【共謀SS】賽は投げられた輸送機内は重苦しい沈黙に支配されていた。
目的地と作戦を考えれば当然とも言える。
これから我々が銃口を向けるのは魔獣ではない。
S.K.Yは新たな対魔獣組織としてトリの解放を謳ってきた。
魔獣を起因とした情勢の中、CAGEの内外で静かに不満が募っていただのろう。
宣伝と根回しの効果もあって、多くの賛同と協力者を得ることが出来た。
S.K.Yのスポンサーの中にはCAGEの台頭を疎ましく思っている者も少なくない。
既存の枠組みに属さない組織、得体の知れない上層部、秘匿されてきた技術。
不信と危機感、そして羨望。
荒事ではなく情報を引き出せたなら、それが最善であっただろう。
私が策を講じるまでもなく、引き金を引かれるのは時間の問題だった。
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