てを導く愛の形ッ!」


     アルベドが、震える指先で胸元を押さえる。
     パンドラズ・アクターは、ただ無言で魅入られたように、自らの顔を両手で覆い、その隙間から、ぬらりと嗤った。そして、その中心で微笑むラナー。
     彼らは狂っていなかった。アインズの決意のもとに、異形種という精神に導かれていただけだった。
     

    「これこそ愛ですわよね?」
     

     その問いに、誰も答えなかった。
     答える必要が、もうなかった。
     静けさはなく、咀嚼音にも似た満足が満ちている。




    * * *



     
    閉話休題『嫉妬』

     
     ウルベルト・アレイン・オードル
     かつてギルド《アインズ・ウール・ゴウン》の一員として、「大災厄の魔」と称された最強の魔法使い。
     今はその面影もない、ただの人間。
     転移の際に肉体を失い、ユグドラシルのアバターとしての姿ではなく、現実世界の肉体そのままでこの異世界に飛ばされてきた。
     ナザリックに迎えられた彼は、現在二重の監視下にある。密かに進行していると噂される計画、人間のウルベルトを悪魔へと堕とすための策略だ。
     

      ・
     

     第九階層内スパリゾートナザリックは、それはもう壮麗だった。
     白金の柱、蒸気にかすむ水面、滑らかな大理石の床が優しく空に浮かぶ星空を反射し、まるで夢の中のような幻想的な雰囲気を漂わせていた。流石はブルー・プラネットさんとベルリバーさんの力作だ。


    「ふう…」


     湯に浸かった瞬間、体から力が抜けた。湿気を孕んだ空気に溶ける。
     つかの間の息抜きがしたいだけだった。拷問ではないが、四六時中の監視は神経にくる。久方ぶりの自由。たとえ束の間でも、こうして静かに湯に身を委ねるだけで、心が少しだけ軽くなる。そんな気がした。
     …が、その安らぎはすぐに破られることになる。


    「ウルベルト様。僭越ながら、本日は私がご入浴をお世話させていただきます」
    「風呂ぐらい自由にさせろよぉ」


     低くぼやく声が虚しく反響する。今日はモモンガさん御用達の入浴介助用スライムや、ヘロヘロさん宅のアサシンじゃないようだ。
     低く、艶やかな声。振り返った視界に、デミウルゴスの護衛隊たる三魔将の一種、黒革のボンテージに身を包んだ悪魔が映る。カラスの頭部と、豊満な肉体を誇示するように、嫉妬の魔将は静かに立っていた。
     彼女は一礼しながら、にこやか…いや、にこやかすぎる笑みを浮かべている。なんだ、その顔。やけに気合入ってないか?


    「俺、一人で入れるし。そういうの、色々と倫理的にマズいし。ありがた迷惑っつーかぁ」
    「ですが、それではウルベルト様のお身体を隅々まで清めることができません。どうかこの身を役立たせてくださいませ」


     返答の間もなく、湯気の向こうから、エンヴィーが言った。まるで当然かのように、彼女は滑るように湯船に近づいてくる。
     デジャヴ。嫌な予感が脳裏をよぎる。仕方がない、きっとのぼせるまで押し問答するだけだ。
     小さな断りとともに、手にした濡れタオルをそっと湯に浸し、温度を確かめるように頬に押し当てられる。タオルの端が触れた瞬間、肩がびくりと震えた。が、それもすぐに緩む。指先があまりにもゆっくりと、繊細に、肩甲骨のラインを撫でるように滑るからだ。


    「…なんでこんなに丁寧なんだよ」
    「愛とは、細部に宿るものです」
     微笑みを崩さずに言う。その頬が、わずかに痙攣しているようにも見えた。
    「まさかお前、嫉妬してるのか?」
    「滅相もございません。…ただ、あのような安っぽいゼリーごときに、なぜ御身を任せるのでしょうか。毎日黒曜の雨を降らせそうにるのを抑えるのに苦労致しましたわ」
    「十分おかしいだろ!?」


     思わずツッコミを入れる。冗談ではない。ぞわり、と背筋に寒気が走る。この雌悪魔、本気で何をしでかすか分からない。

    (…これ、デミウルゴスやモモンガさんが仕向けたんじゃないな。コイツの独断か。ユグドラシルで嫉妬の魔将がここまで嫉妬深いって性格設定あったっけ? コイツの個性? 全然知らん。嫉妬深いのはソリュシャンの担当じゃんか。)

