スポーツやってれば接触なんてよくあること。気にしていたら試合は出来ない。
「!わり、」
「いや、こっちこそ」
試合形式での練習中にぶつかって派手に転んだ。しかも俺だけ。見事な転びっぷりに少しの気恥ずかしさを覚えて、大丈夫だからと言い張り相手を試合へ戻した。
(ああは言ったけど…)
じん、と痛む足首に顔をしかめる。庇いながら立ち上がったが、体重をかけたところで思わずかくん、と膝が折れた。
「、っ」
なんとか倒れずに体勢を立て直したものの、このままプレー続行は厳しそうだ。
(保健室…)
「玲王」
いつの間にこちらへやって来たのか、俺の様子がおかしいことに気がついたらしい凪に肩を支えられた。
「わり、足やったみたいだ」
「保健室まだ開いてるかな」
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