     断ると余計に面倒なことになりそうだ。観念して、浴場の縁に背中を向けて座った。


    「背中だけな。変なことすんなよ」
    「かしこまりました」


     その返事と同時に、ひたり、とタオルが背を這った。
     タオルはすぐに役目を終え、魔将の手は、泡立てられた液体を掌に掬い、直に肌へと触れていく。
     指先、掌、爪の裏、手のひらの感触―あらゆる部分を用いて、エンヴィーは鮮明に感じ取っていた。骨の浮き方、筋肉の薄さ、皮膚の繊細さ。


    「んっ…ちょ、くすぐった…」
    「背中のこの部分…痛めておられたご様子ですね。皮膚がわずかに硬化しています。ここは少し強めに…」


     ぬるり、と肩を包み、背骨をなぞる。
     思わず息を呑む。泡を纏ったなめらかな指先が、肩甲骨の縁をなぞり、背骨のすぐ脇をゆっくり、何度も撫でていく。そのたびに肌が泡立ち、痕跡を残していった。流れはやがて脇腹に分かれ、肋骨をなぞるように這い、再び中心へと合流していく。粘液は腰を包み、尾てい骨のあたりをゆるやかに、しかし執拗に撫でていく


    「し、下、行ってる下、行ってるって! ああ、もう、やめろって! 変な声出そうになるだろ!」
    「お加減いかがでございますか?」
    「延長しすぎだ!!」


     もはや動きは単なる洗浄というより、明らかに味わっているものだ。熱に浮かされたような、狂気すれすれの魅惑の吐息。双眸は陶酔の色に染まっていた。

     〝至高の御身を、今この瞬間、この指で感じているのは私だけ〟

     その事実に、嫉妬の魔将は甘美な酩酊を覚えていた。ウルベルトの皮膚に残るぬるついた泡、汗、熱。空気を震わせる吐息。ひとつひとつが、愛情の滴に思えた。


    「では、次は前側を」
    「ちょっと待て!!」


     即座に肩をすくめ、湯の中に沈もうとするウルベルトを、泡だらけの指がそっと留める。


    「ご安心ください。羞恥心を刺激しないよう、目は閉じておりますし、視界も遮断して…」
    「背中だけって約束だろ!」


     それでも手は止まらない。肋骨の浮き出た胸板、腕の内側、鎖骨の窪みへと、羽音を立てるように、泡の膜が移動する。やがて、エンヴィーはまるで陶酔したかのように、頬を寄せた。


    「ウルベルト様の匂い…湯と混じって、どこか甘く…それに微かに汗の塩気が混じって…♡」
    「なあ。言っておくけど、これ、完全にセクハラだぞ」


     風呂場に、しばし沈黙が落ちる。湯のはじける音だけが、二人を包む。


    「…で、今日の担当はどうしたんだ? 変わってくれって頼んだのか?」
    「…」


     エンヴィーは返さない。
     湯の外に転がっていたサファイア色のスライム状の塊が、漆黒の羽に体を刺されたまま、じっと動かないままであることに、ようやく気付く。


    「お前、ま、まさか…三吉君を…?」
    「あれは三吉君ではございません。湯上り用ゼリーです」
    「悪魔!!」
    「もっと、もっと隅々まで…私が触れた部分すべてが…ふふっ♡」
    「やめろやめろやめろ!! これもうただの洗浄じゃねえ!!」
     
     数十分後
     タオルを頭にのせ、ぐったりとしたウルベルトが脱衣所でぼそりと呟いた。
    「もう…こんなんこりごりだ……」
     その後ろで、湯気を立てる雌悪魔が、満たされた女の表情をしていた。
    「またぜひご一緒させてくださいませ♡」
     
     なぁ、るし★ふぁー
     男湯に女が入るのはマナー違反じゃないのかよ
     以前お前から聞いたレオ・ゴーレム、うんともすんとも言わなかったぞ
     
     

    * * *



    閉話休題②『観察記録』


     
     浴場の空をぼんやりと見つめていた。
     静かで、どこまでも整然とした魔法の満点の星空。湯気は一定量を保ち、湿度も完璧に管理されている。


    「…今日はなにする気ぃ?」
    「入浴は治療の一環です。交感神経を抑制し、回復を促す。本日は完全サポート式入浴支援にて、対応させていただきます」


     ぴたりと後方で立つのは、いつも通りの完璧な身なりのデミウルゴスだ。
     ただし今日は、黒手袋を外し、専用のバスローブ姿。指先ひとつで湯の温度すら調整している。


    「昨日のエンヴィーより、静かで逆に落ち着かないんだけど」
    「申し訳ございません。私が沈黙の間にも情報収集をしているという事実が伝わってしまったためでしょうか。今後は、沈黙と安心をより強く結びつけられるよう努力いたします」
    「無理してしゃべらなくていいぞ。むしろこえぇから」
    「なるほど。そういうことですか。対応の最適化には、さらなる課題があるということですね。記録しておきます」


     どういうことだよ。そう言いながらも、デミウルゴスは衣服を空気のように脱がせ、何の抵抗も不快感もないまま、湯へと導いた。動作はスマートで、入浴介助という言葉に含まれるどんな物理的接触さえも、まったく意識に上らせない技術だった。俺そんな設定付けた覚えないんだが?


    「本日は、温泉効果のある鉱石による湯処方を選択しております。神経修復と肌の再生、精神鎮静の効果がありますが、必要に応じて香りや触感の変更も可能です。ご要望はございますか?」
    「特に…っていうか、何種類あるんだよ」
    「十一万四千六百十二種類ございます。すべて試すには、凡そ三百年を要します」
    「なあ、本当に俺の快復を願ってやってる?」
    「勿論でございます! ウルベルト様がナザリックに留まる事を選ぶその日まで、我々は何不自由ないよう、すべてを整えるだけです」


     深く湯に沈むと、タイミングを完璧に見計らって、デミウルゴスが後ろから柔らかな布を湯の表面に浮かべた。皮膚の汚れを優しく取り除させるマジックアイテムらしい。そんなアイテム知らないんだが? パンドラが作った? ああそう…


    「肌への接触は可能な限り間接的に行います。直接触れるのは、緊急時またはご希望があった場合のみです。この布の軌道、圧力、速度すべて、ウルベルト様にあわせて調整いたします」
    「もう怖いわ…」
    「ありがとうございます。では、頭部の洗浄に入らせていただきます」


     湯の中に響くのは、規則正しい水音と、マジックアイテムの調律音のみ。音楽すら流れていないのに、何か整った世界に閉じ込められているような感覚。
     デミウルゴスの指先が、頭上でゆっくりと動く。決して直接触れないまま、魔法の泡が髪を包み、ほんのりとした微香が立ちのぼる。


    「言っとくけどな、デミウルゴス。これはさすがにやりすぎだぞ」
    「はい。ですので、これを苦痛と捉えられた場合には、それも記録されます。ウルベルト様が何に嫌悪を抱き、どこまでが心地よさであるか。その境界を知ることこそがシモベの責務。ですからどうか、抵抗しないでください。この行為全ては、確認するための儀式なのです」
    「入浴が儀式って…責務とか知るか。一人で入らせろ。プライバシーの侵害だ」
    「ウルベルト様の尊厳は、日常のあらゆる動作の中にあると私も信じております」
     その言葉は、ただの美辞麗句ではなかった。本気で信じている。だからこそ、入浴ひとつであっても、すべての魔法と技術を注ぎ込み、命をかけている。
    「…マジでお前、一歩間違えたらアウトだからな」
    「貴方様よりいただいた忠臣としての感情に過ぎません」
    「皮肉だっつってんだよ」
    「承知しております。皮肉を言える余裕があるのは、心が少し戻った証ですね。今夜の記録に、追記させていただきます。アインズ様もさぞお喜びになられるでしょう」


     誰も笑っていない。なのに、この空間は、なぜか優しさで満ちていた。
     優しさという名の、決して逃げられない囲い込み。悪意が一切ないからこそ、どう抗えばいいのかもわからない。
     …この風呂は、もうしばらく出られそうになかった。
     
     
     余談だが、エンヴィーの暴走は、案の定この男にこっぴどく叱られ、現在氷結牢獄で謹慎中らしい。


      ・
     

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